日本全国、年末年始でどんなお雑煮があるの?「香川県:あんこ餅入りのお雑煮」
お正月料理といえば、なんといっても「おせちにお雑煮」ですよね。そして意外に知られていないのが、お雑煮は日本各地でいろいろな種類があるということです。そこで今回は、郷土のお雑煮の中でちょっと珍しいものをご紹介してみましょう。
【ふるさとの味で男を落とす!? バラエティ豊かな「ご当地お雑煮」】
ハゼが丸ごと入ったお雑煮
宮城県のお雑煮は、なんと「焼きハゼ」が丸ごと一匹入った「ハゼ雑煮」です。千切りにしてゆでたゴボウ・ニンジン・大根を、焼きハゼ・豆腐・ズイキなどと一緒に煮付け、最後に焼き餅を入れて火を止めます。
お椀への盛り付けの際にはカマボコとハラコ・セリを加えます。おわんからはみ出したハゼの姿がとてもユニークな東北流のお雑煮です。
あっさり味の「すまし汁風お雑煮」
富山県では「お雑煮」ではなく「すまし汁」と呼ぶのが一般的です。醤油ダシに具材はネギ・ニンジン・ゴボウで、さっと煮て最後に焼き餅をいれて完成という、お手軽な作り方で、味もあっさりしています。
「お雑煮」という大げさな料理ではなく、おそらく大勢やって来るお客さんにすぐに出せる汁物という風習が固定化したといわれています。
ハマグリ入りのお雑煮
三重県のお雑煮はハマグリが入っているのが特徴です。具材は輪切りにしたサトイモと、石づきを取った生シイタケと、3~4センチほどに切ったゆでた小松菜です。
醤油をベースにしたダシに具を入れ、ゆでたハマグリを加えて煮付けます。お椀に焼き餅を先に入れて、後から煮付けた具と汁を注ぐのが三重流です。
温まる白味噌のお雑煮
和歌山県のお雑煮は白味噌仕立てです。昆布ダシに白味噌と大根を入れて軽く煮立て、サトイモ・ニンジン・カマボコなどを入れて煮込み、最後に焼き餅を入れて完成です。
お椀に盛り付ける際に三つ葉やかつお節を乗せるのが一般的です。具材はおせちの「煮しめ」の具を使うことが多いようです。
これは驚き、あんこ餅入りのお雑煮
香川県のお雑煮は、なんとあんこ餅が入っているという変わり種ですが、地元ではこれが普通です。白味噌仕立てのダシ汁に、具材は大根・ニンジン・煮干しなどが一般的です。
あんこ餅を入れるのは、江戸時代からの風習で、当時は砂糖と小豆がぜいたく品で庶民はなかなか食べられず、せめてお正月だけは……というのが起源といわれています。食べてみると、これが意外に美味しいですよ。