出産・産後 出産・産後
2023年10月06日 06:51 更新

更年期障害で起きる症状、イメージと現実に大きな差! イライラ・ほてり・発汗のほかに出た症状は?

閉経前後の5年ずつ、計10年間を「更年期」と言います。更年期には、女性ホルモンの分泌低下とともに、さまざまな症状があらわれることが知られています。イライラやほてりなど不快な症状が出ると聞き、不安に思っている人もいるでしょう。今回は、更年期の症状について、イメージと現実を比較してご紹介します。

更年期障害、イメージする症状と現実の症状を比較

生理(月経)がある女性がいずれ迎える「閉経」。その前後5年、トータル10年間を「更年期」といい、時期としては45~55歳ごろと言われています。女性ホルモンの分泌量の変化に伴い、体にさまざまな不調があらわれますが、その中でも日常生活に支障をきたすレベルの症状を「更年期障害」といいます。

今回は、更年期障害の症状に関するイメージ(想像)と現実を調査。まずは、まだ更年期を迎えていない人に、更年期障害の症状に対するイメージをあげてもらいました。

あなたは「更年期障害」の症状についてどんなイメージを持っていますか?

あなたは「更年期障害」の症状についてどんなイメージを持っていますか?
※更年期障害を経験していない女性366人(30~49歳)に調査/複数回答

1位…イライラする(82%)
2位…ほてり(77%)
3位…発汗(76%)
4位…のぼせ(52%)
5位…疲れやすい/倦怠感(48%)
7位…動悸(46%)
8位…落ち込みやすい(42%)
9位…めまい(37%)
10位…集中力の低下(26%)
11位…不眠(22%)
12位…頭痛(19%)
13位…冷え(18%)
14位…肩こり(13%)
15位…頻尿(12%)
16位…関節の痛み(6%)
17位…腰痛(4%)
18位…その他(1%)


一番多かったのは、82%の人が選択した「イライラする」。続く「発汗」「ほてり」についても、7割以上となりました。経験していない人たちからすると、この3つが更年期障害の症状の主だったイメージなようです。それ以外にも、約半数近くが選択した症状に「のぼせ」「疲れやすい」「倦怠感」「動悸」がありました。

では、更年期障害を経験していない人たちは、更年期障害に対しどのような不安を抱いているか、具体的に聞いてみました。

いつから更年期になるの?

●いつやってくるのか、どんな症状があらわれるのか、「個人差が大きい」としか言えないそうなので、自分にはどんな症状が現れるのかが分からず不安です。ある程度予測できるのなら、心構えもできるのですが。(41歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)

●いつ発症するかわからないのと、症状が出たときに更年期障害かもと気づけるかが不安です。(48歳/建設・土木/事務系専門職)

生理もいつかは終わりを迎えます。閉経とは、月経が来ない状態が12ヶ月続いたとき、1年前を振り返って「あのとき閉経したんだ」とわかるものです。終わるときはパッと終わるのではなく、だんだん生理周期や期間が乱れたり、経血の量が増えたり減ったりしながらなくなるものなので、自分の閉経がいつになるのか、はっきりわかりません。

症状が軽い場合はなかなか気づかないかもしれません。もし「更年期障害かな」と感じたら、婦人科、更年期外来、女性外来などの医療機関に相談してみましょう。

実母を見て不安に……

●母が更年期障害に悩まされていたので、自分も同じようになるのではないかと思って、不安です。特にイライラしたり、鬱のような症状が出たらどうしようと思ってしまいます。(43歳/食品・飲料/製造業)

●母が更年期に差し掛かっており、ホットフラッシュが想像以上に大変そうです。祖母はイライラやすかったようで、自分もそうなるのかと思うと心配です。(30歳/医療・福祉/専門職)

自分と血がつながっている実母の様子を見て、不安になったという声がありました。親子ですから「体質が似ているのでは?」と感じるかもしれませんが、更年期障害は生活環境などさまざまな要因から引き起こされるものです。

更年期の症状は、人それぞれ違います。不安な気持ちを持ちすぎるよりも、信頼できる人や医師を見つけて相談することが大切。また、自分が夢中になれることを見つけて、楽しく過ごすことを意識するのもよいとされています。

では続いて、実際に更年期障害となり、症状が出た人のアンケート結果を見てみましょう。

あなたは「更年期障害」でどんな症状が出ましたか?

