この夏のボーナスの使い道は決まっていますか?
夏休みの旅行資金や自分へのご褒美など、目の前の楽しみに使う人もいるでしょうし、「貯金がほとんどない…」という人は、急な出費の備えにしたいところかと思います。
もし、少し余裕がある場合は、将来に向けて資産運用を始めてみてはどうでしょう。
このとき、まとまったお金を一度に投じるよりも、まずは「積立投資」で始めることをおすすめします。
■積立投資のメリットの1つは「不安を和らげてくれる」こと
積立投資は、月に一度など、決まった間隔で同じ金額をコツコツと資産運用にまわしていく方法です。
定期的に収入の一部を資産運用にまわしていくので、着実に運用資金を積み上げていくことができます。日々、仕事やプライベートで忙しく過ごす世代にとっては、資産運用を続けやすい仕組みとも言えるでしょう。
そして、積立投資には、続けやすいポイントがもう1つあります。
それは「不安を和らげてくれる」ということです。
例えば、この夏に支給されるボーナスのうち、15万円を資産運用にまわすとします。
月に1万円ずつ積立投資をすると決めて始めた人は、始めた直後に相場が10%下落したとすると、この時点で減る資産は1,000円です。一方、15万円を丸ごと資産運用に投じた人は、資産が一時的に1万5,000円減少することになります。
最初からまとまったお金を運用にまわすと、資産がマイナスになったときの心理的なダメージは大きいものです。「将来のために―」と長期目線で始めたはずの資産運用を、不安や焦りから続けられなくなる可能性もあるでしょう。
投じたお金が少額のうちに、相場が下がり自分の資産が減る、という経験をすることで、日々の値動きに慣れ、落ち着いて続けていきやすくなると考えます。
■相場が荒れている時ほどコツコツ続けよう
ただ、ここ最近、株価が急に下がるなど不安定な相場に関するニュースを目にする機会が多く、資産運用を始めることそのものに躊躇する人もいるのではないでしょうか。
実は、このように相場が不安定な時にこそ、積立投資を続けるメリットがあるのです。
相場が下落している時にも決まった間隔でコツコツ積立投資を続けると、資産を安く購入することができます。その後に相場が回復すれば、下がったときに買った資産は値上がりし、より大きなリターンを得ることになるのです。
相場の下落がいつ起きて、いつまで続くのか、そしていつ回復するかは、たとえ専門家であっても正確に言い当てることは難しいものです。どのようなときも淡々と運用を続ける積立投資は、不安や焦りなどの感情に左右されづらく、将来のための資産を増やしていく上で有効な手法だと言えます。
■「真夏のランニング」を乗り越えると…
相場が不安定な時に資産運用を始めることは、たとえるとするなら、これからの暑い時期にランニングを始めるようなものです。
真夏のランニングは、水分を補給しながら休み休み走ってもつらいことは想像できます。
ただ、この時期にランニングを始め、無理のないペースで毎日続けることができれば、穏やかな季節には走ることがとても楽になり、習慣化しやすくなるでしょう。
これと同じように、資産運用も相場が不安定な時期からはじめ、乗り越えることで、日々の値動きに一喜一憂せずに続けていきやすくなると考えられます。
将来のための資産運用は、時間をかけてさまざまな場面を乗り越えながらお金を育てていくものです。
始めるタイミングを考える際に、相場の動きを過度に気にする必要はありません。手元のお金に余裕ができたときに、自分にとって無理のない金額からコツコツと始め、続けていきましょう。