※このコラムは『わたしの宝物』5話までのネタバレを含んでいます。
■サークルクラッシャー真琴の不穏な動き
お互いの出会いと存在に感謝をしながら、抱き合い、別れのけじめをつけた美羽(松本若菜)と冬月(深澤辰哉)。そして、2人が抱き合う様子を見てしまった真琴(恒松祐里)。
美羽、冬月は2人の絆としてそれぞれが持っていた刺繍のしおりを図書館の本に挟み、手放すことで2人とも別れのけじめをつけたのですが……。サークルクラッシャー真琴が抱擁を見てしまったせいで、ここから全ての歯車が狂い出していきます。
■「親友なのに!」と勝手に怒りと嫉妬を募らせ暴走を始める真琴
美羽の夫である宏樹(田中圭)にひっそりと想いを寄せるシングルマザーの真琴は、「こんなパパがいたらいるだけで幸せですよね。今まで夫婦の危機なんてないでしょ?」と手始めに宏樹が美羽の不倫疑惑を知っているのがジャブを打ち始めます。
「夫婦なら1度や2度あるでしょ。美羽のおかげで本当に大切なものに気づけた。今がいちばん幸せかな」と、不倫など梅雨知らずに、幸せそうな宏樹の様子に真琴は嫉妬を募らせます。
そして今度はお惣菜を手に、美羽の元へ。「私美羽さんの話たっぷり聞くって言ったじゃないですか! 親友なんで!」と、親友とは思えない嗅ぎ回りっぷり。あえての「親友」という協調が一層恐怖を感じさせます。
「最近元気ないですよね。宏樹さんも心配してましたよ。私の推しを不幸にしたら許しませんから! 私美羽さんのこと信じてますから。ちゃんと話してくれるって」と、押し付けがましく親友を振りかざしながら不倫の話を美羽から引き出そうとします。
“親友イコール全てを知っているべき!”という学生のような若いノリは真琴のエゴに見えて仕方ありません。大人にはそれぞれ事情があるのですから、言いたくないことを無理やり聞き出したりせず、相手をおもんぱかって一歩引くのもまた親友のひとつの形。
しかし、ここで美羽から不倫の話を引き出せなかったことで、「親友なのに!」と、また嫉妬や憎悪を沸々と膨らませてしまったのでしょう。真琴の暴走はどんどんとエスカレートしていきます。
■計画的に美羽と冬月を引き合わせる負の行動力
その攻撃の矛先は今度は冬月に向けられます。まず、子どもの栞を連れて、真琴の雑貨屋で勤務するよう美羽を誘います。その後、仕事を装って冬月を店に呼び出し。「冬月さん結婚や恋人は? 私、浮気とか嫌いなんですよ。冬月さん誠実そうだからしなそうですよね。もしかして不倫したことあります?」とハラスメントな質問の手を止めず、冬月のリアクションを伺います。どんどんと表情が沈んでいく冬月。
そしてそこに出勤する美羽と栞。
「おふたりともここで会ってるんですよ! 覚えてません?」と白々しく冬月と美羽を計画的に引き合わせ、「ほんとにかわいいんですよね。誰に似たのかな?」と栞を冬月に抱かせようとするのです。
「やめて!」と美羽が静止することで、栞が実の父である冬月に抱かれることは阻止することができました。親友というより、自分の欲望のままに動いているように見える真琴。恐ろしいことにその攻撃の手はまだまだ止まりません。
■事実と妄想を混同し出したヤバ女・真琴
「誰にも見られないところで話したい」と宏樹を呼び出す、真琴の恐るべき行動力。
「宏樹さん幸せって言いましたよね? その幸せ本物なんですかね? ずっと誰にも言わないって決めてたことがあるんです。美羽さんも大切だし、言われた人を困らせたくないから。ずっと宏樹さんのことが好きでした」と、冬月につい先日「浮気とか嫌いなんですよ」と言っていたの忘れたのか? とひっぱたきたくなる矛盾発言。
からの「美羽さんは宏樹さんを裏切ってますよ。不倫してます。栞ちゃん……」と、さも栞が宏樹の子どもではないかのような含みを持たせて宏樹にぶっ込んできます。
宏樹よりも付き合いが長く、親友だと公言していた美羽に、事情も真実も確認することなく、怒りとヘイトをMAXまで膨らませ、宏樹を優先する真琴。
男>>>友情のタイプに天真爛漫、自由な女という属性が加わるとここまでのサークルクラッシャーになるんですね。
もちろん宏樹にも根拠を確認されるのですが、「女の勘ですよ。いや、母親の勘です!」と、一回美羽と冬月が抱き合っていたのを見たくらいで、ここまで妄想を膨らませて、自信満々に他人の旦那に進言できるの、マジで事実と妄想を混同しているヤバ女です。今回はたまたま当たってただけ。
「勘てさー!」と宏樹だけならず、視聴者全員が心で同じことを叫んだことでしょう。
てか、今回の進言に「好きでした」告白いりました? ワンチャン、宏樹を奪おうとしている下心ないとこの発言不必要ですよね? 今後の真琴の動きにも注目です。
■全ての事実を知ってしまった宏樹
真琴の言葉が心に引っかかった宏樹は、栞のDNA検査を行い、隠されていた事実を知ることになります。栞を本気で愛し、あんなにも打ち込んでいた仕事よりも優先したいと、精一杯父親を務めてきた宏樹。それが自分の子どもではないと知った時の衝撃と、あんなにも自分に献身的だった美羽に裏切られていたという事実は耐え難いものでしょう。2人は宏樹にとっての宝物だったのですから。
ハーフバースデーを祝う、幸せなはずの時間に違う意味の涙が流れてきます。そして栞と2人で海に向かい、自殺するような仄めかしがありましたが、まぁきっと死にません。
この事実をすぐには美羽に伝えなかった宏樹。宏樹もまた自分の心に留めておくのか、美羽に伝えるのか、この事実をどう扱うかも気になりますね。また次回。
(やまとなでし子)