クラシエ薬品は、1年間を通して季節や流行に応じた漢方情報を発信。今回は、20代〜60代の男女を対象に“飲み会後の不調”に関する実態調査(※)を実施しました。
春は「歓送迎会」や「お花見」など楽しい飲み会が増える季節。しかし、飲みすぎたり食べすぎたりで翌日に響いてしまうことも……。
そこで今回は、飲み会後や翌日に気になる体の不調について調査を実施。漢方の視点で考える“飲み会後の不調対策”をタイプ別に紹介しています。
■約4人に1人は飲み会時に食事・お酒の量が増えると回答
はじめに、飲み会での食事とアルコールの摂取量について尋ねたところ、全体の24.6%が普段と比べて摂取量が増加すると回答しました。
同席者別にみると、特に学生時代の友人との飲み会では摂取量が最も増える傾向がみられました。また、全体的に摂取量が増える一方で、上司、先輩との飲み会においては8.5%の人が減ると回答しました。
※ 「食事やアルコールの量が増加する」は、「食事とアルコールの両方とも増える」「アルコールの量のみ増える」「食事の量のみ増える」と回答した人の合計/ 「食事やアルコールの量が減少する」は「食事とアルコールの両方といつも通り、または減る」と回答した人の合計
■上司や先輩との飲み会では“周囲のペース”が食事とお酒の量に影響!?
食事やお酒の摂取量が変化する理由について調査したところ、全体的な増加の要因として「気が緩むため」や「気分が高揚するため」といった回答が上位に挙がりました。楽しい飲み会の場では、つい食べ過ぎたり飲み過ぎたりしてしまう傾向があることが分かります。
さらに、同席者によっても飲酒量に違いが生じることが明らかになりました。特に、上司や先輩との飲み会で摂取量が増える理由として 「周囲のペースに合わせるため」と答えた人が最も多い一方で、摂取量が減る理由としては「緊張する」「周囲への配慮や気遣いを優先する」が挙げられました。
このような結果から、同席者との関係性が食事とお酒の摂取量に影響を与えることが分かりました。
◇調査概要
調査対象:全国の20代〜60代の男女200名(有効回答数)
調査期間:2025年3月24日
調査方法:インターネットアンケート/クラシエ調べ(クロス・マーケティング QiQUMOを利用した調査)
■飲み会後に気になる不調は「胃もたれ、胸やけ」が最も多い結果に
飲み会後や翌日に気になる不調について調査したところ、「胃もたれ・胸やけ」が最も多く、前問で食事やアルコールの摂取量が増える傾向があることから、胃腸へのダメージが現れていることがうかがえます。
また「頭痛」や「吐き気」を挙げる方も多く、お酒の飲みすぎによる二日酔いの影響が考えられます。
一方で、4位には「精神的な疲労(気疲れなど)」がランクイン。目上の人との飲み会での緊張や、場を盛り上げようと周囲に気を配ることなどが要因となり、身体的な不調に加えて精神的な疲れを感じる人も少なくないことが明らかになりました。
■漢方視点で考える“飲み会後の不調”対策をタイプ別に解説
◇がっつり飲んで食べる“ガッツリタイプ”
特徴:お酒も食事もたっぷり楽しむタイプ。翌日の胃もたれやだるさが気になる。
漢方的対策:
胃の症状が気になる、また顔や目が熱っぽく充血するような方には、体の熱を冷まして炎症をしずめる「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」などがおすすめ
宴会前にキャベツや山芋を食べ、胃の負担を軽減
翌日は消化を助ける大根おろしや生姜湯でリカバリー
◇お酒メインで食事は軽め“飲兵衛タイプ”
特徴:お酒を中心に楽しみ、食事はつまみ程度。頭痛やむくみなどの二日酔いが気になる。
漢方的対策:
頭痛やむくみなどの二日酔いが気になる方には、アルコールと一緒に摂り過ぎた余分な水分を出す「五苓散(ごれいさん)」などがおすすめ
豆腐や枝豆を意識して摂取し、アルコールの吸収を緩やかに
翌朝ははと麦茶やシジミ汁でむくみをケア
◇食事メインでお酒は控えめ “グルメタイプ”
特徴:美味しい料理を楽しみながら、お酒は少なめ。食べすぎによる胃のもたれが心配。
漢方的対策:
胸やけ・胃もたれなど不快な胃腸症状が気になる方には「止逆清和錠(しぎゃくせいわじょう)」などがおすすめ
最初にサラダや黒酢ドリンクを摂ると胃腸に優しい
食後のプーアル茶で脂っこい食事の消化をサポート
◇周囲への気遣いで疲れる “気疲れタイプ”
特徴:周囲に気を配りすぎたり、目上の人を意識して飲み会の場で疲れがち。
漢方的対策:
ストレスなどによる気疲れ、だるさが気になる方には「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」などがおすすめ
帰宅後は陳皮(みかんの皮)や生姜を入れた温かいお茶で気持ちを落ち着け、胃腸と心を整える
寝つきを良くするために、ぬるめのお風呂につかる
◇〜漢方ワンポイントアドバイス〜
食事とお酒の量が増えそうな飲み会では 「黄連解毒湯」と「五苓散」を合わせて服用も可能です。
体の熱を冷まして炎症をしずめる作用のある「黄連解毒湯」と余分な水分をだす作用のある「五苓散」によって吐き気や頭痛といった二日酔い症状を緩和してくれます。
■“飲み会後の不調”対策におすすめの漢方薬・生薬製剤
クラシエ薬品より、飲み会の後の症状におすすめの漢方薬・生薬製剤を紹介しています。
◇むくみ、頭痛、飲み過ぎによる二日酔いに
五苓散(ごれいさん)
五苓散は、お酒を飲んだ次の日に顔がパンパンになる人、お酒を飲むとよくおなかをこわす人、お酒を飲んでいるときトイレに行く回数が少ないという人などにおすすめの漢方薬です。お酒で摂り過ぎた余分な「水(すい)」を体の外へ出すことで、むくみや頭痛、吐き気などの二日酔いの緩和が期待できます。
◇胃の症状や熱症状が強く出る二日酔いに
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
漢方では、二日酔いは、アルコール・水分の摂り過ぎと、お酒の体を温める作用により生じると考えます。黄連解毒湯は、お酒の体を温める作用によってあらわれる、胃のむかつきやもたれなどの胃炎、二日酔いの症状を、炎症をしずめる作用によって緩和します。お酒とともに、味の濃いものや脂っこいものをつい食べ過ぎてしまう人におすすめの漢方薬です。
◇胃酸逆流による胸やけ、胃もたれに
止逆清和錠(しぎゃくせいわじょう)
止逆清和錠は、胆汁分泌を促進させて消化吸収を盛んにする牛胆汁エキス末、胃酸を中和し胃の調子を整えるボレイ、胃腸機能を整えるカンゾウ・ケイヒ・ショウキョウ・オウバクの6種類の生薬から成る胃腸薬です。胃酸の逆流などによる胸やけ・胸つかえ・胃もたれなどの不快な胃腸症状の緩和が期待できます。
(エボル)