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生理の悩み、一人で我慢しないで。ゆうこす、マイナビウーマン編集長が産婦人科医・三輪綾子と語る「生理との向き合い方」

生理の悩み、一人で我慢しないで。ゆうこす、マイナビウーマン編集長が産婦人科医・三輪綾子と語る「生理との向き合い方」

月経、いわゆる生理(*1)のつらさは人それぞれ。生理痛(*2)の感じ方も違えば、症状も異なります。女性同士でも気遣うのが難しく、異性ならなおさら理解が困難。それゆえ、「生理中のつらさを職場で伝えにくい」という人も少なくないでしょう。しかし、つらさを我慢するのはからだによくありません。それに「ただの生理痛」と放置していたら、実は病気が隠れていることも。職場において生理のつらさを理解することの大切さを、“ゆうこす”こと菅本裕子さんとマイナビウーマンの編集長、そして産婦人科医の三輪綾子先生に伺いました。

(*1)生理|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*2)生理痛|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)

今回お話を伺った方はこちら
ゆうこすさん

ゆうこすさん菅本裕子。タレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍する傍ら、起業家としてコスメのプロデュース、ライブ配信者の育成・マネジメントも手がける。SNS総フォロワー数は200万人以上。過去には生理不順に悩んでいたものの、人前で生理の話ができず、誰にも相談できなかった経験を持つ。

三輪綾子先生

三輪綾子先生THIRD CLINIC GINZA院長、一般社団法人予防医療普及協会理事、東京産婦人科医会広報委員。
産婦人科専門医、日本医師会認定産業医 検診マンモグラフィー読影認定医、乳がん検診超音波検査実施・判定医等の経歴を持つ。産婦人科医として10年以上勤め、様々な女性の疾患やヘルスケア問題について取り組む。自宅でも職場でもない、安心できる居心地の良い第3の場所として患者さんが気兼ねなく訪れることが出来るような「THIRD CLINIC GINZA」をオープン。臨床医としても働きながら、女性ヘルスケアの啓発、アドバイザー、SNS医療サイトの監修や企業での講演会など行う。

中納俊さん

中納俊さんマイナビウーマン編集長。出版社勤務を経て、マイナビに入社。2021年よりマイナビウーマン編集長に就任。兄弟構成は姉二人、現在の家族構成は妻と娘。職場も女性がほとんどという女性の多い環境で過ごしてきた影響で、生理痛についてなど女性特有の健康のお悩みの話に抵抗がない。

悩みは多いけど、意外と放置してない? きちんと知っておきたい、生理のこと

生理2日目のつらい時に限って、大事な会議や重要書類の提出など大事な仕事の予定が入りがち。休むわけにはいかないけれど体調が優れず集中できない……。そんな月経、いわゆる生理にまつわる悩みを抱えながら仕事をしている女性は多いようです。女性の心とからだのお悩みに関する情報発信を積極的に行っているゆうこすさんも、過去には生理の悩みを相談できず抱え込んでいたことがあるそうです。

生理の悩み、一人で我慢しないで。ゆうこす、マイナビウーマン編集長が産婦人科医・三輪綾子と語る「生理との向き合い方」

ゆうこすさんゆうこすさん

私は21歳のときに起業したんですが、そのタイミングで仕事がどんどん忙しくなって生理が全然来なくなってしまったんです。アイドル時代に無茶な食生活をしていた影響もあり、もともと周期が不順(*1)だったのですが、起業する頃には年に1~2回来るか来ないかという状態になっていました。

ただ、当時の私は生理のことを同性の友人に話すのも恥ずかしいと思い込んでいて、誰にも相談できずにいたんです。生理用品を買うことすら恥ずかしいと考えていたほどです。

でも、たまたま友達との会話で生理の話題が出たことをきっかけに、『この悩みは誰かと話していいことなんだ』とようやく気付きました。それからは産婦人科を受診し、先生に相談しながら生理のこともケアできるようになりました。この経験が今続けている生理痛やPMS(月経前症候群)(*2)などのヘルスケアについての情報発信にも活きていると思います。

