「明日は晴れますように」と願いを込めたてるてる坊主がつるされている家を見ると、気持ちがほっこりする人も多いでしょう。
しかし、このてるてる坊主に怖い逸話があることを知っていますか?
今回は、てるてる坊主がなぜ怖いといわれるのか、その理由を説明します。また、意外と知らない正しい作り方も紹介するのでぜひ参考にしてください。
■てるてる坊主とは?
てるてる坊主とは、晴れを願う時に行うおまじないの1つ。
その起源はいくつかあるといわれていますが、1つに^中国にある「掃晴娘(さおちんにゃん・そうせいじょう」がルーツとされる説^があります。
掃晴娘は長く降り続く雨に苦しむ人たちを救うために、雨の神である龍神の妃となって天に昇ったのだとか。その伝説から、晴れを願う時は掃晴娘をモデルにして紙や布で人形を作るようになったといわれています。
もう1つは、^雨続きで困った殿様がお経を唱えることで晴れにすることができるお坊さんの話を聞き、晴れるようにお願いしたという日本の昔話^があります。
実は、この後に続く物語が怖いといわれているのです。
■てるてる坊主が怖いといわれる理由
日本の昔話では、お経で雨を止ませることのできるお坊さんの話を聞いた殿様が、お坊さんを呼んでお経を唱えさせました。
ところが、いくらお経を唱えても、雨が止む気配は一切ありません。何日たっても晴れることはなく、怒った殿様が、そのお坊さんの首をはねてしまったというのです。
そしてお坊さんの生首を、白い布でくるんでつるしました。すると、^次の日には雨が止み、晴天に恵まれた^といいます。
生首をつるして晴れを乞うという発想自体、少し恐ろしいもの。しかし、この話は童謡「てるてる坊主」の歌詞にも反映されています。
おそらく誰もが子どもの頃「てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ」というフレーズは歌ったことがあるのではないでしょうか。
この童謡の3番には^「それでも曇って泣いたなら そなたの首をチョンと切るぞ」^というフレーズが続きます。明らかに上の話を踏襲しているかのような歌詞になっているのです。
これが、てるてる坊主が怖いといわれる理由でしょう。
■てるてる坊主の正しい作り方
少し怖いてるてる坊主の由来ですが、晴れを願う時にはおすすめのおまじないです。
子どもの頃に何度も作ったことがあるという人も多いと思いますが、その作り方はもしかすると間違っているかもしれませんよ。
ここからは、正しいてるてる坊主の作り方を紹介します。
◇ティッシュで作る方法
最も簡単なのは、ティッシュを使った方法です。
*(1)ティッシュを2枚用意して、1枚を丸い形にします。
(2)残りの1枚で丸めたティッシュをくるみます。これで頭の部分が完成です。
(3)輪ゴムなどで首となる部分を固定します。
(4)頭部の後ろにセロハンテープやマスキングテープを使ってひもを付けましょう。これを軒下などにつるせば完成です。*
◇折り紙や画用紙で作る方法
折り紙や画用紙を使えばカラフルなてるてる坊主が作れます。この場合、立体的ではなく平面で作るのが簡単でおすすめですよ。
*(1)えんぴつで折り紙や画用紙にてるてる坊主の型を描きます。頭部を丸くし、首から下の部分を末広がりにするのがポイントです。
(2)型ができたら、はさみでカットします。
(3)頭部の後ろにセロハンテープやマスキングテープを使ってひもを付け、軒下などにつるせば完成です。*
☆顔は描かないのがポイント
ここまで見てきて、「あれ、てるてる坊主に顔を描かないの?」と思った人もいるでしょう。
かわいらしく仕上げたいなら欠かせないポイントですが、^正しい作り方では、てるてる坊主の顔は描くべきではない^とされています。
その理由は、雨が降ってしまった場合に顔がにじんで不気味になったり、悲しそうな表情になったりするからなのだとか。また、顔が泣いていると、逆に雨を引き寄せてしまうという説もあります。
とはいえ、顔を描いたからといっててるてる坊主の効果が完全になくなってしまうとは言い切れません。顔を描かなくても、雨が降ってしまうことだってあるでしょう。
^大事なのは晴れを願う気持ち^です。あなたの思いが天に届けば、きっと雨は降らないでしょう。
■てるてる坊主には悲しい由来があることもお忘れなく
てるてる坊主のルーツの一説として、実はお坊さんの生首だったという怖い話を紹介しました。童謡の「てるてる坊主」の歌詞に3番まであったことを知らなかった人も多いのではないでしょうか。
また、そのルーツに合わせた場合、てるてる坊主をつるす時には顔を描かないのが基本となります。しかし、絶対にNGというわけではありません。あくまでも一番大事なのは晴れを願う気持ち。
ぜひ本記事を参考にしつつ、自分が納得できるてるてる坊主を作ってくださいね。
(LIB_zine)
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