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「将来チョコレートが食べられなくなるらしい」ってほんと? 噂をメーカーの人に聞いてみた

「将来チョコレートが食べられなくなるらしい」ってほんと?噂をメーカーの人に聞いてみた

疲れたとき、手軽に買える甘いものといえばチョコレート。定番のミルクチョコから、ハイカカオチョコ、乳酸菌入りや果実入り、手が汚れないものなど、様々な種類がありますよね。一口食べるだけで贅沢な気持ちになれるごほうびアイテムとして、年々消費量が増加しています※。チョコといえば、カカオ豆を原料につくられているけれど、そのカカオがこのままでは近い将来、生産が追いつかなくなる可能性があるのだとか……! 今回は明治のサステナビリティ推進部山下さんにどうしてなのか、マイナビを代表してチョコ好きの2人が理由をきいてみました。※日本チョコレート・ココア協会統計引用

Oさん(23歳/事務職)
●好きなチョコ:季節限定のチョコレート

Sさん(27歳/編集職)
●好きなチョコ:洋酒が入っているチョコレート、パウチ包装のチョコレート

山下さん
はじめまして、明治の山下です。今日はよろしくお願いします!

(これまでに「メルティーキッス」「チョコレート効果」などの人気商品の開発を手掛けたチョコレートのスペシャリスト! なんでも仕事の都合上、板チョコを1日に3、4枚食べた経験もあるそう)

「将来、チョコレートが食べられなくなるの?」  ー本当です、カカオ豆の生産が追いついていません

OさんOさん
将来チョコレートが食べられなくなるってホントですか?
山下さん山下さん
今すぐにそうなる、というわけではないですが、カカオ原産国を取り巻く問題を解決しなければ、そうなってしまうことが考えられます。
OさんOさん
チョコレートのない生活なんて無理でしょ……。私、デスクの引き出しには、一番好きな「メルティーキッス」をはじめ、いつも何かしらチョコレートが入っていて、仕事中に食べています。疲れたときに食べないと心がしんどい (笑)
SさんSさん
わかる! 私は、食後のデザートとして個包装のチョコレート2個まではオッケーと決めてる。食べ始めると止まらないから(笑)
山下さん山下さん
「メルティーキッス」がお好きなんですね! ありがとうございます、実は「メルティーキッス」の開発を担当していたことがあり、昨年も好評いただいた「メルティーキッスラム&レーズン」は立ち上げから担当していました。
OさんOさん
……え、ほんとですか⁉ すごーい!

座談会はチョコレートを食べながら和やかな雰囲気◎。

山下さん山下さん
自分が開発した商品を「好き」と言ってもらえて幸せです! 
昨年4月からは、サスティナビリティ推進部で「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」というプログラムの推進に携わっています。
SさんSさん
メイジ・カカオ・サポートですか……?
山下さん山下さん
最初に挙げた、「将来チョコレートが食べられなくなるかもしれない」ことを解決するためのプログラムなんです! チョコレートが食べられなくなる理由ですが、カカオを生産している赤道直下の国々では<原料となるカカオ豆の木が高齢化していること>や、<栽培に必要な苗木や肥料が手に入りにくいこと>、そして<栽培に関する知識が周知されていないこと>などの問題を抱えているからです。そこで、明治では、安定した生産を実現するためにMCSという活動をしています。
SさんSさん
カカオ豆の生産がそんな課題を抱えているなんて全然知らなかったです。想像できない。

PICK UP

メイジ・カカオ・サポート(MCS)とは

ガーナ、ベトナム、ブラジルなど、カカオ豆の生産を行う計8カ国に対して、安定した生産を実現するために2006年からスタートした明治独自のサポートプログラム。
支援として、主に ①農家支援 ②学校教育の支援 ③WCF(世界カカオ財団を通じた支援)を行っている。

①農業支援について

物資の支援や技術の提供をすることでカカオ豆の品質を高め、適正な価格で買い取り、生産の安定化をすすめることで農家の収入安定につなげています。どの国でも、明治の社員が直接訪問し、農家の人と会話をし、そこで本当に求められているものを支援することをモットーにしています。10年以上にわたるフェーストゥーフェースのコミュニケーションにより、深い信頼関係を築いてきました。栽培技術のなかには明治と現地の農家が一緒に開発した技術もあります。

(左・ベネズエラ・ボリバル共和国)苗木センターを開設。本年には5万本の苗木を配布している(右・ガーナ共和国)勉強会を開催し、気候変動や森林破壊などについて学んでいる様子

「教育支援って一見チョコレートと何の関係もなさそう」ー 関係があります!これも欠かせないことです

SさんSさん
「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」では、教育支援も行っているそうですね。それは、カカオ豆の生産とどういう関係があるんですか?
OさんOさん
教育水準が上がると、より安定的な供給が行えるってこと?
山下さん山下さん
その通りです。教育支援は、カカオ豆の生産はもちろん、カカオ豆を現地で生産する人たちの生活支援としてとても大切です。たとえば、アートクラスでカカオの実の絵を描くプログラムの実施や、チョコレートづくりの体験など。非常に地道な活動ですが、知識を得ることで現地の方たちの心が豊かになる、とても大事な取り組みです。
SさんSさん
そもそも、生産国の人たちはチョコレートを普段から食べるんですか?
山下さん山下さん
ドリンクとして取り入れている場合はありますが、実は、日本人が食べているような固形のチョコレートはあまり食べられていません。というか、カカオの実がどうやってチョコレートになるのかということも知らない場合もあって。「自分たちが生産者として価値のある仕事」をしているのに、それを把握していないケースが多いです。「この土地で採れたカカオが、どこへ運ばれ、どんな加工されて、最終的に商品として多くの人々の手にわたっている」という流れを理解してもらうことは大事だと思っています。