(*1)周期が不順|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*2)PMS|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)

女性の2人に1人が生理のことで悩んでいる!? 職場や周囲の人に理解してもらいたいのが本音。

生理のつらさを相談できないという悩みは、特に職場で感じる方が多いようです。マイナビニュース・ウーマン会員を対象に行ったアンケートでも、女性の2人に1人以上が上司や同僚などに、生理痛やPMS(月経前症候群)等について理解してもらえず悩んだり困ったりしたことが「ある」と答えています。

グラフ

生理痛やPMS(月経前症候群)等に悩む女性からは、実際にこのようなコメントが寄せられています。

  • 出血が多く、出勤時に下着に漏れてしまったため遅れる旨を電話したが、理解してもらえなかった。
  • PMSで体調がすぐれないときでも仕事は待ってくれないし、上司は自分が経験のないことは理解できないというタイプなので相談しても聞き入れてくれない。
  • 生理のときには異常に眠くなるため、だるそうにしていたら仕事に対してやる気がないと誤解されてしまったことがある。
  • 生理痛がひどく、毎月休みをとる従業員のことを女性の上司が、「また休み?本当に困るよね」と悪口ばかり言っていた。それを聞いていたので、私も生理痛がひどかったけれど、何も言えずひたすら我慢していた。

しかし、職場での生理痛やPMS(月経前症候群)等、女性特有の疾患への対応について悩んでいるのは女性だけではありません。男性も約半数が「どう対応したらよいのかわからない」と回答しています。

グラフ

男性からのコメントには、以下のような声が多く見られました。

  • センシティブな問題なので、声をかけるべきか、静かにそっとしておくか悩む。
  • あんまり声をかけたら、セクハラになってしまう気がして怖い。
  • だるそうにしていたり、お腹を痛そうにしたりしているときにどんなことをしてあげればいいのか分からない。

【女性特有の疾患や悩みについてのアンケート】
調査時期:2023年11月9日~10日 / 調査対象:マイナビニュース・ウーマン会員
調査数:男性335人・女性302人 / 調査方法:インターネットログイン式アンケート

生理のつらさを放置しないで! 実はこんな病気が隠れているかも……

生理中で体調がつらいときでも、職場では周りのことを考えてつい我慢してしまう傾向があるようです。
しかし、産婦人科医の三輪綾子先生は、「生理痛など月経トラブルの陰には病気が隠れている可能性もあるため、放置してはいけない」と話します。

生理の悩み、一人で我慢しないで。ゆうこす、マイナビウーマン編集長が産婦人科医・三輪綾子と語る「生理との向き合い方」

三輪先生三輪先生

ゆうこすさんのように生理不順(*1)があるのに気付かないふりをしている方は、若い女性を中心に多くみられます。「ラクだから生理が来ないほうがいい」と放置している方もいますが、無月経(*2)が続くとエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンの分泌が乱れ、将来的なからだの不調につながることが少なくありません。エストロゲンは骨の維持にも関わっていて、適切に分泌されない状態が続くと、骨がもろくなる骨粗しょう症という病気になったり、ちょっとしたことで骨折したりするようになることもあります。

生理不順のほか、月経痛いわゆる生理痛で悩んでいる方も多いですね。

中納さん中納さん

生理痛は毎月生理の度に生じるのでつらいですよね。私は二人の姉がそれぞれ生理痛でつらい思いをする姿を見てきたのと、先日「生理痛体験システム」というもので生理痛を疑似体験させてもらったことで、少しだけですが生理痛のつらさがわかるような気がします。

ゆうこすさんゆうこすさん

生理痛の疑似体験なんてあるんですね! 自ら体験しようと思うのがすごいです。私は生理痛がそれほどひどくなかったのですが、周りには鎮痛薬が手放せないという子もいました。みんな、生理のときは鎮痛薬を飲んで痛みを我慢しながら仕事を頑張っていますよね。

