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お母さんと話そう。大人女性の「更年期」ってどういうこと?

お母さんと話そう。大人女性の「更年期」ってどういうこと?

二十歳(ハタチ)と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか? 「大人の女性」「お酒が飲める」など、さまざまありますよね。独り立ちして、親子関係に変化があるのもこの頃ではないでしょうか。今回、両親への感謝を綴ったオリジナル曲を歌う民謡歌手の竹野留里さんをゲストに迎え、二十歳を迎えた頃を振り返ってもらいました。また、母親世代ならではの悩みについては、婦人科医の小川真里子先生を交えてお話を伺いました。人生の先輩である母親世代の悩みを知ることは、娘世代にとっても大切なこと。さっそく、竹野さんに母娘のエピソードをお話しいただきました!

今回お話を伺った方はこちら
竹野留里さん

竹野留里さん北海道出身の民謡歌手。2007年「全道民謡決勝大会(幼年の部)」での優勝を皮切りに、数々の民謡大会で優勝。2016年からはテレビ東京「THE カラオケ★バトル」に出演し、「U-18四天王」としても話題に。札幌医科大学卒業後は、作業療法士として都内の病院に勤務しながら、歌手や俳優として幅広く活動中。2023年発売の初のオリジナルソング『四季花鳥』のカップリング曲『華つづり』では、両親への感謝を歌詞に込めている。 竹野留里さんのYouTubeチャンネルはこちら

小川真里子先生

小川真里子先生東京歯科大学市川総合病院 産婦人科准教授。日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医、日本産科婦人科学会産婦人科専門医などの資格を持ち、更年期やPMS(月経前症候群)などの診療にあたる。更年期医学と女性心身医学を専門とし、多くの女性のホルモンにかかわる悩みに対応している。各種メディアを通じ、更年期症状との向き合い方について発信している。

当たり前の日常は当たり前じゃなかった――すべては母のおかげ。母はいつも私の味方で、導いてくれる存在。

お酒を飲むと、ついお母さんに電話をしてしまうという竹野さん。今では仲良し親子で、母への思いを語るといつも号泣してしまうそう。涙ながらに、いろいろ語ってくれました。
現在24歳の竹野さんですが、二十歳を迎えた頃はちょうど一人暮らしをスタートさせた時期で、母親のありがたさを強く感じたそう。

竹野留里さん 竹野留里さん

竹野さん

家事、毎日のお弁当作りなど、今まで当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかった。勉強に集中できたのもお母さんのおかげなんだ、と改めて感じました。と同時に、24歳で私を産んだ母と4年後の自分とを重ねて、改めて母の偉大さを感じました。母のすすめで民謡をはじめたのですが、母は常に私の味方で、導いてくれる存在。精神的に辛いときも支えてくれ、私の気持ちをいつでも尊重してくれます。

竹野留里さん

お母さま手作りの花飾りと両親への感謝を綴ったオリジナル曲「華つづり」は、First Single「四季花鳥」に収録されています。

竹野さん

以前、民謡の全国大会のときに、応援に行けないからと髪飾りを手作りしてくれました。これを身に着けていると、母が見守ってくれているような気持ちになれます。母への感謝は、いくら恩返ししても返しきれないくらいです。

母世代の悩みは意外と気づかれにくい!?子どもが大人になる頃、ちょうどお母さんが「更年期」を迎えるという親子も多い。

お母さんが一番の味方だと語る竹野さん。「母は空手の元国体選手で、父よりも頼りがいがあるくらい(笑)。いつも元気で健康的。だから逆に、ちょっと笑顔が曇ると心配になることも」と、元気なイメージの母の健康を気遣う場面も。

子どもが二十歳を迎える頃の母世代といえば、多くが40~50代です。この年代は、ちょうど「更年期」を迎える時期でもあります。母世代の悩みについて、女性の健康をサポートしている小川先生にお話を伺いました。

更年期障害とは

更年期障害のメカニズム

(小川真里子 作成・監修)

小川先生

一般的に、閉経前後の約10年間が「更年期」と言われています。日本人女性の平均閉経年齢は50~51歳なので、45歳~55歳くらいまでが「更年期」となります。40代後半になると生理の周期が長くなり、からだに少しずつ変化が起きてきます。脳から「エストロゲン(卵巣から分泌されるホルモン)を出せ」と指令がきても卵巣が「もう無理……」という状況になり、エストロゲンの分泌が減っていきます。その結果、ほてり、汗、イライラ、情緒不安定、尿漏れ、肩こり、めまいなど、さまざまな更年期症状(※1)が女性を悩ませます。

(※1)更年期障害とは? | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)

小川真里子先生

小川先生

中でも、更年期ならではの特異的な症状として血管運動神経症状=Vasomotor Symptoms(以下「VMS」)が挙げられます。ホットフラッシュ(※2)という言葉を聞いたことは、ありませんか? 個人差がありますが、頭が突然のぼせた感じになり、顔がほてって赤くなったり、滝のように汗が流れたり、全身熱くなるのに手足は冷えていたり……。実に、日本人女性の約40~70%が経験するといわれています。VMSは、寒い場所から暖かい場所へ移動したり、季節の変わり目などに起こりやすいとはいわれていますが、いつ起きるかわからないので、ほてりで夜中に何度も目が覚めて睡眠が障害されたり、汗によるメイク崩れやみんなには快適なエアコンの設定温度でも一人で汗をかいていて恥ずかしい思いをするなんてこともあります。

竹野さん

思い当たることがあります! 家族の中でお母さん一人だけが暑がっていることがありました。あれは、ホットフラッシュだったのかもしれないんですね。当時は知らなかったので、冗談で「痩せたら!」って言っちゃってました。今、振り返ると、外出するときなどは汗拭きシートやパンチすると冷たくなるようなグッズを持ち歩いていました。