(左)山下さんも生産国を訪れ、ご自身の目で現状把握やさらなる支援について検討したいと考えている。(右)実際の活動の写真を見せていただきながら、お話をうかがいました。

②学校教育の支援について

「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」では、カカオ豆を生産する現地の人たちがよりよい教育を受けられるよう、環境や物資の支援を行っています。

●ドミニカ共和国
学生の健康と安全面を考慮し、トイレの建設と修理を実施。小学校に、机や椅子、文房具、黒板、本棚、地図、扇風機、インバーターなどを寄贈。

●ガーナ
小学校を建設。子どもたちにカカオをテーマにして絵を描いたり、工作を教えるアートクラスの活動を行ったほか、実際にチョコレートについて触れるチョコレートクラスを開講。ヒマン村にあるヴィレッジ・リソース・センター(VRC)では、学生だけでなく、カカオ農家の方たちも栽培技術に関する学習プログラムを視聴し、学ぶことで、収穫量の増加に役立てています。

(左・ガーナ)アートクラス参加者(右・同)チョコレートクラスの様子

「確かに明治の取り組みはよくわかった……けど他のカカオ豆を必要とする企業はどうなの?」

SさんSさん
明治さんがカカオ豆の安定的供給に注力しているのはわかりました。情熱がすごいですね!
OさんOさん
たしかに。でも、こういう取り組みって、ひとつの会社だけじゃなく、ほかの企業も一丸とならないと大変なのでは……。
山下さん山下さん
そうなんです。ですので、世界各国のカカオ関連企業約100社が加盟していて、農家支援を行っているNPOのWCF(世界カカオ財団)という団体があるのですが、当社も2006年に加盟しています。WCFの活動によって、農家の収入が15~55%増加した地域もあるんですよ。

③WCF(世界カカオ財団を通じた支援)について

「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」は、WCF(世界カカオ財団)を通した支援も積極的に行ってきました。
たとえば、財団主催のパートナーシップ会議には毎年参加し、農家収入の向上や児童労働の撲滅、森林破壊の防止などの重要課題に関して、問題点の共有や事例の紹介、意見交換を実施。継続的な支援活動に向けての共通理解を深めています。さらに、WCFでは、カカオ農園に関わる森林破壊を止めるため、2017年にCFI(Cocoa & Forests Initiative)が立ち上げられ、明治を含む33社が参画。森林を守るための活動をしています。

明治「2026年度までにサステナブルカカオ豆の調達比率100%」を目標に設定

山下さん山下さん
これまで、カカオ豆の安定した生産に向けて地道に活動してきました。そして今は、「2026年度までにサステナブルカカオ豆の調達比率100%」を目標に掲げています。
OさんOさん
サステナブルカカオ豆?
山下さん山下さん
「農家支援を実施した地域で生産されたカカオ豆」のことです。
SさんSさん
100%! そうした背景があるチョコレートって、何だか重みを感じるなあ。
OさんOさん
そうですね……! それに、現地の人たちのことを考えると、サステナブルカカオ豆100%のチョコレートを食べてみたいなと思う。生産者の皆さんの働きがあるから、私たちは疲れたときのご褒美としてチョコレートを食べることができるんだよね。ありがたみが増します!
山下さん山下さん
気分転換にチョコレートを食べるとき、この1粒にどれだけの人が関わっているのかということを少しでも知ってもらえれば、こんなに嬉しいことはないです。これからも、皆さんにおいしいチョコレートをお届けできるよう励みます!
SさんSさん
よろしくお願いします!
OさんOさん
これからも、チョコレート、いっぱい食べます♡

そうしたカカオ生産国の農家の方たちとの取り組みによって、実現したブランドの一つに「meiji THE Chocolate」があります。カカオ豆の多様な香りと味を引き出すために発酵やローストを行い、カカオ配合を調整するなど誕生からこれまで工夫を重ねてきました。この秋、その「meiji THE Chocolate」が、より香味の違いが楽しめるようにリニューアルします。 同じ配合でありながら、産地によって異なる4つの香味「ナッティ」「フルーティ」「フローラル」「スパイシー」を感じられるそう。カカオ豆を取り巻く環境からチョコレートに至るまでの様々な工程にこだわり抜いたFARM to BARチョコレートは、明治の自信作です。

新しくなった「meiji THE Chocolate」

明治は2019年からJICA(独立行政法人 国際協力機構)の支援を受け、マダガスカル共和国でも支援活動をスタートさせています。プロジェクト1年目である昨年は、約20の農家を訪問し、品質確認を行うなどの現地調査を行いました。2年目となる本年は発酵実験を実施し、品質向上と農家との連携を強化しています。その後、生産したカカオ豆で製品化の可能性を探ることを発表しています。

「2026年度までにサステナブルカカオ豆の調達比率100%」の目標達成のために、これまで続けてきた支援はもちろん、新たに支援を必要とする国のサポートにも取り組んでいきます。 この活動を通じ、カカオ生産農家が安心して農業を継続でき、これからもチョコレートの原料となる、高品質なカカオ豆を安定的に調達できるようになることを目指して活動を続けていきます。

明治が考えるサステナビリティ

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