妊婦もプロテインでタンパク質補給?妊娠中も飲めるプロテインと注意点【管理栄養士監修】
ボディラインを意識している人の中には、筋肉をつけることによるボディメイクをするためにプロテインを摂取している人も少なくないでしょう。でも、妊娠してからは飲むことができるのでしょうか。今回は妊娠中のプロテイン摂取についてお伝えします。
妊婦にはタンパク質が必要
妊娠中は胎児の発育のためにも栄養が必要なため、妊娠していない時よりも摂るべき栄養素量が多くなります。タンパク質についても妊婦さんはより多くの量が必要となります。
妊娠後期は75g!妊婦が摂るべきタンパク質の量
妊娠中は非妊娠時より多くのタンパク質を摂るよう“付加量”が設定されています。18〜49歳の女性における1日当たりのタンパク質推奨量は50gですが、妊娠中期は+5g、妊娠後期には+25gという付加量が設定されています[*1] 。
妊婦のタンパク質不足による影響
タンパク質は赤ちゃんの身体を作るために必要な栄養素です。不足することで赤ちゃんの発育不全が見られる可能性があります。
妊婦のタンパク質にプロテインはよい?
妊娠中、より多くのタンパク質が必要になります。そのタンパク質をプロテインで補給しても良いのでしょうか?
プロテインとは
プロテインとは粉末状のタンパク質高含有サプリメントで、牛乳などに溶かして飲みます。ホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインなどがあり、一部の栄養素が強化されたタイプのものもあります[*2] 。
妊婦でも飲めるプロテインもある?
プロテインの製品によって、妊娠中は控える旨の記載があるものと、ないものがあります。
プロテインのタンパク質の「由来」は、「大豆」のものか「乳」のものかに大別されますが、特に「大豆」由来のタンパク質に関しては、通常の食生活に上乗せして摂取することが推奨されていません[*3] 。妊娠中の摂取について記載のあるなしに関わらず、大豆由来のタンパク質を含むプロテインは避ける方が無難かもしれません。
妊娠中にプロテインを飲む際の注意点
妊娠期にはタンパク質をいつもより多めに摂った方がいいため、プロテインが役立ちそうに思えますが、注意も必要です。
飲む前に必ずかかりつけ医に相談を
ダイエットやスポーツのための補助栄養としてプロテインを摂取していることがありますよね。妊娠すると身体の代謝や内臓機能が変化します。また、運動習慣も非妊娠時と異なります。妊娠の経過によってはプロテインの摂取を控える方が良いケースもあるため、必ずかかりつけ医に相談するようにしましょう。
なお、妊娠中は葉酸以外のサプリメントを安易に摂らない方がいいと考えられています[*4]。
飲む際は適正量を守って飲む
プロテイン製品は1食分に含有されるタンパク質量やアミノ酸、ビタミン類などその他栄養素の構成や量が種類によって様々です。タンパク質を取りたいからと適正量を守らずに摂取することで、過剰摂取となってしまう栄養素が生じる可能性があります。かかりつけ医に相談の上、適正量を摂取するようにしましょう。
まとめ
最近はタンパク質の摂取量不足が問題視され、プロテインをスポーツ選手だけでなく、一般の人も摂取するようになってきています。妊娠中は非妊娠時とは身体が大きく変化します。必ずかかりつけ医に相談の上、バランスの良い食生活を基本として、摂取するかしないかを判断できると良いですね。
(文:奥野由 先生、監修:川口由美子 先生)
※画像はイメージです
[*1] 「日本人の食事摂取基準 2020年版」. 厚生労働省, 2020年.
[*2]日本スポーツ振興センター. 「プロテインサプリメント | ハイパフォーマンススポーツセンター」.
[*3] 「お母さんになるあなたへ | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する」.
[*4]国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 健康食品の基礎知識「妊娠中のサプリメントの利用について」
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます