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2022年03月16日 12:03 更新

バナナの食べ過ぎは太る? 毎日食べてOK? 1日の目安量を解説【管理栄養士監修】

バナナは果物の中でも手軽に食べられるものの1つですね。朝食のヨーグルトへ入れたり、時間がないときのごはん代わりにしたりと毎日食べている人も多いかもしれません。そうすると気になってくるのが、食べ過ぎのラインですよね。そもそもバナナはたくさん食べても大丈夫なのか、また、適量はどのくらいなのか、解説します。

バナナにはどんな栄養があるの?

バナナは栄養価が高いといわれていますが、どんな栄養の効果があるのでしょうか。

糖質|体の重要なエネルギー源

バナナは果物の中でも糖質が多く含まれています。糖質は体の重要なエネルギー源ですが、特に脳の働きに欠かせない栄養素です。糖質が不足するとエネルギー不足となって、疲労感や集中力の減少が見られます。

バナナは手軽に糖質を摂取できる優秀な食材といえるでしょう。

カリウム|塩分の摂り過ぎを調整

バナナにはカリウムも豊富に含まれています。カリウムにはナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があり、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます[*1]。また、塩分の摂り過ぎによりむくみが生じやすくなるので、カリウムを摂ることでむくみの予防も期待できるでしょう。

カリウムはゆでたり水にさらすと溶けだしてしまうという難点がありますが、その点、生で食べられるバナナはカリウムを効率的に摂ることができます。

ビタミンB群|栄養素の代謝に不可欠

バナナにはビタミンB群もバランスよく含まれます。ビタミンB群は糖質や脂質、たんぱく質の代謝やエネルギーの産生にかかわる栄養素です。よく体を動かしエネルギーを消費するという人は特に摂取したいですね。

ダイエットにバナナは役立つ?

バナナは果物の中では糖質が豊富ですが、同量のご飯やパンに比べると糖質やカロリー(エネルギー)は半分程度となります。したがってご飯やパンの代わりにバナナを取り入れると、カロリーや糖質を減らすことができます。

ただし、バナナはご飯やパンに比べてもたんぱく質の含有量が少ないです。そのため、1食をバナナのみで済ますダイエットのやり方は食事のバランスが悪くなるため、おすすめできません。

食欲がなく果物なら摂取できそうな場合などは食事の代わりとして考えてもいいですが、たんぱく質も一緒に摂れるとよいでしょう。牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品を組み合わせるのも1つです。

バナナダイエットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をぜひご覧ください。
▶バナナダイエットは効果なし? 栄養のプロが解説

バナナを食べ過ぎたときのリスクとは?

バナナ 牛乳 グラノーラ

果物を摂ることは健康によいイメージがありますが、バナナを食べ過ぎると体には何か影響があるのでしょうか。そればかりに偏ってしまうとどんなリスクが生じるのかみてみましょう。

注意1.カロリーオーバー

糖質が豊富なバナナは中くらいのサイズ1本で約100kcalあります。糖質を補給するにはとても優秀なバナナですが、糖質は摂り過ぎるとエネルギーとして消費されなかった分が中性脂肪として蓄積されてしまうため、肥満や生活習慣病の原因となります[*2]。

ビタミンやミネラルなどを含む果物を食生活に取り入れることは大切ですが、バナナだけではなく他の果物も色々と食べることで、それぞれの果物に含まれる栄養を摂取するのがよいですね。

注意2.栄養バランスの偏り

バナナの摂り過ぎによって食事がきちんと食べられないと、栄養のバランスが乱れてしまう可能性があります。

バナナは腹持ちがいいため、間食や忙しいときなどにパッと食べるには便利でしょう。しかし、食べる量や時間によってはお腹が空かなくなり、食事を十分に取れなくなってしまう恐れがあります。

バナナが栄養豊富とはいえ、あくまでもバランスの取れた食事が基本です。食事が食べられるように、バナナを食べる量や時間を意識しましょう。

バナナの適量ってどのくらい?