三輪先生三輪先生

鎮痛薬を飲んで痛みを緩和させるのは生理痛の正しい対処法の一つと言えますが、我慢できないほどの強い痛みが毎回ある場合は病気が隠れているかもしれません。そもそも強い生理痛があること自体、月経困難症(*3)という病気の症状の一つなんです。

月経困難症とは、月経の時期に不快な症状が出ることを言います。原因となる病気がないのに症状が現れる「機能性」月経困難症と、子宮の病気が原因で起こる「器質性」月経困難症の二つに分かれます。機能性月経困難症は、月経が始まったばかりの若い世代に多く、生理痛を生じさせるプロスタグランジンという物質が通常より多く作られるため、子宮が強く収縮するのが主な原因と考えられています。一方、器質性月経困難症は、子宮内膜症(*4)や子宮腺筋症(*5)、子宮筋腫(*6)など、何らかの病気が原因になっています。

ゆうこすさんゆうこすさん

子宮内膜症や子宮筋腫が原因で、生理痛がひどくなることもあるんですね。

生理の悩み、一人で我慢しないで。ゆうこす、マイナビウーマン編集長が産婦人科医・三輪綾子と語る「生理との向き合い方」

三輪先生三輪先生

子宮内膜症は、子宮の内側を覆う子宮内膜に似た組織が、子宮の内腔以外の場所、例えば腹膜、卵巣、卵管、腸などにできてしまう病気のことです。生理痛の原因物質であるプロスタグランジンが、子宮内膜症がある場所からも分泌されるため、生理痛が強くなるのが特徴の一つです。月経時以外にも下腹部痛や腰痛、排便痛、性交痛などの痛みが現れることもあれば、排卵障害や卵管の癒着などを生じさせて不妊(*7)の原因になることもあります。子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉の中にできてしまうと子宮腺筋症になります。

子宮内膜症、子宮腺筋症

左から、子宮内膜症、子宮腺筋症
「女性のための健康ラボ Mint⁺」より引用

ゆうこすさんゆうこすさん

生理痛以外の痛みが現れることもあるのは怖いですね。

三輪先生三輪先生

子宮筋腫は、子宮の壁(筋層)の中に発生する良性の腫瘍です。1か所だけ小さくポツンとできる人もいれば、多発する人、大きな筋腫ができる人もいるなど個人差があります。個数や大きさによっては、生理痛が強くなることがあるんです。

子宮筋腫

子宮筋腫
「女性のための健康ラボ Mint⁺」より引用

中納さん中納さん

同じ子宮の病気でも全く違うんですね。子宮内膜症や子宮筋腫は自分では気づけないと思うので、生理痛だと思って放置していたら……ということがありそうですね。

三輪先生三輪先生

そうなんです。それにこれらの病気は放置しておくと、女性ホルモンのエストロゲンの影響を受けて症状が進みます。それによってさらに生理痛がひどくなることがあるかもしれません。だからこそ生理痛は我慢せず、まずは産婦人科に相談してほしいです。

(*1)生理不順|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*2)無月経|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*3)月経困難症|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*4)子宮内膜症|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*5)子宮腺筋症|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*6)子宮筋腫|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)
(*7)不妊|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)

病気とただの生理痛はどうやって見分ける? 気を付けたいポイントを三輪先生に聞いてみました

ゆうこすさんゆうこすさん

私も今は何かあればかかりつけ医に相談しているので、産婦人科を受診するのは賛成です! でも、なかには「生理痛くらいで産婦人科を受診してもいいのかな」とためらう人がいるかもしれないですね。自分の生理痛が病気によるものなのか、それとも一般的なものなのかを見分ける方法はあるんですか?

