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【前編】平安系絶望こじらせ女子・紫式部に学ぶ! 「職場で波風を立てない処世術」

ヤマイナギ/六識

世界最古の長編小説と言われる『源氏物語』の作者として有名な紫式部。しかし彼女自身のこととなると、「はて、どんな女性だったの?」と意外と知らない人も多いのでは?

紫式部の人となりを垣間見ることのできるのが、彼女の残した『紫式部日記』ですが、「つらい」「苦しい」「将来が不安」「本当に嫌」「あぁ無情」……と、笑ってしまうほどのネガティブワードがずらり。なんと紫式部は、自意識がこんがらがって、こじらせている、“平安系絶望女子”だったんです!

そんな紫式部の日記を、人気イラストレーターの小迎裕美子さんがマンガ化。社交的でなく、ひと目を気にしすぎて空気を読みすぎてしまうゆえに、イライラ・クヨクヨしがちな紫式部が、ネガティブなりにも自分の居場所を見つけていく様は、現代女子も共感必至!

そこで『人生はあはれなり… 紫式部日記』を参考に、紫式部流コミュニケーション術をチェックしましょう。

●女社会では、“バカのフリ”をしていれば嫌われない

『源氏物語』のうわさが時の権力者・藤原道長の耳にも入り、皇后・彰子の女房として宮中に上がることになった紫式部ですが、「あんな場所で働く女なんて下品」と、いやいや出仕。そんな脳内がダダモレだったのか、ただでさえ『源氏物語』の作者ということで警戒心むきだしの同僚たちに、出仕初日に総スカン。耐えきれず、それから5カ月、実家に引きこもりになったのだそう。

とはいえ生活もあるので、「もう何も言わず黙っていよう」と、なんとか再び出仕。すると、ネガティブモード全開の彼女を見たうるさ型の女ボスが「この私を前に引け目を感じているのね」と勘違い。否定するのも面倒くさいから、そのままバカのフリをしてみたところ……。「式部さんってこんなにおっとりした人だったんだぁ」「気取った物語好きですぐに歌を詠んで人を見下す人かと思ってた」と、みんなが手のひら返し。

そこで紫式部は悟るのです。「バカのフリをすることが、この世界での正解だ」と。「知識や能力はひけらかさず、バカこそ私の本性と努力しなければ」と心得えることが、紫式部流の女社会での生きる術だったようです。

●セクハラ上司にもバカのフリで応対

『紫式部日記』によると、“バカのフリ”はセクハラ上司にも有効だったみたい。ある日、藤原道長に「源氏物語の作者のお前は『好きもの』と評判だ。口説かずに見過ごす男はおるまいと思うがどうだ」というような歌を贈られた紫式部。そのときにもバカスイッチ発動。子持ち&いい歳でありながら「まぁ。私には殿方の経験はございませんのにどなたがそんなうわさを?」と返事をして、乗り切ったとか。

女同士のやっかいな人間関係や、男性上司のセクハラ発言は、現代社会でも当たり前。今まさに悩んでいる女子は、紫式部のように“バカなフリ”に徹するのもアリかも!?

後編では「ネガティブでかまわない、自己肯定術」について紹介します。

参考文献:小迎裕美子、紫式部 著/赤間恵都子 監修『人生はあはれなり… 紫式部日記』(KADOKAWA メディアファクトリー刊)

(ヤマイナギ/六識)

※この記事は2015年04月15日に公開されたものです

ヤマイナギ/六識

ウエディング誌、女性情報誌の編集者を経て、現在は制作プロダクション「六識」に所属。「おいしい」「かわいい」「キレイ」が大好物な編集・ライターとして、広告、雑誌、Webを中心に、食、美容、マネー、ファッション、恋愛・結婚など働く女性に向けたライフスタイルを幅広く発信。ケータイ小説の書籍編集も手がける。

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