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2022年06月23日 16:00 更新

キウイの食べ過ぎにリスクはある?効果は?キウイの栄養と注意点を解説【管理栄養士監修】

果物の中でも健康効果の高いイメージのあるキウイ。その効果を期待してたくさん食べた場合に気になるのが、食べ過ぎによる悪影響ですよね。どのような懸念があるのでしょうか。また、キウイの栄養の特徴やグリーンキウイとゴールドキウイの違い、キウイのアレルギーについてもお伝えします。

キウイの種類と栄養

キウイはその果肉の色によってグリーンキウイやゴールドキウイなどに分けられます。栄養面での違いがあるのか、見ていきましょう。

グリーンキウイ

グリーンキウイ

グリーンキウイの特徴は食物繊維が豊富なことです。食物繊維が摂れる果物として知られるりんごよりも多いのは、意外かもしれませんね。

<100gあたりの食物繊維量>[*1]
グリーンキウイ…2.6g
りんご(皮つき)…1.9g
ゴールドキウイ…1.4g


また、カルシウムがゴールドキウイよりも多いことも特徴です。

<100gあたりのカルシウム量>[*1]
グリーンキウイ…26mg
ゴールドキウイ…17mg

いずれもカルシウムが豊富な食べ物とはいいにくいですが、果物の中では多いといえます。カルシウムは少しずついろいろなものから摂っていきたいので、果物からも摂れるは嬉しいですよね。カルシウムや食物繊維を摂りたいなと思ったら、グリーンキウイを選ぶのもいいでしょう。

ゴールドキウイ

ゴールドキウイ

ゴールドキウイの特徴はなんといってもビタミンCでしょう。

<100gあたりのビタミンC量>[*1]
ゴールドキウイ…140mg
グリーンキウイ…71mg
いちご…62mg


ゴールドキウイは100gあたり140mgと、1日に必要なビタミンC(1日推奨量100mg)を1個で満たすことができます[*1,2]。果物の中でもトップクラスです。グリーンキウイにも十分に含まれますが、ゴールドキウイはその倍ほどになります。ビタミンCを摂りたいと思ったとき、疲れているときなどにはゴールドキウイを選ぶといいですね。

レッドキウイ

レッドキウイ

グリーンキウイやゴールドキウイだけでなく、2020年からは、果肉が赤いレッドキウイというものも旬の時期に限り販売されています。このレッドキウイにはビタミンCが100g中189mgも含まれており、他のキウイよりも多いのが特徴です。また、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも含まれるため、抗酸化作用への期待も高まります[*3]。

鉄を含む

キウイは鉄も含む果物です。生のプルーンとほぼ同等の鉄を含みます[*1]。グリーンキウイには0.3mg、ゴールドキウイには0.2mgの鉄が含まれます(いずれも100gあたり)。鉄が豊富な食品というわけではありませんが、鉄は吸収率が悪い栄養素なので、カルシウム同様、いろいろな食品からこまめに摂っていきたいものです。

たんぱく質分解酵素「アクチニジン」

キウイにはアクチニジンという成分が含まれます[*4]。これは肉などのたんぱく質を分解する酵素です。肉を軟らかくしたいと思ったときには、キウイをすりおろして漬け込むと軟らかくすることができます。

また、生のキウイでゼリーを作る場合にゼラチンを使うと、うまく固まらないということが起こりますが、これも、アクチニジンによりゼラチンのたんぱく質が分解されてしまうためです。

キウイを食べ過ぎるとどうなる?

キウイ

ビタミンCなどが豊富なキウイは日頃からたくさん食べたくなりますが、食べ過ぎるとどうなるのでしょうか? 

腹痛や下痢を起こす可能性

グリーンキウイの特徴として食物繊維が豊富なことをお伝えしましたが、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があります。グリーンキウイには水溶性0.6g、不溶性2.0gが含まれており、また、ゴールドキウイには水溶性0.5g、不溶性0.9gが含まれます。どちらにも共通する特徴として、比較的、水溶性食物繊維が多めということがいえるでしょう。

水溶性食物繊維は水に溶けてゼリー状となり、便を軟らかくして排便を促す作用がありますが、場合によっては軟便や下痢になることもあり得ます。健康にいいからと1日に何個も食べることは避けられるといいでしょう。

また、冷蔵庫から出したての冷たいキウイや冷凍キウイをたくさん食べたりした場合でも、腹痛につながることが考えられるので、注意したいですね。

カロリーの摂り過ぎになることも

キウイのカロリーはどのくらいなのでしょうか? おもな果物と比較して見てみましょう。

<おもな果物100gあたりのカロリー>[*1]
バナナ…93kcal
ゴールドキウイ…63kcal
ぶどう(皮なし)…58kcal
りんご(皮なし)…53kcal
グリーンキウイ…51kcal
みかん…49kcal
いちご…31kcal


果物の中では特にカロリーが多いわけではありませんが、少ないともいえません。キウイは1個が100~120g程度なので、ゴールドキウイなら1個60~70kcal前後、グリーンキウイなら1個50~60kcal前後になります。

間食でお菓子の代わりに、ビタミンなどを補給できる果物を食べるのはとてもおすすめですが、健康にいいからと何個も食べてしまうと、間食の目安である200kcalをオーバーしてしまうので、食べ過ぎには気を付けられるといいですね。

Lazy dummy

カロリー摂取はトータルでの食事内容に左右されるので、バランスを考えてそれぞれの食品を食べることが大切です。

カリウム制限がある場合は注意

グリーンキウイもゴールドキウイもともにカリウムが多く、可食部100gあたり300mgを含んでいます。そのため、腎臓に病気がありカリウム制限が必要な人は、キウイの摂取には注意が必要です。生で食べることが多い果物は茹でるなどの調理でカリウムを減らすことはできないため、食べないようにするか、少量にとどめておきましょう。

特にカリウム制限をしていない場合は、キウイのカリウムを気にする必要はありません。カリウムは体内の塩分量の調節に役立つので、しっかり摂っていきたいミネラルの1つです。

キウイの適量は何個?

