仕事と恋は両立できる? Netflixの新恋愛リアリティ『韓国ドラマな恋がしたい』で得る学び
現在、Netflixで配信されている恋愛リアリティシリーズ『韓国ドラマな恋がしたい』。韓国を舞台に、日本と韓国の俳優、男女8名が共同生活をしながらドラマ主演をかけて熾烈なオーディションに臨んでいく姿は、“恋愛と仕事の両立”に悩むアラサー女子にとって共感必死。配信も中盤となり参加者それぞれが佳境を迎える今、恋愛リアリティ番組大好きなライター4人が『韓国ドラマな恋がしたい』の魅力を語ります。
※このコラムは『韓国ドラマな恋がしたい』エピソード1~9のネタバレを含みます。
11月28日(火)より世界独占配信中のNetflix恋愛リアリティシリーズ『韓国ドラマな恋がしたい』。本作は、男女8人の若手俳優がペアとなり、キスシーンのある恋愛ドラマの主演をかけてオーディションに挑み、“恋愛ドラマの共演をきっかけに恋は生まれるのか”を追う恋愛リアリティ番組です。
舞台である韓国で共同生活を送りながら、全て韓国語で書かれた台本で演技しなければいけないこと。そして、若手ではなく、女性はすでに芸歴がある俳優4人、男性は現地で活動する韓国人俳優4人であること。
慣れない土地、日本と韓国のペアの相手との言語の壁、“全て韓国語”で演じなければいけないハードルの高さやプレッシャー……。そんな、これまでの“ドラ恋史上最もハード”とも言える環境下の中で、「仕事と恋なんて両立できるの?」と疑問に思ってしまいますが、芸歴のある女性メンバーが仕事と恋で揺れ動く様子がリアルで、そこにもとっても共感するんです……!
今回は本作の中盤までで見えた、注目の恋愛リアリティシリーズの見どころを、恋愛ライターの私、瑞姫と、同じく恋愛ライターのミクニシオリさん、Nana Numotoさん、石野志帆さんの4人で語り合いました。
芸歴もある日韓俳優陣8人だからこその魅力
女性メンバーは、連続テレビ小説『あまちゃん』や、映画『寝ても覚めても』などに出演する山下リオ、第12回全日本国民的美少女コンテストでグランプリを受賞し芸能界デビューを果たし、ドラマ『かしましめし』などに出演する工藤綾乃、ドラマ『賭ケグルイ』や、映画『あさひなぐ』などに出演する北原帆夏、ダンス&ボーカルグループE-girlsのメンバーとしてデビューし、現在は俳優として活動する坂東希。
一方、男性メンバーは広告モデルとして活躍していたキム・ドンギュ、ドラマ『女神降臨』などに出演するキム・ウォンシク、雑誌や広告でモデルとして活躍するイ・テギュン、ダンス&ボーカルグループSUPERNOVA(超新星)のメンバーとして日本で活躍していたソン・ジヒョク。男性メンバーはこれまで演技経験がない人もいるものの、女性メンバーはすでに演技の経験を積んできた実力者ばかり。
今回のキャスティングの魅力について、ミクニシオリさんは「今までのドラ恋は“これから有名になっていく卵”の方をセッティングしていた印象だったんですが、今回は豪華なキャスティングで演技の経験値も高い方が多いので、ドラマ撮影のシーンがすごくリッチでした。すでに演技が上手い人たちばかりなので、実際のドラマ撮影のメイキングを見させてもらっているみたいな感覚で、今までにはない魅力かなと思います」とコメント。
さらに、Nana Numotoさんも「最初はこれだけ名のある女優さんが恋愛もお芝居もする姿を、どういうふうに見せていくんだろうと思っていました。でも、やっぱりプロとはいえ感情の動きがあるんだというのが徐々に話数が進むにつれて見られて良かったです。あのキャリアだからこその仕事に対する熱量と、恋愛に対する熱量のベクトルの分け方、みたいなのはめちゃくちゃリアルでした」と、これまでの“若手俳優”が活躍してきたドラ恋とまた違った魅力をアピールしてくれました。
最初のオーディションでは「男性も女性も全くレベルが足りていない」「どうやって話し合えばいいか分からないレベル」と審査員から厳しい言葉をかけられるものの、回を重ねるごとに俳優歴の長い女性メンバーを筆頭に持ち前の集中力や経験で言語の壁を超え、韓国ドラマで求められる演技力まで成長。全6話の恋愛ドラマはどれも違った面白さがあって、それだけでも見応えがあります。
キャリアある女性たちのリアルな恋愛
台本の韓国語を理解し、自分も韓国語で演技しなければいけない難しさ。さらに、ペアになった男性とオーディションに勝つため、台本の理解度を高めなければならないにも関わらず、相手とは言語の壁がある状態。“ガチ仕事モード”になって全力で頑張らなければ、オーディションで実力を発揮することもできません。
「これで恋愛なんてできるのか……?」「演技に必死すぎてそれどころじゃなくない?!」と番組序盤は心配していたのですが、男性メンバーとはスマホアプリの翻訳機能を使ったり、共同生活で仲を深めたりと、徐々に“仕事”だけでなく、共同生活の“プライベート”の関わりによって距離を縮めていきます。
「韓ドラ恋」は、オーディションの時にペアになった人との恋愛より、プライベートで仲良くなった人と恋愛に発展するケースも多くて、そこがまたこれまでとは違った面白さでもあるんですよね。
石野志帆さんも「恋愛ドラマを演じるだけでなく、プライベートで恋が生まれてから、その後どうなるかの過程を見せてもらってるのがさらに面白いですよね」と、今までとは違った角度からの魅力を指摘。
さらに、女性同士の関係性についてもNana Numotoさんは「変に仲良くなりすぎないけど、キャットファイトみたいな感じでもない、絶妙な距離感がまたリアルですよね」と話しており、これには石野志帆さんも「人生経験も演技経験もある人たちだから、安心して見られる。キャットファイトはないものの、逆にその部分にリアルな人間関係の面白さがあるから、普段恋愛リアリティ番組は見ないけど韓国ドラマは好きという方にも見て欲しい」と共感していました。
仕事と恋の両立に必要なのは?
