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2023年10月05日 08:01 更新

生理周期が乱れ、大量の出血も。婦人科に行ったけれど……セカンドオピニオンを求めた理由【更年期体験談 Part2】

まだ先のことだと思っていた更年期。でも40代になって少しずつ体の不調に気づき……。49歳のときに更年期を自覚した女性の体験談をお届けします。

「婦人科ならどこでもいい」わけじゃなかった

(※画像はイメージです)
(※画像はイメージです)

前編では、49歳の頃に私を襲った生理不順と大量出血についてお話しました。最初に行った婦人科で「薬で閉経状態にもっていきましょう」とすすめられたものの、「やはりセカンドオピニオンをとってみてもいいのではないか」と考え直した私は、次の病院探しを始めたのです。

次なるクリニック探しに役立ったのは、やはり更年期世代の人たちの生の声です。当時、私は更年期世代の人たちを取材する連載を始めていたので、だんだんと病院に関する情報も入ってきていました。

と、ここまで読んで「ん? 婦人科に行けばいいんでしょ?」と感じた人もいらっしゃるかと思います。そう、婦人科で間違いはありません。ですが、婦人科の中でも「更年期の悩みや症状」に理解がある医師がいる病院が望ましい。

私が最初に行った病院では、医師の態度から「閉経なんてみんなするんだから。ちゃっちゃと生理止めちゃおう」といったニュアンスを感じてしまいました。それは、「はたしてこの病院でいいのか」と考えさせるには十分でした。

気持ちをあらたに、更年期障害を治療中の女性が実際に通っているクリニックを受診した私は、新しい治療法を試してみることにしました。そこは更年期の女性をメインに診察する婦人科です。症状を話し、検査を経て出た治療方法は「造血剤を飲み貧血を治す。同時に生理の量と周期のコントロールのために低用量ピルを飲む」というものでした。

私はその治療法を選択。結果、貧血はすぐに改善し、「血まみれ地獄」とでも形容したくなるような出血しっぱなしの辛い日々に、ピルを飲むことでピリオドを打つことができました。

ただし、低用量ピルには「いつまで飲んでいいの?」問題があります。基本的には「閉経するまで服用可能」とされているので、50歳あたりが目途でしょうか。とはいえ「40代後半になると服用は避けたほうがいい」とする医師もいらっしゃる。40代以上の場合は心筋梗塞などの心血管系の障害や病気が起こりやすくなり、低用量ピルはこのリスクを高める可能性があるからです。

当時の私は閉経していなかったとはいえ、年齢的にはギリギリの49歳。そこで、低用量ピルで生理周期と量が整ったら、ホルモン補充療法に切り替えてはどうかと医師から提案されました。

HRTってどんなもの?

(※画像はイメージです)
(※画像はイメージです)

ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy)――以下HRTと略します。更年期に入り急激に減ってしまった女性ホルモンを、薬剤によって補充する治療方法です。

女性ホルモンは生涯にティースプーン1杯ほどという少ない分泌量ながら、その働きは多岐に渡り、女性のほぼ全身の器官に作用している。それを補うことで、更年期特有の不調に効果があることがわかっています。

HRTは更年期症状の改善のみならず、骨密度の増加や血管のさびつきを予防し、しなやかにする効果がある。そのため動脈硬化を引き起こしにくくなるともいわれています。

とはいえ、補充するホルモンは薬ですから、服用することのベネフィットもあればリスクもあります。よく知られるところでは、乳がんのリスクがごくわずかに上がるとされています。そのため、乳がん患者と乳がん経験者はHRTを行うことはできません。また、使い始めは副作用が出る人もいます。吐き気や不正出血、乳房の張りなどですが、徐々に体がHRTに慣れて2~3ヶ月で収まる人が多いようです。

さて、HRTを提案された私はこれらのリスクとベネフィットを理解した上で、「やってみよう」と決断しました。生理不順による大量出血に悩まされ、二度とあんな「血まみれ」の生活を送るのは嫌だったからです。

そうしてHRTを始めて、現在7年。閉経前から服用していたので「指のこわばり」「うつ気分」などの更年期特有の症状は未経験ですが、「ホットフラッシュ」は経験があります。5年程前に病院を転院し、次の病院に行く際に2ヶ月ほどHRTを休薬したのですが、そのときに「これがホットフラッシュか」と理解しました。暑くもない空調が効いた室内で座っていただけなのに、突然頭皮から汗が吹き出したのです。普通の汗とは違う。そう、すぐにわかりました。

「更年期なんてまだ先」と思っているうちに、やっておきたいこと

(※画像はイメージです)
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HRTには「何歳まで」という制限はありません。いつやめるか、ずっと続けるのか――。医師と相談しながら最後に決めるのは自分自身。いまのところ私はまだまだ続けていきたいと思っています。

そうはいっても「薬はあまり飲みたくない」と考える方もいらっしゃるでしょう。わかります。HRTは選択したくない、でも更年期は辛い、そんな悩みを持つ人は私の周りにもいました。HRT以外なら、漢方もあるし、いまはサプリもある。自分に合うもの、抵抗がないものを探してみるのがいいかと思います。

また、何より大切なのは、医師選び。産婦人科医全員が更年期治療を専門にしているわけではありませんし、「HRTフレンドリー」なわけでもありません。否定的な先生もたくさんいらっしゃいます。もしHRTを試してみたいと思ったなら、病院のHPなどをチェックして、積極的にHRTについての情報を発信し、知識ある先生がいる病院に行くことが必要だと思います。

でも、更年期で強い症状が出てしまうと、病院を探したり受診することさえおっくうになりがち。うつ気分が強く出て、「自分はどうすればいいか」の判断ができなくなる人もいます。

だから私は、更年期以前からかかりつけの婦人科を見つけておくことを強くおすすめしたい。自分の体について話しやすく、更年期になってもその悩みを相談できそうなお医者様を事前に見つけておいてほしいのです。頼れて、知識を得られる場所を見つけることは、来たるべき更年期に備えて武器をひとつ手に入れたといっても過言ではないと思います。

(※本記事は個人の体験談です。あくまでも個人の例であり、症状や治療法についてはすべての人にあてはまるものではないことをご理解ください。)

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