「将来チョコレートが食べられなくなるらしい」ってほんと? 噂をメーカーの人に聞いてみた
疲れたとき、手軽に買える甘いものといえばチョコレート。定番のミルクチョコから、ハイカカオチョコ、乳酸菌入りや果実入り、手が汚れないものなど、様々な種類がありますよね。一口食べるだけで贅沢な気持ちになれるごほうびアイテムとして、年々消費量が増加しています※。チョコといえば、カカオ豆を原料につくられているけれど、そのカカオがこのままでは近い将来、生産が追いつかなくなる可能性があるのだとか……! 今回は明治のサステナビリティ推進部山下さんにどうしてなのか、マイナビを代表してチョコ好きの2人が理由をきいてみました。※日本チョコレート・ココア協会統計引用
Oさん(23歳/事務職)
●好きなチョコ:季節限定のチョコレート
Sさん(27歳/編集職)
●好きなチョコ:洋酒が入っているチョコレート、パウチ包装のチョコレート
(これまでに「メルティーキッス」「チョコレート効果」などの人気商品の開発を手掛けたチョコレートのスペシャリスト! なんでも仕事の都合上、板チョコを1日に3、4枚食べた経験もあるそう)
「将来、チョコレートが食べられなくなるの?」 ー本当です、カカオ豆の生産が追いついていません
昨年4月からは、サスティナビリティ推進部で「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」というプログラムの推進に携わっています。
PICK UP
メイジ・カカオ・サポート(MCS)とは
ガーナ、ベトナム、ブラジルなど、カカオ豆の生産を行う計8カ国に対して、安定した生産を実現するために2006年からスタートした明治独自のサポートプログラム。
支援として、主に
①農家支援 ②学校教育の支援 ③WCF(世界カカオ財団を通じた支援)を行っている。
①農業支援について
物資の支援や技術の提供をすることでカカオ豆の品質を高め、適正な価格で買い取り、生産の安定化をすすめることで農家の収入安定につなげています。どの国でも、明治の社員が直接訪問し、農家の人と会話をし、そこで本当に求められているものを支援することをモットーにしています。10年以上にわたるフェーストゥーフェースのコミュニケーションにより、深い信頼関係を築いてきました。栽培技術のなかには明治と現地の農家が一緒に開発した技術もあります。
「教育支援って一見チョコレートと何の関係もなさそう」ー 関係があります!これも欠かせないことです
②学校教育の支援について
「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」では、カカオ豆を生産する現地の人たちがよりよい教育を受けられるよう、環境や物資の支援を行っています。
●ドミニカ共和国
学生の健康と安全面を考慮し、トイレの建設と修理を実施。小学校に、机や椅子、文房具、黒板、本棚、地図、扇風機、インバーターなどを寄贈。
●ガーナ
小学校を建設。子どもたちにカカオをテーマにして絵を描いたり、工作を教えるアートクラスの活動を行ったほか、実際にチョコレートについて触れるチョコレートクラスを開講。ヒマン村にあるヴィレッジ・リソース・センター(VRC)では、学生だけでなく、カカオ農家の方たちも栽培技術に関する学習プログラムを視聴し、学ぶことで、収穫量の増加に役立てています。
「確かに明治の取り組みはよくわかった……けど他のカカオ豆を必要とする企業はどうなの?」
③WCF(世界カカオ財団を通じた支援)について
「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」は、WCF(世界カカオ財団)を通した支援も積極的に行ってきました。
たとえば、財団主催のパートナーシップ会議には毎年参加し、農家収入の向上や児童労働の撲滅、森林破壊の防止などの重要課題に関して、問題点の共有や事例の紹介、意見交換を実施。継続的な支援活動に向けての共通理解を深めています。さらに、WCFでは、カカオ農園に関わる森林破壊を止めるため、2017年にCFI(Cocoa & Forests Initiative)が立ち上げられ、明治を含む33社が参画。森林を守るための活動をしています。
明治「2026年度までにサステナブルカカオ豆の調達比率100%」を目標に設定
そうしたカカオ生産国の農家の方たちとの取り組みによって、実現したブランドの一つに「meiji THE Chocolate」があります。カカオ豆の多様な香りと味を引き出すために発酵やローストを行い、カカオ配合を調整するなど誕生からこれまで工夫を重ねてきました。この秋、その「meiji THE Chocolate」が、より香味の違いが楽しめるようにリニューアルします。 同じ配合でありながら、産地によって異なる4つの香味「ナッティ」「フルーティ」「フローラル」「スパイシー」を感じられるそう。カカオ豆を取り巻く環境からチョコレートに至るまでの様々な工程にこだわり抜いたFARM to BARチョコレートは、明治の自信作です。
明治は2019年からJICA(独立行政法人 国際協力機構)の支援を受け、マダガスカル共和国でも支援活動をスタートさせています。プロジェクト1年目である昨年は、約20の農家を訪問し、品質確認を行うなどの現地調査を行いました。2年目となる本年は発酵実験を実施し、品質向上と農家との連携を強化しています。その後、生産したカカオ豆で製品化の可能性を探ることを発表しています。
「2026年度までにサステナブルカカオ豆の調達比率100%」の目標達成のために、これまで続けてきた支援はもちろん、新たに支援を必要とする国のサポートにも取り組んでいきます。 この活動を通じ、カカオ生産農家が安心して農業を継続でき、これからもチョコレートの原料となる、高品質なカカオ豆を安定的に調達できるようになることを目指して活動を続けていきます。