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2023年06月10日 12:33 更新

鬱金色(うこんいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

鬱金色(うこんいろ)とは、わずかに赤みを帯びた黄色のこと。日本の伝統色である【鬱金色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【鬱金色】とは?

ウコンと粉末ウコン

鬱金色(うこんいろ)とは、わずかに赤みを帯びた黄色のことです。

色の名前       鬱 金 色      
読み方 うこんいろ ukon-iro
英語 yellowsaffron,turmeric
WEBカラーコード #fabf13
CMYK C=0/M=13/Y=95/K=0
RGB R=255/G=221/B=0
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【鬱金色】の意味と由来は?

【鬱金色(うこんいろ)】の「鬱金」とは、ショウガ科の植物「ウコン」のことです。ウコンの根っこを切ると、断面に見えるのはあざやかな濃い黄色。その黄色い色素で染めた色を【鬱金色】と呼びます。

ウコンは別名「ターメリック」と呼ばれ、カレーにはなくてはならないスパイスのひとつです。カレーが生まれたインドでは、古くから黄色の染料としても使われており、生命力を象徴する色とも言われていました。

ウコンが日本に伝わったのは奈良時代のこと。食品や薬、染料として用いられてきましたが、色として多くの人に注目されるようになったのは江戸時代の前期でした。当時は派手な色が好まれたことから、あざやかで目をひく【鬱金色】は着物の色として大人気に。さらに色名に「金」と付くのが縁起がいいと、風呂敷などにも使われたそうです。また、ウコンには抗菌や防虫効果もあるため、産着(うぶぎ)や肌着などを染めるのにも使われました。

【鬱金色】に合う色は?


鬱金色
 うこん いろ 


橙 色
 だいだいいろ 



鬱金色
 うこん いろ 


黒 茶
 く ろ ちゃ 

やや赤みを帯びた黄色い【鬱金色】は、赤・橙・茶系との相性がぴったり。例えば、【橙色(だいだいいろ)】と組み合わせると、あたたかく元気を感じさせるカラーになります。茶系の【丁子色(ちょうじいろ)】と合わせると、渋さも加わり落ち着いた印象に。「丁子」はウコンと同じようにスパイスの一種。スパイスに由来する色同士、相性がいいのかもしれませんね。

あざやかで華のある【鬱金色】は、黒系と合わせるとお互いの色を引き立てます。【黒】や【黒茶】に【鬱金色】を加えればアクセントとなり、メリハリが生まれます。

A traditional Japanese color "鬱金 ukon" is...

A traditional Japanese color "鬱金 ukon" is refers to turmeric, a member of the ginger family of plants. When you cut the root of turmeric, you will see a bright dark yellow color on the cross section. The color dyed with that yellow pigment is called "鬱金 ukon".

Turmeric is one of the essential spices for curry. In India, where curry was born, it has long been used as a yellow dye and was also said to be a color symbolizing vitality.

Turmeric was introduced to Japan in the Nara period (710-794). It was used as foods, medicines, dyes, but it was not until the early Edo period (1603-1868) that it came to attract the attention of many people as a color. At that time, flashy colors were favored, and the vivid and eye-catching color "鬱金 ukon" was very popular as a color for kimonos. The color "鬱金 ukon" was also used for furoshiki (wrapping cloth), as "金 gold" in the name of the color was thought to bring good luck. "鬱金 ukon also had antibacterial and insect repellent effects, so it was also used for clothes for a newborn baby and underwear.

まとめ

日本ではとくに江戸時代の前半に愛されていた【鬱金色】。

色名の由来となった「ウコン」は、「ターメリック」という名前で、スーパーのスパイス売り場などで販売されています。ターメリックを溶かした水に布や糸を入れると、黄色く染まるので、おうちで染め物体験などしてみてもいいかもしれませんね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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