“韓国人男性と恋愛ドラマで共演”なんて聞くと、普通は浮ついてしまいそうなもの。しかし、しっかりと“仕事”として接した上で、自分の心が揺れ動くかを見ている女性メンバーは、25歳~31歳という演技キャリアのあるアラサー俳優だからこそのリアルさがあり、見ていて安心感がありました。
Nana Numotoさんは「この後の仕事のことを考えてるからこそ“キスしたら好き”とすぐに恋愛にはならないんですよね。相手と今後どういう向き合い方をすべきか、仕事と恋愛を天秤にかけて悩んでいるところとか、仕事と恋愛、どちらにも誠実に向き合おうとする姿は、すごく勉強になりました」と話しました。
また、女性メンバーの中でも特に演技力が高く、“仕事一筋!”というタイプのリオさんがプライベートの時間にお酒を飲み、普段の仕事では見せないギャップを見せたシーンについて「ちゃんとお酒を飲んでみんなの前でオープンになるところは、すごく学びがありました。キツキツだとやっぱり人間的な魅力がないよなって」と良い意味で“隙”を見せる大切さについて評価していました。
さらにミクニシオリさんは「最近日本の女性が強くなりすぎているなってコラムを書いていても思うんです。メンヘラはよくないとか、女性でも自立しなきゃとか、働き続けないといけないとか。そういうのが刷り込まれていているから、韓国男性が包み込むような言葉をかけてくれても“NO!”って言っちゃって……」と、男性メンバーが「僕を頼って」と手を差し伸べてくれている一方、女性陣が「大丈夫!」と“1人でなんとかしよう”としているようなシーンが多く見受けられた点について指摘。
続けて「頑張ることも大切だけど、そういう気持ちがどんどん自分を追い詰めてしまうこともあると思うんです。なんかもう、そろそろ日本の女性には“甘え方講座”みたいなのが啓蒙されていった方がいいんじゃないかって思います」と提案。私もすごく思い当たる節があったので「確かに……!」と思わざるを得ませんでした。仕事を頑張ってきたキャリアある女性にとって、甘えるのって実はなかなか難易度が高い……!
今作はこれまでの恋愛リアリティ番組にはない“仕事と恋愛の両立”というテーマが見え隠れすることもあり、アラサー女子にとってとても学びが多い作品に仕上がっていると思います。
キラキラドキドキだけでなく、リアルな恋の揺れ動き、絶妙な人間関係と友情、そしてクオリティの高い韓国ドラマがショートショートで見られるなど、さまざまな魅力が詰まった作品なので、今まで恋愛リアリティ番組を見たことがないという方にもぜひ見て欲しい作品です。まだまだ最新話の配信に追いつける今作。ぜひ年末年始にまとめて鑑賞してみてはいかがでしょうか?
(瑞姫)
番組概要
Netflixリアリティシリーズ『韓国ドラマな恋がしたい』
スタジオ出演:近藤春菜(ハリセンボン)、あ~ちゃん(Perfume)、福徳秀介(ジャルジャル)、小森隼(GENERATIONS)、谷まりあ
出演:北原帆夏、工藤綾乃、坂東希、山下リオ / 、イ・テギュン、キム・ウォンシク、キム・ドンギュ、ソン・ジヒョク / 笛木優子
主題歌:「華奢な心」アイナ・ジ・エンド
企画・構成:鈴木おさむ
話数:全12話
・配信スケジュール
11話まで独占配信中
12月26日(火)第12話(最終話)
URL:https://www.netflix.com/title/81645371
※この記事は2023年12月20日に公開されたものです