食べ過ぎにならないバナナの適量はどのくらいなのでしょうか。

目安|1日1~2本

バナナ 2本

手軽に食べやすい果物のため毎日バナナを取り入れたいと考える方もいるかもしれません。食事バランスガイドによると、成人の1日の果物の量は2つとなります。バナナ1本は果物1つ分とされるので、ほかの果物を摂る場合も踏まえると、バナナの1日あたりの目安量は1~2本といえますね[*3]。

毎日10本だと食べ過ぎ

ときにはバナナを1日2本以上食べてしまうこともあるかもしれません。どのくらい食べると「食べ過ぎ」になるのでしょうか。

特にバナナの食べ過ぎの量について決まりはありませんが、たとえばバナナ10本(1kg、930kcal)を日常的に食べるのは食べ過ぎといえるでしょう。成人女性で1日の必要エネルギーが2000kcalの場合、その半分をバナナで占めることになります。糖質の摂り過ぎが気になるうえ、バナナは食物繊維やオリゴ糖も含みますので、たくさん摂取することで便の状態が変わったりするかもしれません。

バナナをたくさん食べることでたんぱく質や脂質が摂れなくなってしまわないようにしたいものです。何かの効果を期待してバナナだけを摂るということは避けましょう。

おすすめの食べ方は?

おすすめのバナナの食べ方をいくつかご紹介します。
■そのまま食べる
栄養が外に出ることがなく摂取できるので、皮をむいてそのまま食べるのが一番おすすめです。
■ジュースにする
ほかの果物も一緒に取り入れるなら、ミックスジュースにするのもよいでしょう。牛乳を足すとたんぱく質やカルシウムも補うこともできます。
■焼きバナナ
バナナは加熱してもやわらかくておいしく食べることができます。食欲がないときなどにも食べやすく、エネルギー補給におすすめです。

妊娠中はどれくらい食べてもいいの?

妊娠中は栄養のことを気にしなければならず、何か摂り過ぎていないか、逆に不足していないかなど心配になりますね。バナナは妊娠中にどれくらい食べても大丈夫なのかお伝えします。

妊娠中の目安|1日1~2本

妊娠中や授乳中は非妊娠時より多くの栄養が必要になりますが、バナナはエネルギーだけではなくビタミンやミネラルも摂ることができるので、おすすめの食材です。ただし食べ過ぎるとカロリーオーバーになり、体重が増えすぎる可能性があるため注意しましょう。

妊産婦のための食事バランスガイドでは、果物の目安は妊娠初期で1日2つ、妊娠中期、後期は3つとされています[*4]。バナナだけで果物を補うとしたら、初期は1~2本、中期以降は1~3本が妊婦さんの適量といえますね。もちろん他の果物とあわせて摂ることも考えましょう。

なお、妊娠中のバナナについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
▶妊婦はバナナで便秘対策!
▶つわりにバナナはおすすめ?

子どもが食べるバナナの適量は?

バナナを食べる子ども

子どもは大人よりも食事量が少ないですが、バナナはどれくらいの量がいいのでしょうか。また離乳食ではいつから食べてもよいのでしょうか。

子どもの場合の目安|1日1~2本

6歳以降の子どもなら、大人と同じようにバナナは1日1~2本と考えましょう[*3]。バナナには糖質が豊富に含まれていることから、お子さんの運動後のエネルギー補給として食べるのもよいですね。ただし、健やかな成長のためにもバランスのよい食事が基本となるため、バナナを食べすぎてお食事が食べられなくならないように注意してあげましょう。

離乳食ではいつから?|初期からOK

離乳食でバナナは初期から食べ始めることができます。すりつぶした状態から食べてみましょう。

バナナはアレルギー表示の推奨されている食品の1つなので少し不安に思う方もいるかもしれませんが、バナナのアレルギーは乳児期に多いアレルギーではありません。ただ、念のためはじめて食べるときは赤ちゃんもお母さんも体調がよい日にしましょう。また、何かあったときのために病院の開いている午前中にチャレンジできると安心ですね。

なお、バナナの離乳食については以下の記事で詳しく解説しています。
▶バナナの離乳食はいつから?アレルギーは?
▶離乳食のバナナはどう冷凍する?

まとめ

バナナは糖質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれた果物です。その手軽さから日常的に取り入れやすいですね。ただし、食べ過ぎると問題もあります。あくまでもバランスのよい食事が基本なので、食事をしっかりとることを大切にしながら、いろいろな果物を取り入れるとよいですね。

(文:山田奈都乃 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

「カロリー」という表記について
本来は「エネルギー」と呼びますが、本記事では一般的になじみのある「カロリー」と表記しています。

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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