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2022年06月13日 17:30 更新

ピーマンは食べ過ぎても大丈夫?どんな栄養がある?おすすめの保存方法も【管理栄養士監修】

独特の苦みが癖になるピーマン。最近は「無限ピーマン」レシピが人気になったりもしていますね。栄養が豊富な野菜ですが、たくさん食べていると食べ過ぎていないかも気になるもの。ピーマンに食べ過ぎのリスクはあるのか、また、栄養上のメリットや、おいしさを保つためにおすすめの保存方法もご紹介します。

ピーマンの食べ過ぎはよくない?適量は?

無限ピーマン

ピーマンを食べ過ぎると体に悪い影響が出る可能性はあるのでしょうか? また、適量はどのくらいなのでしょうか?

過剰摂取による健康障害のリスクは低い

ピーマンは基本的にリスクの低い食べ物です。そのため、どれだけ食べたら体にどのような健康障害が出るかを示すのは難しいといえます。

もちろん、いくら食べても大丈夫とは言えませんが、たとえば、ピーマンに多く含まれるビタミンCの摂りすぎで、下痢などを起こすことはありえないでしょう。ビタミンCは体内での量が一定レベルに保たれるため、摂り過ぎによるリスクは低く、安全性の高い栄養素といえます。実際、通常の食事で過剰摂取による健康障害の報告もないため、特に上限量の規定はありません[*1]。

ピーマンを食べることでビタミンCの摂り過ぎによる健康障害を心配する必要はないので、安心してくださいね。

Lazy dummy

ただし、食品ではなくサプリメントなどからビタミンCを過剰摂取した場合、吐き気、下痢、腹痛などを生じることは考えられます[*2]。ビタミンCを1日に1,000mg以上摂ることは意味がないとされているので、サプリメントは摂取量をしっかり把握したうえで活用しましょう。

調味料による塩分の摂り過ぎには注意

ピーマン 塩昆布炒め

ピーマン自体の栄養成分では過剰摂取のリスクは低いですが、味付けしたピーマンをたくさん食べればその分、使用している調味料から摂る塩分量も増えるため、塩分の摂り過ぎにつながる可能性はあると言えるでしょう。

日本人は塩分摂取量が多い傾向があると言われています。ピーマン料理以外からも塩分は摂取するため、塩分の摂り過ぎにならないよう、注意したいですね。

腎臓の病気がある場合はカリウムに注意

ピーマンにはカリウムが100gあたり190mg含まれます[*3]。ほうれん草が690mgであるのと比べると少ないですが、腎臓病などでカリウム制限の指示を受けている場合は注意しましょう。カリウムは水に溶け出しやすいため、茹でてから炒めるとカリウムを減らすことができます。

適量は1日1~4個程度

野菜は1日に350g以上、そのうち、緑黄色野菜で120g以上とるのが望ましいとされています[*4]。ピーマンは緑黄色野菜に該当しますが、120gをピーマンに置き換えると4個程度となります。

ただし、ピーマンは他の緑黄色野菜と比べるとβ-カロテンが少な目なので、ピーマンだけで緑黄色野菜の目安量をまかなおうとするのではなく、他の緑黄色野菜も合わせて120gを目指しましょう。ピーマンは1日1~4個の間で考えるとよいですね。

Lazy dummy

ピーマンを薄い千切りにし、しっかり加熱してクタクタにすると、カサが減って食べやすくなりますよ。

ピーマンに含まれる栄養成分のメリット

ピーマンは食べ過ぎのリスクの低い食べ物であることがわかりました。野菜の1つとして日頃から摂取するのはおすすめです。ピーマンのうれしい栄養効果を見ていきましょう。

低カロリー|キャベツと同じくらい

ピーマンは肉厚でしっかりしているので、カロリーが多い野菜にみえるかもしれませんが、100gあたり20kcalと決して多くはありません[*3]。キャベツやほうれん草などの葉物野菜とほとんど同じです。カロリーを気にせず、しっかり食べられるのは嬉しいですね。

ビタミンC|特に豊富

チンジャオロース

ピーマンにはビタミンCが100gあたり76mg、赤ピーマン(赤パプリカ)には170mg含まれています[*3]。ビタミンCが多いことで知られるいちごは62mg、みかんは32mgなので[*3]、ピーマンにはビタミンCが特に豊富であることがわかりますね。

