教育 教育
2023年04月21日 08:42 更新

縹色(はなだいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【縹色(はなだいろ)】とは、藍色より薄く浅葱色より濃い青色のことです。日本の伝統色である【縹色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【縹色】とは?

縹色のツユクサ

縹色とは、藍染め色で、藍色より薄く、浅葱色より濃い青色です。

色の名前 縹 色
読み方 はなだいろ hanada-iro
英語 light indigo
WEBカラーコード #007aac
CMYK  C=85/M=11/Y=0/K=35 
RGB R=0/G=122/B=172
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【縹色】の意味と由来は?

【縹色(はなだいろ】は、古い時代から知られている藍染めの色のなかでも代表的な色名で、【藍色(あいいろ)】よりは薄く、【浅葱色(あさぎいろ)】よりは濃い青のことを言います。

奈良時代に成立した歴史書『日本書紀(にほんしょき)』にも、すでに

・「濃縹(こきはなだ)」
・「浅縹(あさはなだ)」

という名称が記されています。さらに、『延喜式(えんぎしき)』という、平安中期に編纂(へんさん)された律令の施工細則をまとめた法典にも、

・「濃縹(こきはなだ)」
・「中縹(なかのはなだ)」
・「次縹(つぎのはなだ)」
・「浅縹(あさはなだ)」

の、4段階の濃さが定められていました。【縹色】は、このなかでは「中縹(なかのはなだ)」に当たるとされますが、濃いものから薄いものまで、広く縹色全般を指すという考え方もあります。

なお、『延喜式』では、藍だけで染める【縹色】と、藍と黄蘗(きはだ)を用いて染める【藍色】とは区別されています。

古くから使用されてきた伝統色名ですが、時代とともに少しずつ意味も変わってきます。現在では、藍染めの色を濃い方から順に並べると

・【紺色(こんいろ)】
・【藍色(あいいろ)】
・【縹色(はなだいろ)】
・【浅葱色(あさぎいろ)】

となることが多いようです。

【縹色】に関連する色

【縹色】に合う色は?


縹 色
 はなだいろ 


柘榴色
 ざくろいろ 

【縹色】に合う色のひとつに【柘榴色(ざくろいろ)】があります。【柘榴色】は、柘榴の実を思わせる紅みを帯びた深い赤色です。落ち着きのある凛とした美しさを感じさせる青色の縹色と合わせることで、動きを感じさせる配色になります。似たような組み合わせとしては柘榴色より明るい赤紫の【小豆色(あずきいろ)】などもいいでしょう。動きと同時に華やかさもプラスされます。

そのほか、明るい黄色の【菜の花色(なのはないろ)】や、緑みを帯びた淡い黄色の【蒸栗色(むしくりいろ)】などと合わせると、かわいらしさや若々しさを表現することができます。

A traditional Japanese color "縹 hanada" is...

A traditional Japanese color "縹 Hanada" is a typical color name for indigo dye, which has been known since ancient times, and refers to a blue color that is lighter than "藍 Ai (indigo)" and darker than "浅葱 Asagi (pale blue-green)".

The traditional Japanese color names

・"濃縹 koki-hanada (dark handa)"
・"浅縹 asa-hanada (light handa)"

are already mentioned as clothing colors in the "日本書紀 Nihon shoki" (Chronicles of Japan) of the Nara period (710-794 CE).

Furthermore, the" 延喜式 Engishiki", a code compiled in the mid-Heian period that outlines the detailed regulations for the implementation of the Ritsuryo (Laws and Regulations), also stipulated following four levels of "縹 Hanada" color intensity.

・"濃縹 koki-hanada (dark handa)"
・"中縹 nakano-hanada (middle handa)"
・"次縹 tsugino-hanada (next handa)"
・"浅縹 asa-hanada (light handa)"

The color "縹 Hanada" is considered to refer to "中縹 nakano-hanada (middle handa)" of these four levels, but some people believe that it refers to a wide range of shades, from dark to light "縹 Hanada" color.

The Engishiki also distinguishes between "縹 Hanada" color, which is dyed using only indigo, and "藍 Ai" color, which is dyed using both indigo and the bark of the Kihada tree, a member of the mandarin family.

These are traditional color names that have been used since ancient times, but their meanings have gradually changed over time. Today, the following is a list of indigo-dyed colors in order from darkest to lightest.

・"紺 Kon (navy blue)"
・"藍 Ai (Indigo)"
・"縹 Hanada"
・"浅葱 Asagi (pale blue-green)"

まとめ

【縹色】は、純粋に藍だけで染めた青を代表する色で、【藍色】より薄く、【浅葱色】より濃い色の名前です。元々は、「はなだ色」と呼ばれていましたが、平安時代に「縹色」と表記されました。

さらに、江戸時代になると「花田色(はなだいろ)」や「花色(はないろ)」とも呼ばれていたと言います。この「花」とは露草(つゆくさ)を指し、かつて露草の花の青い汁と用いて摺り染め(すりぞめ)をしていたことに由来するといいます。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-