竹野留里さん、小川真里子先生

小川先生

大概、更年期症状に悩まれている方は、手にハンカチを持っているかもしれないですね。それか、最近だとハンディ扇風機。

竹野さん

仕事現場でもハンカチを手にされている方、います! そういうことだったのかもしれないですね。

小川先生

更年期症状がひどい方は、人前に出たり外出をためらう人もいるんですよ。閉経を迎えるにあたり、“女性じゃなくなってしまう”と感じる方もいて、隠したいという思いがあるからでしょう。みんな周りに気づかれないように我慢して頑張りすぎちゃって、こじらせてから病院を受診される方が多いんです。

竹野さん

私、今、ドキッとしました。母は明るい性格なので、「痩せたら」といったときは「うるさいわ」って返してきたけれど、気持ちが落ち込んでいる中、さらに傷つくようなことを言っていたかもしれないですね。確かに、妹が母に向かって「更年期じゃない?」と言ったときがあって、母の顔が暗くなったのを覚えています。

竹野留里さん、小川真里子先生

小川先生

自分で変化に気づきながらも、認めたくないという気持ちがあるんだと思います。そこを他人から指摘されると傷ついちゃうかも。ちょうどこの頃は、子どもの反抗期、受験、就職、そして場合によっては両親の介護を経験し、自分の将来への不安などの社会的・環境的な要因が重なる時期。そこに頑張りすぎるなど個人の性格的要因などが複合的に合わさって日常生活に何らかの支障がでてきたりします。このような状態を「更年期障害」といいます。

竹野さん

うちの母も頑張るタイプですし、下の二人(妹弟)がちょうど思春期なので、無理しすぎないように気にかけてあげたほうがいいですね。

小川先生

そうですね、気遣ってあげてほしいです。更年期障害の治療法(※3)としては、生活習慣の改善やサプリメント、漢方療法、ホルモン補充療法などさまざまあります。なにか不調を感じたら、早めに婦人科へ相談しに来てください。

(※2)ホットフラッシュ | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
更年期を心地よく過ごすために知っておきたいこと(更年期の基礎知識)
正しい知識で選ぶ!更年期を健やかに過ごす治療法(更年期の治療法)
毎日の生活から改善!更年期のセルフケアとは(更年期のセルフケア)
(※3)早めの相談がカギ 更年期に多い症状と病気 | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)

誰にも言えなくて一人で抱え込みがちな母世代の悩み。そっと娘から寄り添い、コミュニケーションをとることが大切に

小川先生

まだまだ、更年期症状の悩みをオープンにしている方は少ない印象です。そもそも更年期に何が起きるのか、学校で習わないですからね。日本が海外の性教育から遅れている結果でもあります。まずは、更年期に何が起きるのか知ることが大事です。そして、もし不調を感じたら、それを共有できる場があるといいですよね。ただ現実はそうはいかず……。同世代の友達にでも打ち明けられればいいのですが、誰にも言えず、一人悩まれているケースがほとんどです。

竹野留里さん、小川真里子先生

竹野さん

二十歳を迎えてからは、仲良し親子から友達のような関係に変化してきているので、大人の女性という対等な立場でいろいろ相談し合えるような仲になっていけたらいいなと思います。たぶん、父には言えないこともあると思うので。

小川先生

お母さんにとって大人女性の娘は相談相手として一番身近な存在だと思うので、心強いと思います。エアコンの設定温度をお母さんが快適だと感じる温度に合わせてあげるとか、不調で辛いことがあったら手伝うよと寄り添ってあげるとか、病院などの情報を調べて「この病院は評判良さそうだよ」とか。一緒に何かをする、一緒の時間を過ごす、話を聞いてあげるだけでも、お母さんは楽になると思います。

竹野さん

私はよく母親と一緒にカラオケに行って、ストレス発散しています。母親世代の曲とか、自分が子どもの頃によく車の中でかけていた曲などを一緒に踊って歌ったり、私がハモったりして。

小川真里子先生

小川先生

いいですね。そうやって普段から、構えずにコミュニケーションをとることが大事だと思います。

民謡歌手の竹野さんだからこそわかる!? 着物は汗をかいてよいもの!

竹野留里さん

竹野さんは民謡歌手ということもあり、よく着物を着られたり、大人世代の民謡歌手の女性と接する機会も多いのだとか。だからこそ実体験からわかる、汗をかくことを気にされる女性にアドバイスをもらいました。

竹野さん

普段、着物をよく着ている私からアドバイスってほどではないですが、「着物は汗をかくもの」とお伝えしたいです。何枚も着込んでいるので、汗だく、でもそれで良いのです(笑)。汗拭きシートと化粧直しのパウダーは欠かせません! たぶん、娘さんの卒業式や結婚式などで着物を着るお母さんも多いと思うので。汗をかいても悩まないでくださいね!

小川先生

家族や娘世代からのあたたかい言葉は、お母さんたちの助けになると思います。

竹野さん

今日は、改めて母と向き合うきっかけになりました。これからは大人の女性同士、支え合える仲になっていきたいです。ありがとうございました!

「更年期」とくに「VMS」について、知っておいてほしい大事なこと

  • みんなにいつかは訪れる更年期。そのときに起こりうるVMSは睡眠障害や外出への躊躇いにつながることも。今から症状について正しい知識を持っておくこと。
  • VMS等の更年期症状は、生活習慣の改善や、サプリメント、漢方療法、ホルモン補充療法などの治療法があるので、早めに婦人科へ相談すること。
  • 不調に悩んでいる人がいたら、話を聞いて寄り添ってあげること。

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アステラス製薬株式会社
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