「持ちつ持たれつ」な関係の良い点・気を付けるべき点
「持ちつ持たれつ」の意味は、互いに助け合う関係のこと。そんな関係性に憧れる人もいるのではないでしょうか。今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに、そんな「持ちつ持たれつ」の関係性が持つ良い点や気を付けるべき点について教えてもらいました。
「持ちつ持たれつ」という言葉を聞いたことがありますか?
この言葉は主に、人間関係や企業同士の関係性を表す時に使われる言葉です。
今回は、特に人間関係における「持ちつ持たれつ」という関係性に焦点を当て、その意味や関係性における良い点、気を付けたい点について書いていきたいと思います。
「持ちつ持たれつ」は互いに助け合う関係のこと
まず「持ちつ持たれつ」の言葉の意味は、以下の通りです。
「互いに支援し合い、助けたり助けられたりして互いの地位や関係が続いているさま」(出典:『実用日本語表現辞典』)
同じ意味を持つ言葉としては「ギブアンドテイク」「共存共栄」といった言葉があります。
相手が助けを求めている時に快く手を差し伸べ、逆に自分が助けてほしい時にさっと手を差し伸べてくれる。
そんな存在が仕事やプライベートでいることはとても心強いですよね。
「持ちつ持たれつな関係」の良い点
次に、持ちつ持たれつな関係の良い点について、3つ紹介していきます。
(1)自分だけではないという安心感を得られる
人生は1本の道のようなものです。私たちはどんな状況であっても自分の人生という道を歩んでいかなくてはなりません。
想像してみてください。周りを見渡した時、自分しかいない状況と、そばで一緒に歩いてくれる人がいる状況とでは、どちらが安心して道を歩くことができるでしょうか。
持ちつ持たれつな人の存在は、人生という道を歩いていく中で安心感を与えてくれます。
(2)自分の存在意義を感じられる
アメリカの心理学者であるマズローは、人間の欲求を5段階に分けており、下から「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求(社会的欲求)」「承認の欲求」「自己実現の欲求」と名付けています。
そしてこの欲求は低いものから順に表れて、ある程度満たされると次の欲求に移り、最後の自己実現欲求を満たすことが安定した自己につながるとされています。
「助けを求めている人に手を差し伸べる→その人から感謝される」という中で、4段階目の欲求である承認欲求が満たされることにより、自分の存在意義を感じることにもつながるのです。
(3)余裕が持てる
人に頼ることが苦手な人は、何事も自分だけで全力投球してしまいがちです。
しかし、いつも1人で頑張ることはとても疲れることで、さらに全力投球を続けていけば心身は疲弊していきます。
このような性格の人にとって、持ちつ持たれつの存在がいることは心に余裕を与えてくれます。
「自分だけで極限まで頑張らなくても良いのだ」と思えることで余裕が生まれることはもちろんですが、「相手に何かあった時に助けられる状態でいたい」と考えるようになることで生まれる余裕もあります。