突然ですが、「学校でプールに入った次の授業時間の香り」を思い出せますか? 塩素のにおいや制汗剤の香りが混ざった、気だるいあの時間の香り……イメージしているうちになんだか眠くなってきた人もいるかもしれません。
このように、嗅覚は記憶と強く結びついているといわれています。そして、それは感情ともつながっている――2025年3月15日(土)~23日(日)に原宿で開催される花王「香屋-KAORIYA-」では、そんな嗅覚による「記憶」と「香り」の新ペアリング体験ができるのだとか。早速、体験しに行ってきました!
■香りから記憶を呼び起こす。心を動かす香りの力を体験
花王「香屋-KAORIYA-」の会場は「アンノン原宿」。和風な佇まいに、ピンクとブルーを基調とした暖簾が目立ちます。暖簾をくぐって最初に現れたのは「記憶を引き出す部屋」。ここでは10種類の「記憶の香り」が入った引き出しが並んでいます。
引き出しを引くと、「暑い夏が終わって、せいせいしつつもちょっと寂しい街角」「わからなすぎて、早々に睡眠時間にしようとわりきった古文のテスト」など、誰もが経験あるようなシーンの“あの香り”を感じられます。
ここまで読んだだけではなかなか伝わりにくいかもしれませんが、たとえば「部活後、17時のロッカー前」の引き出しを開けると、制汗剤のような香りがふわり。
すごいと感じたポイントとしては、いろいろな制汗剤が混ざったような香りになっていたところです。特定の「せっけんの香り」ではなく、シトラス系やマリン系などさまざまな香りに感じられ、でも嫌な臭いではない……まさに「部活後の香り」だと感じました。
他にも「3,200円の口紅を手にしてなんだか背筋が伸びた、百貨店の一階」など、自分の記憶と結びつくような香りが全部で10種。ぜひ全部香ってみてくださいね。
■思わずじっくり読み込んでしまう「記憶に没入する部屋」
次の部屋に進むと、壁一面に文字がびっしり。ここは「記憶に没入する部屋」で、「誰かの思い出」が小説のように綴られています。
その内容を読みながら展示されている香りを嗅ぐと、自分は体験したことが無いはずの「誰かの思い出」に入っているかのような感覚に……というのがコンセプトなんだそう。「え?本当に?」と思いながらも読み進めていくと、途中で香りをかぐポイントが出てきました。
文中の番号と対応する香りの瓶が手前に置いてあり、蓋を開けると小説内の情景がリアルに感じられる香りが広がります。たしかにこれは臨場感が出て、世界観に没入できる……!
そもそも小説の内容の良さもありますが、香りを感じながら読むことでさらに心が動かされます。
ちなみに小説は二編あり、一つ目のお話は登場人物の背景を思わずあれこれと想像してしまうような内容、二つ目は思わずほろりと涙をこぼしてしまいそうなあたたかいお話です。
6つの香りが用意されており、その中には「この香りを嗅ぐの……?」と少し躊躇してしまう場所もあるのですが、決して嫌なニオイではなく、ついつい「あ~」と納得の声をあげてしまうような香りでした。詳しくはぜひイベントで体験してみてください!
■香りの先端技術に触れる
ここまで、香りがいかに心を動かすかを体験してきましたが、最後に待ち構えるのは「調香師の部屋」。花王は130年以上もの香り研究の歴史を持つ企業です。ここでは「花王の感覚化学研究所」が行っている「香りと人の研究」について知ることができます。
目に見えない香りを可視化する技術や、人が感じた香りを表現する技術、さらには香りが最もきれいに香る瞬間を再現する技術など、香りに関する技術だけでこんなに幅広い体験ができるのか……! と驚くばかり。
技術の解説ブースと聞くと少し難しそうに感じる方もいるかもしれませんが、たとえば、バラが咲いていく過程で空間の中の香りがどう変化するのかをARで視覚的に体験できるブースは視覚的にもおもしろい体験ができるはずですよ。
■香りで心を豊かに
今回、ブースに設置された香りの中には実際に花王の製品に使われているものもあるのだとか。
普段、ハンドソープや食器用洗剤などを使う時はそこまで香りに意識が向いていないことがほとんどだと思いますが、このイベントを体験してからは日常のふとした瞬間に嗅覚に意識を向けたくなりそうです。イベント期間中、会場近くまでお越しの方はぜひ「香屋-KAORIYA-」にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
「香屋-KAORIYA-」
開催期間:2025年3月15日(土)~3月23日(日)
営業時間:11:00~19:00
会場:UNKNOWN HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前6-5-3)
入場料:無料
(取材・文:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部)