あなたは「更年期障害」でどんな症状が出ましたか?
※更年期障害を経験したことのある女性346人(35~80歳以上)に調査/複数回答

1位…イライラする(62%)
2位…疲れやすい(61%)
3位…発汗(51%)
4位…倦怠感(49%)
5位…ほてり(47%)
6位…頭痛(41%)
7位…肩こり(40%)
8位…めまい(37%)
9位…落ち込みやすい(33%)
10位…動悸・不眠(32%)
12位…集中力の低下(26%)
13位…腰痛(24%)
14位…冷え(22%)
15位…のぼせ(21%)
16位…頻尿(18%)
17位…関節の痛み(16%)
18位…その他(2%)


前段の更年期障害を経験したことのない人に聞いたイメージとは少し異なっています。グラフで比較してみましょう。

黄色:更年期障害の経験あり オレンジ:更年期障害の経験なし
黄色:更年期障害の経験あり
オレンジ:更年期障害の経験なし

更年期の経験がない人と経験のある人を比較した際、イメージよりも実体験のほうが低い数字が出ているのが下記の症状です。
■事前のイメージ > 実際の症状
・「イライラする」(82%だったのに対して62%)
・「発汗」(76%だったのに対して51%)
・「ほてり」(77%だったのに対して47%)
・「のぼせ」(52%だったのに対して21%)など

逆に、イメージよりも実体験が高い数値になっているのが、以下の症状です。
■事前のイメージ < 実際の症状
・「疲れやすい」(48%だったのに対して61%)
・「頭痛」(19%だったのに対して41%)
・「肩こり」(13%だったのに対して40%)
・「不眠」(22%だったのに対して32%)
・「腰痛」(4%だったのに対して24%)など

更年期障害というと、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)のイメージが強いようですが、実際には身体の痛みや疲労感も更年期の症状としてあらわれるケースがあるようです。肩こりや腰痛、頭痛などは、更年期前の日常でもよくある症状なため、この症状だけで更年期障害と気づけるかどうかは、なかなか難しそうです。

では、実際に症状を経験した人のなかから、半数以上の人が症状として出ていた「イライラする」と、イメージと現実に差があった「不眠」の症状に関する声をご紹介します。

イライラしてしまう

●イライラしたり、不眠のためか常にだるく眠気があること。(45歳/士業/事務系専門職)

●思春期との子どもと更年期のわたしとの間で、イライラを抑えるのが大変である。(45歳/医療・福祉/専門職)

●とにかく夫に対してささいなことでもイライラしてしまいます。罪悪感もあります。(51歳/団体職員/事務系専門職)

イメージよりは少ないですが、実際に出た症状として「イライラする」が一番多く選ばれていました。

特に、子どもや夫など家族との関わり合いに頭を悩ませている人が見受けられます。家族には、「更年期の症状でイライラしてしまうかもしれないけれどごめんね」と普段から話しておくと、無駄な衝突を防ぐことができるかもしれません。

睡眠不足に困った

●睡眠中にホットフラッシュになって睡眠不足になり、イライラが増した。(56歳/専業主婦)

●夜なかなか寝つけず朝方までずっと眠れない状態で朝を迎え、そのまま仕事に行くことが続いて体調を崩した。(53歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

●寝汗が酷く夜中2~3度起きて体を拭き着替えをした。(62歳/医薬品・化粧品/販売職・サービス系)

意外に多かったのが、32%の人が経験した症状として挙げた「不眠」の訴えです。夜寝ているときにもホットフラッシュが起こってしまう人もいて、夜中に目が覚めることもあるようです。

更年期障害の多くは複合型で、いくつかの症状が同時に起こることがあります。また、ひとつの症状が原因となって、そのほかの症状を誘発する場合もあります。

「おかしいな」と感じたらひとりで我慢しないで、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

まとめ

今回のアンケートで、更年期障害の症状のイメージと実際に起こる症状では、差があることがわかりました。

日本女性の平均閉経時期は、約50歳です。個人差が大きく、40代前半で更年期を迎える人もいますが、ひとつの目安として覚えておくと心構えができます。やみくもに怖がらず。不安に感じたら、ぜひ婦人科を受診してみてください。正しいアドバイスや知識を得たうえで、対処していきましょう。

マイナビ子育て調べ
調査日時:2023年9月9日~13日
調査人数:366人(更年期障害を経験していない女性/30~49歳)
     346人(更年期障害を経験したことのある女性/35~80歳以上)

(マイナビ子育て編集部)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-