キウイ たくさん

キウイの食べ過ぎで大きな健康被害が生じる可能性は低いですが、日々の食事はいろいろな食品から成り立っているので、キウイも適量を摂れるとよいでしょう。目安をお伝えします。

適量の目安|1日1~2個

よりよい食生活をおくるための指標として作成された「食事バランスガイド」によると、果物は1日に200g程度を摂ることがすすめられています[*5]。

キウイは1個あたり100~120g程度なので、だいたい1日に1~2個が目安です。他の果物なら1つの種類で1日分を摂らないようにしたいですが、キウイは比較的いろいろな栄養素が入っているため、キウイだけで200g分を摂るとして、1日2個でもよいでしょう。ただし、果物には旬もあるので、季節に合わせて旬のものを組み合わせるのもおすすめです。その場合はキウイ1を1個にして、他の果物を100g程度摂るとよいですね。

その他の果物の食べ過ぎについてはこちらをチェック!

キウイの保存方法

キウイは比較的日持ちのする果物ですが、適切な保存方法について見ていきましょう。

室内保存でOK!

キウイは熟しすぎると皮や果肉が軟らかくなり過ぎてしまったり、味が薄くなってしまったりもしますが、比較的ほかの果物よりも長く保存できます。常温での保存が可能です。心配な場合は、冷蔵庫の野菜室などに入れておくと追熟が遅くなるので、保存期間も長くなるでしょう。

キウイがたくさんあるなどで食べ切る前に追熟が進んでしまいそうなら、加熱してジャムのようにつぶしたものを冷凍保存するのもおすすめです。

キウイで注意したいアレルギー

食べ過ぎによる体への影響はそれほど心配する必要がありませんが、キウイにはその他に気を付けたいことがあります。それはアレルギーです。キウイアレルギーはその原因によって3つに分けることができます。

果物アレルギーで一番多いのがキウイ

グリーンキウイ 食べる

キウイはアレルギーを起こす可能性の高い食べ物の1つです。特定原材料の7品目(鶏卵、乳、小麦、えび、かに、落花生、そば)のうちには含まれませんが、「特定原材料に準ずるもの」に位置づけられています。

東京都の3歳児健康診査(2019年)によると、食物アレルギーと医師の診断があったのは全体の14.9%、さらに医師の指示で除去している食物として、鶏卵(4.1%)、牛乳(1.6%)、クルミ・落花生(1.0%)などに続いて、小麦とキウイ(0.4%)が6位となっています[*6]。

また、日本の即時型食物アレルギーの原因となる食物として果物は6番目に多いですが、その中でも最も多いのがキウイであり、果物アレルギーのうち35.6%をキウイアレルギーが占めています[*6]。

タイプ① アクチニジンによるアレルギー

キウイの主要アレルゲンのうちの1つがアクチニジンです。特にグリーンキウイに豊富に含まれます。一方、同じキウイでもゴールドキウイにはそれほど含まれませんが[*6]、アレルギーの原因がキウイとわかっていたらゴールドキウイも摂取を避け、別の果物を検討するといいでしょう。

タイプ② 花粉アレルギー

白樺

果物アレルギーには、花粉アレルギーの影響で起こるものも少なくありません。これは交差反応と呼ばれ、花粉のアレルギー物質と果物に含まれるたんぱく質が似ていることで起こります。

キウイでは、カバノキ科(シラカンバなど)やイネ科の花粉アレルギーを持っている場合に症状が出ることがあります。キウイ以外にも、カバノキ科ではりんごやもも、大豆、ヘーゼルナッツ、イネ科ではメロンやスイカなどで交差反応が見られます。

この花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)は、口の中や喉の異常といった症状が主なものであり、食べてから1時間以内くらいで喉の違和感や唇が腫れたりします。果物を加熱して食べると、アレルギー症状がでないことも多いです。とはいえ、まれにアナフィラキシーショックを起こすこともあるため軽視はせず、基本的にはキウイでアレルギーを起こすとわかったら、食べない方がよいでしょう[*6]。

タイプ③ ラテックスアレルギー

ラテックスアレルギー(ゴムアレルギー)をもっている場合に、キウイでも反応がみられることもあります。また、キウイ以外にも栗やバナナ、アボカドも発症の可能性が高い食べ物なので、同様に注意しましょう[*6]。なお、ラテックスアレルギーの場合は、花粉-食物アレルギー症候群とは異なり、加熱してもアレルゲンが減ることはありません[*6]。

Lazy dummy

アレルギー特定原材料に準じる21品目を使用した加工食品は、パッケージに表示することが望ましいとされていますが、義務ではありません。表示されていない場合も考えられるため、キウイアレルギーがある場合は原材料をしっかりチェックするのがよいでしょう。

まとめ

キウイはビタミンCが豊富に含まれ、他の栄養素もほどよく含まれる果物です。食べ過ぎのリスクは高くありませんが、だいたい1日1~2個にとどめ、他の食品と合わせてバランスよく食べていきましょう。キウイはアレルギーを起こす可能性もあります。たくさん食べたからといってアレルギーになるということはありませんが、アレルギーになった場合はたとえ軽症でも、栄養豊富だからと無理に食べるのは避けましょう。また、間違えて食べてしまうことがないように食品表示を確認するようにしたいですね。

(文・監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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