生理の悩み、一人で我慢しないで。ゆうこす、マイナビウーマン編集長が産婦人科医・三輪綾子と語る「生理との向き合い方」

三輪先生三輪先生

自分のからだに生じている月経困難症の原因が病気にあるのか、そうでないのかを生理痛の症状だけで見分けることは難しいです。先ほども説明したように、器質性月経困難症の要因になっている子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫には、女性ホルモンの影響を受けて症状が進みやすいという特徴があります。だから月経があると、どんどん症状が進んで生理痛も重くなりがちです。食生活やセルフケアでは改善が困難なため、医療の力で対処する必要があります。「生理痛くらいで……」なんて思わず、産婦人科に相談してほしいです。

ゆうこすさんゆうこすさん

生理痛の痛みは数値などで可視化できないし、感じ方にも個人差があって「どれくらいになったら相談して」と一概に言えないのが難しいですよね。だからこそ、相談しやすい環境づくりが重要かなと思っています。私の会社では、新しいスタッフが入社したら最初に私から「女性特有の悩みは気軽に相談してほしい」と伝えています。年に1回の健康診断も、女性のスタッフにはレディース検診を必ず受けられるようにしていて、できるだけ生理の悩みやつらさを相談しやすい環境を整えているつもりです。

三輪先生三輪先生

女性の病気には全く症状がないものもあるので、定期的に検診(*1)を受けておくことは大切ですね。

中納さん中納さん

私の部署も女性が多いので、スタッフには「生理痛がしんどい」ことは、ほかの体調不良と同じように普通に言ってほしいと伝えてあります。なかには「女性社員は毎月生理で休めていいな」などと言う男性社員もいますが、毎月お腹や頭が痛くなって不調になるって、普通に考えてかなりストレスじゃないですか。まずはそれに寄り添うことが大切だと思いますし、ほかの男性社員にもそう伝えるようにしています。

生理の悩み、一人で我慢しないで。ゆうこす、マイナビウーマン編集長が産婦人科医・三輪綾子と語る「生理との向き合い方」

三輪先生三輪先生

最近、女性のヘルスケアに関しての講演会を依頼されることが多いのですが、中納さんのように「理解したい」と考えていらっしゃる男性は多いですね。男性はまず生理について知る機会自体がなかなかないので、そういう機会がもっと増えるといいなと思います。

ゆうこすさんゆうこすさん

私は仕事上のパートナーである男性マネージャーに生理の予定を伝えています。そのおかげもあって、生理前には無理なスケジュールが組まれることが少ないなど気遣いをしてもらえています。誰とどこまで情報を共有したいかは人によると思いますが、そういう方法もありだと私は思います。

中納さん中納さん

私たちのようなメディアがもっと女性の健康課題について取り上げることも大切かもしれませんね。メディアが取り上げることで知るきっかけや話すきっかけをつくることができ、ヘルスリテラシーを高めることに繋がりますよね。

ゆうこすさんゆうこすさん

女性にとって生理の悩みは、大小の差があれど必ずついてまわることだと思います。避けて通れないことだからこそ、一人で抱え込まずに気軽に相談できる相手を見つけて、前向きに過ごせる人が少しでも増えてほしいです。

三輪先生三輪先生

そうですね。自分のからだや健康と向き合って生きていくために、ぜひ皆さんにかかりつけの産婦人科医を見つけてほしいです。そして、かかりつけ医で定期的な検診を受け、生理痛などの不調があれば放っておかず、治療してほしいと思います。

(*1)検診|女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修 (w-health.jp)

生理の悩みで知っておいてほしい大事なこと

  • 生理の悩みを「見ないふり」はNG! どんなことでも産婦人科医に相談を
  • 無症状で進行する病気を見つけるためにも、定期的に産婦人科検診を受けよう
  • 男女ともにからだのことを知る機会を見つけて、ヘルスリテラシーを高めよう

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競争力のあるスペシャリティファーマとしての地位を確固たるものにし、医薬品による貢献を基盤にしながら、社会のニーズの変化に対応できるよう、疾患啓発、予防、検査・診断ならびに予後等、ヘルスケア領域全般で人々の健康へ貢献してまいります。

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