投資初心者が知っておきたい用語「インフレ」「デフレ」
モノの値段が継続的に上がる現象がインフレ、下がる現象がデフレです。最近ニュースでよく聞く言葉ですが、投資にも深く関係し、投資初心者も押さえたい重要用語です。今回は、そんなインフレ、デフレについて過去のモノの値段の動きも確認しながら解説します。
さらに日本では長らくデフレが続いていましたが、インフレに転換しつつあります。そんな時代の金融商品の選び方についてもご紹介いたします。
インフレって何?
まずはインフレの確認からしていきましょう。インフレの正式名称は「インフレーション」です。モノの値段が上がることをいいます。
例えば、これまで100円で売られていたリンゴが、120円に値上がりしたとします。お財布に1,000円あったとすると、これまでは10個のリンゴが買えていましたが、値上がり後は8個しか買えなくなります。
手元にある1,000円札は値上げの有無に関わらず変化はないのですが、値段が上がると同じ1,000円札でも買える量が減ってしまいます。
このことからインフレは、実質的にはお金の価値を下げることになります。
デフレって何?
デフレの正式名称は「デフレーション」です。インフレとは逆でモノの値段が下がることをいいます。
インフレと同様のリンゴの例でお話ししますと、これまで100円で売られていたリンゴが80円に値下がりしたとします。1,000円を持っている場合、値下がり後は12個のリンゴを買えるようになります。
デフレは、同じ1,000円札でも買える量が増えますので、実質的にはお金の価値を上げることになります。
モノの値段がどのように推移してきたか確認しよう
モノの値段が過去、どのように変化しているのかを確認してみましょう。
資料:総務省統計局「消費者物価指数(総合)の前年比の推移(1989年~2018年」
グラフは1989年(平成元年)から2018年(平成30年)までの消費者物価指数(総合)が前年に比べてどのように変化しているかを表したものです。消費者物価指数はモノやサービスなどの価格の動きを示す指標です。
グラフの縦軸ゼロ%から上に向いていると前年より物価が上昇したカテゴリー、下を向いていると前年より物価が下がったカテゴリーとなります。
日本は長らくデフレが続いていると言われていますが、このグラフによると、2003年(平成15年)から日本ではデフレの時代に入り、2012年(平成24年)までの約12年間続いていたことになります。
グラフの「デフレ前の時代」の「サービス(水色)」を見てみると、デフレ前の時代には毎年上昇していました。しかしデフレの時代に入ると、水色部分が分かりやすくプラスになるということはほぼない状態になっています。「食料(緑)」もサービスと同じ傾向になっていますね。
2012年(平成24年)12月に第二次安倍内閣が誕生し、アベノミクスがスタートしました。アベノミクスは長らく続くデフレからの脱却を目指した政策です。このグラフを見ると、2013年(平成25年)以降は明らかにデフレの時代とは違って、ゼロ%より上向きになっている項目が増えていますね。特に水色のサービスと緑の食料が分かりやすく上がっています。
アベノミクスでは2%の物価上昇を目標として掲げていていました。2%の目標には到達していませんが、家計管理という視点から、これからもモノの値段は変わらないといった考えは変えていく必要性がでてきているようです。
※この記事は2020年08月12日に公開されたものです