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憧れの喜望峰へ! ケープ半島をめぐる絶景ドライブ【感性美人になれる世界の女子旅♪】

水野久美(フリーライター)

アフリカ大陸の最西南端に位置する喜望峰。いつかはこの地に立ってみたいと憧れを抱く人も多いのでは? ケープタウンから喜望峰までは約60キロの道のり。ケープ半島の美しい海岸線を南下しながら、野生のアフリカペンギンに出会えるボルダーズビーチも訪問♪ 南アフリカ観光局の頼もしいプロダクトスペシャリスト、エリックさんに案内していただきました!

【大自然と大都会が共存! 世界屈指の美しい港街ケープタウンへ】

■アフリカペンギンに癒される♪ 人気のボルダーズビーチ

ケープタウンから車で約40分。サイモンズタウン近郊にあるボルダーズビーチは世界で唯一、野生のアフリカペンギン(ケープペンギン)を間近で観察できる場所なんです。年間6万人もの観光客が訪れる人気スポットで、白砂の美しい海岸には遊歩道が整備。その柵のすぐそばをペンギンたちがよちよち歩く姿は、なんとも愛らしさ抜群! 波打ち際で水浴びをしたり、パートナーと空をじっと仰いでいたり、穴を掘って子育てをしていたり、ウトウト昼寝をしていたり……。いつまで見ていても飽きない光景です♪

温暖で美しいフォルスベイ(インド洋)に面するボルダーズビーチ。この周辺はのどかな高級住宅街の雰囲気

温暖で美しいフォルスベイ(インド洋)に面するボルダーズビーチ。この周辺はのどかな高級住宅街の雰囲気

アフリカペンギンは世界各地に生息する全18種のペンギンのうち、唯一アフリカで見ることができるぺンギン。フンボルトペンギン属に属し、鳴き声がロバに似ていることからジャッカスペンギンとも呼ばれるとか。つねに身を寄せ合っている仲良しカップルは、浮気はせずに生涯同じパートナーと連れ添うそうです。産卵期は3月~5月で、卵は40日程度で孵化。子育ては夫婦で助け合いながら交代で行うのだそうですよ。

仲睦まじいカップルのペンギンが多数。人間を怖がるようすもなく間近で観察できます♪

仲睦まじいカップルのペンギンが多数。人間を怖がるようすもなく間近で観察できます♪

海岸沿いは瀟洒な住宅が立ち並び、なんと「朝起きたら庭にペンギンがいる」なんてことも多々あるというユニークな環境。これは餌が豊富だったボルダーズビーチで1983年に1組のつがいが巣を作り、コロニーを形成したのが始まりだそう。ところが環境の変化によって餌となる魚が減少するなどで雛の数が激減し、アフリカペンギンは2010年に絶滅危惧種に指定されました。人工の巣箱を設置するなどして、ボルダーズビーチでは現在も雛鳥の保護活動が展開されています。巣箱をそっと覗いてみると卵も確認できましたよ。

絶滅危惧種の繁殖環境を守るため、砂浜には人工の巣箱を設置。真ん中の巣箱にはお昼寝中のペンギンも

絶滅危惧種の繁殖環境を守るため、砂浜には人工の巣箱を設置。真ん中の巣箱にはお昼寝中のペンギンも

入場ゲートの壁には、かつて多くのアフリカペンギンが生息していた頃の写真が掲示されていました。現在のようすと比べてみると、ペンギンの数が減っているのは明らか。仲良しのペンギン夫婦が必死に育てる生命が脅かされることは決してあってはならない、と環境問題についても改めて考えさせられます。

このかわいい生命をつないでいくことができる地球環境を保ちたいですね♪

このかわいい生命をつないでいくことができる地球環境を保ちたいですね♪


■ついに到達! 憧れの喜望峰&ケープポイント

ケープ半島の美しい海岸線を南下し続け、いよいよ喜望峰へ。この岬は1488年、ポルトガルの航海士バーソロミュー・ディアスによって発見されました。インド洋と大西洋のふたつの大海が交わるこの海域が強風で荒れやすく、遭難する船も珍しくなかったことから「嵐の岬」と当時は称されていたそう。1497年にはヴァスコ・ダ・ガマがこの岬を経由してインド航路を開拓したことは有名ですよね。香辛料貿易のルート短縮がポルトガルの希望につながるという願いをこめて、ポルトガル国王が「喜望峰」と命名したといわれます。

記念撮影はこの標識前で。英語とアフリカーンス語で「喜望峰 アフリカ大陸の最南西端」と記されています

記念撮影はこの標識前で。英語とアフリカーンス語で「喜望峰 アフリカ大陸の最南西端」と記されています

喜望峰はアフリカ大陸の最南端と思われがちですが、実際には最南西端です(最南端はここから東南東へ約150キロの地点にあるアグラス岬)。ゴツゴツとした剥き出しの岩肌と激しい波しぶき、そして「ついに来た!」と感極まる喜望峰の標識。人気観光地ではお決まりの土産物店などは一切なく、その何もないところが“果て”の旅情を盛り上げてくれます。そしてこの喜望峰を含めた壮大な眺望を楽しめるのが「ケープポイント」です。

ケープポイントへはケーブルカーを利用。さらに階段を上ると、海抜248m地点に旧灯台が建つ展望台へ

ケープポイントへはケーブルカーを利用。さらに階段を上ると、海抜248m地点に旧灯台が建つ展望台へ

ケープポイントからの眺望は、地球の美しさと力強さを感じさせてくれます。あらためて「地球は丸いんだ」と実感させられる水平線や、大西洋とインド洋のふたつの大海に削られた荒々しい断崖の岩肌、そこへ豪快に打ちつける波の音、潮の香り、刻々とそのようすを変える幻想的な濃霧……。そんな五感に迫る自然のパワーを感じました。

ケープポイントの展望台から望む喜望峰。白く激しい波しぶきは大迫力。周辺は散策路が整備されています

ケープポイントの展望台から望む喜望峰。白く激しい波しぶきは大迫力。周辺は散策路が整備されています

この海域では、1年中を通してイルカやオットセイが泳ぎ、5月~11月にはクジラを観察できるとか。世界遺産にも登録されている自然保護区とあって珍しい草花や鳥類、野生動物も数多く多く生息し、ダチョウやバブーン(ヒヒ)が何食わぬ顔で目の前を歩いていく姿にもびっくり!

ケープポイントからの帰り道に遭遇したダチョウ。シカやシマウマなども生息しているそう

ケープポイントからの帰り道に遭遇したダチョウ。シカやシマウマなども生息しているそう

大西洋とインド洋が出会うドラマチックな喜望峰には、美しさの中に自然の驚異と力強さが感じられる絶景が広がっていました。次回は南アフリカワインの名産地、ワインランドをご紹介します!

ケープタウンから喜望峰へのルートは絶景の連続。写真は人気のビーチリゾートとして知られるミューゼンバーグ

ケープタウンから喜望峰へのルートは絶景の連続。写真は人気のビーチリゾートとして知られるミューゼンバーグ

(水野久美)

※この記事は2015年04月03日に公開されたものです

水野久美(フリーライター)

フリーライター。トラベル系。愛知県出身。編集プロダクションで旅行情報誌の取材撮影、執筆を経てフリーに。バックパッカー女子ひとり旅で世界30ヶ国以上を放浪。現在は、旅関連の書籍やコラム執筆などを手がける。著書に『いつかは行きたいヨーロッパの 世界でいちばん美しいお城』(大和書房)など。●Webサイト(http://kumi.me

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