ビタミンCは水溶性のため、茹でると水に溶け出てしまったりしますが、ピーマンの使った料理は一般に油炒めが中心なので、ビタミンCを損失させずに食べることができます。これだけビタミンCを含む野菜は珍しいので、しっかり食卓に取り入れたいものです。

β-カロテン|パプリカはピーマンの2倍

パプリカ

ピーマンは抗酸化作用のあるβ-カロテンが含まれるのも特徴です。ピーマン100gあたりのβ-カロテンの量は400μg、赤パプリカはその倍以上の940μgとなります[*3]。ピーマンと赤パプリカでこのような違いが出るのは、β-カロテンは黄色系~赤色系の色素だからです。

また、β-カロテンは体内でその一部がビタミンAに変換されるため、ビタミンAの一種に位置づけられます。ピーマンを食べれば、1日に必要なビタミンAを補うのにも役立つといえますね。

なお、ビタミンAは過剰摂取の心配がある栄養素ですが、β-カロテンにはその心配がありません。必要に応じてビタミンAへの変換量が調整されているためです。食品から摂る分にはβ-カロテンは安心して摂取できます。

ピーマンは緑黄色野菜!?

ピーマンは緑黄色野菜だとお伝えしましたが、実はこれはいわば「特別枠」。緑黄色野菜には「原則として可食部100g当たりカロテン含量が600μg以上の野菜」という基準があり[*5]、ピーマンはこれに合致しません。ちなみにトマトも同様です。

では、なぜピーマンは緑黄色野菜の1つとみなされているのでしょうか? その理由はピーマンやトマトが野菜の中でもよく摂取されるものであり、食べる回数や量が多いと考えられるからです。

「他の緑黄色野菜よりβ-カロテンが少ないなら食べなくてもいいや」などと考えるのではなく、色々な料理に使いやすいという利点を生かし、ピーマンからもしっかりβ-カロテンを摂っていくようにしましょう。

■ピーマンってどんな野菜?■
ピーマンはトウガラシの一種です。トウガラシの中で辛くないものが品種改良によって少しずつ今のようなピーマンになりました。また、緑色をしているのは、熟す前に収穫されるからです。一方、「パプリカ」と呼ばれるタイプはピーマンの大型種で、赤や黄色をしていることからもわかるように、完熟した状態のものになります。ピーマンは苦みや青臭さがあり、パプリカはピーマンよりも甘味がありますが、未熟か完熟かの違いが味に現れているのですね。

ピーマンの選び方と保存方法

ピーマン

ピーマンを店頭で選ぶときにはどこを見るとよいのでしょうか? また、まとめ買いしがちですが、買った後はどれだけもつのでしょうか? おすすめの保存方法もお伝えします。

ピーマンの選ぶときのポイント

ピーマンは全体的にハリがあり、しわのないものを選ぶといいでしょう。また、へたもハリがあり、色が変わっていないことも新鮮さの目安になります。なお、ピーマンが曲がっていたり変形していても味には問題はありません[*6]。

おすすめ保存方法

ピーマンに適した保存場所は冷蔵庫の野菜室です[*6]。冷蔵庫だと冷たすぎてしまうので、だいたい10℃前後に保たれている野菜室にしましょう。野菜室がない場合は、季節によっては常温でもいいかもしれませんね。キッチンペーパーや新聞紙に包んでおくと日持ちしやすくなります。

また、ピーマンは水気に弱いので、余分な水分がつかないようにしましょう。ポリ袋などに入れるときは穴をあけて通気性をよくしたり[*6]、ピーマンを軽くキッチンペーパーで包んでから入れるとよいですよ。

保存期間は1週間が目安

ピーマンがおいしく食べられる期間の目安(加工食品で言うところの賞味期限)は、だいたい1週間くらいでしょう[*6]。ヘタの部分が黒く変色しはじめたら鮮度が悪くなっているサインです。その前に食べるようにしてくださいね。

まとめ

ピーマンはたくさん食べたからといって、何か問題があるわけではありません。しかし、1つのものばかりを食べることによって他の食べ物の摂取量が減るということが考えられます。ピーマンだけに偏らず、他の野菜をしっかり食べることも大切です。また、もちろん肉や魚、卵といったたんぱく質も欠かせません。他の食材をしっかり摂りながら、ピーマンも楽しく食べられるといいですね。

(文・監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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