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2023年10月14日 06:15 更新

漠然とした「更年期」への不安…今だからこそ準備したいこと・できること|高尾先生インタビュー<前編>

30~40代になると、頭の片隅に「更年期」という言葉がちらつく女性は少なくないかもしれません。「辛い」「しんどい」とネガティブイメージが先行しがちなためか、まだ対象年齢でないうちから、更年期がくることを不安に思っている人もいるようです。

これから「不調な時期」が来るということを、どんな心持ちで受け止めればいいのか――産婦人科医の高尾美穂先生に話をききました。

更年期を不安に思う方へ。まずは正しい知識を身につけてみませんか。

ここ3年ぐらいでしょうか、更年期という言葉をメディアをはじめ、あちらこちらでよく耳にするようになり、世の中の変化を感じています。ひと昔前は、大っぴらに語られることは少なかったですから。私は医療の現場で日々女性と接していますが、若い世代の方が「更年期が心配」と口にされることはあります。

では、なぜ心配なのか――。

「自分にも関係がありそうなことだけど、どんなものかよくわからないから不安」なのかなと推測します。

まずは、更年期についてきちんと知っていただくこと。そうすることで、不安はずいぶん減るのではないかと思います。情報といっても、なんでも鵜呑みにするのではなく、正しい情報を得ることが大切。正しい知識を持っていれば不安は減り、更年期を過度に恐れることはなくなるはずです。不調を感じたとしても漢方やホルモン治療などの治療や対策方法がある。また、自分の心構えひとつで安心できることもある。それを知っておくと、更年期を前向きにとらえることができるのではないでしょうか。


幸せは自分の心が決める
「こういうことが起きたら幸せを感じる」という決まりはない。
幸せは、得たものや出来事がもたらしてくれるわけではなく、私たちの心が決めている。
▶︎「人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉」より
撮影/難波雄史

症状は人それぞれ。更年期世代の約4割はとくに不調を感じない。

更年期というのはあくまで時期をさしているんですね。思春期、と同じだと思ってもらえればイメージしやすいでしょうか。

医学的には閉経前後の10年間、45歳から55歳までが該当します。つまり、女性であれば必ずすべての人が迎える時期、それが更年期です。体にいろんな不調が出ることを更年期症状、その中で自分や周囲の人にも影響を及ぼすような重い症状が出ることを更年期障害と呼びます。

症状が重く出る人は気質によって異なるといわれており、真面目な方や自己犠牲型、「これはこうであることが望ましい」「こうであるべき」という思考が強い方は当てはまりやすいとされています。つまり、現代社会において非常に<まっとうな考え方>をする人のほうが症状が重くなりやすいということ。

みんなが更年期の不調を経験するかもしれないんだな、と心づもりをしておくことは若い世代の皆さんにもできることかなと思います。ただ、更年期世代において不調を経験するかどうかは人それぞれ、個人差も大きなものなんですよ。実際には更年期世代の女性の約4割がとくに不調を感じていない。この事実も知っておいていただければ、漠然とした不安が少し減るのではないでしょうか。

自分が担っている役割は、ときには人に任せてもいい。

更年期世代の女性は、社会で多くの役割を担っている。でも1日は24時間と決まっているわけです。ですから常に時間が足りず、なにかに追われている。その限られた時間を、自分以外の何かに使うのが更年期世代です。

子育て、仕事、親の介護、家事だったり。調子がよくないなと感じる人は、自分が担っているこれらの役割をときには誰かに任せることも必要です。誰かに任せたことで、時間ができますよね。それをまず睡眠時間として確保する。まだ時間があるようなら、運動など、自分のケアに当ててほしいです。

時間の使い方を<自分寄り>に少しシフトさせるという考え方が必要ですよね。

これは更年期世代の女性だけではなく、20代・30代の女性にも当てはまることだと思います。更年期だけではなく、生理やPMSと女性はとかく「私だけが我慢すれば」と考えがちなんですね。でもそれは違うんです。調子が悪いなら悪いで、生活を見直す、全体を少し縮小させることによって、毎日を楽に過ごしていける。そういう意識の変換が、どの世代であってもいいのではないかと思います。

女性以外にしかできない役割って、妊娠、出産だけ。授乳や子育て、家事も本来であれば女性以外でも可能なわけです。それがなぜか「すべて女性が担うもの」になってしまっている状況が、いまの社会であることに世の中の人が早く気づいてほしいと思います

高尾先生

理想の自分を手放したほうがいいときもある
メンタルや体の不調を感じているときは、理想像を手放すことも必要。
がんばりすぎず、今の自分に合った過ごし方を。
今は理想を手放してできるだけ身軽になるとき。
▶︎「人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉」より
撮影/難波雄史

なんでも「プレ更年期」のせいにしないで、生活習慣の見直しを。

近頃「プレ更年期」という表現をよく見かけるようになりました。でも「プレ更年期」は医学的な表現ではありません

「プレ更年期だから仕方ない」と、自分の不規則な生活習慣やストレスから来ているであろう不調を全部ホルモンのせいにしている人もいて、医師としては懸念するところ。生理周期がまあまあ安定しているうちは、少なくとも更年期ではありません。

生理は順調にきている。つまり卵巣機能は維持されているのに、更年期みたいな不調が起きている。それはストレスなどで自律神経の失調状態になっていると言えます。生活のリズムが昼夜逆転している、睡眠時間が足りていないなど、いまの生活は体が望んでいるものではない可能性がある。

「プレ更年期だから仕方がない」で片づけず、ご自分の生活を振り返ってみることも必要です。本来30代であれば、あちらこちら調子が悪いという世代ではないですよね。

(解説:高尾 美穂、聞き手・構成:源 祥子)
>>>後編へ続きます

書籍「人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉」

産婦人科医・高尾先生が贈る、あなたをご機嫌にする言葉

長年、産婦人科の外来を通して患者さんの心と体に向き合ってきたからわかる、悩みや不安。
患者さんが病院で、自分の症状や心配事を上手に説明するってなかなか難しいもの。ときにはこんがらがってしまった話を丁寧にほぐしていき、どうしたらいいかの糸口をみつけてくれるのが高尾先生。その姿勢そのままに、どうしたらひとりひとりが自分の人生をよりよく生きられるのか、そのヒントがつまった本です。
いつもお守りのように手元に置いておいて、悩んだとき迷ったときに開いてみてください。きっと目の前がぱっと開けてくるはずです。

人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉
■書名:人生たいていのことはどうにかなる あなたをご機嫌にする78の言葉
■著者:高尾美穂
■価格:1,650円(本体1,500円+税)
■ISBN:9784594094980
■発行元:扶桑社
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