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どこからでも開けられる「マジックカット」の秘密とは?

「どこからでも切れます」というマジックカット。日常生活の中のいろんな場面で目にします。とても便利なこの技術ですが、どんな秘密があるのでしょうか。マジックカットに関するへぇといったものをご紹介します。

無数の穴が開いている!

マジックカットの構造はシンプルです。0.5ミリの穴を、1ミリ間隔でジグザグに開けています。もし興味があれば、倍率の高いルーペで拡大して見てみましょう。表と裏にそれぞれ開いています。もちろんワサビの小袋などの中身が入っているところには穴は開いていません。

袋を熱や圧力で閉じ、その外側の2ミリ程度の幅にだけ穴を開けています。

マジックカット誕生秘話

マジックカットは旭化成パックスの特許技術ですが、現在ではライセンス契約している数十社によってさまざまな製品に使われています。

マジックカット以外に、従来からある袋を開ける技術としては、単に切れ目(ノッチと呼びます)を入れたものがあります。V字やU字型の切り欠きもノッチです。スナック菓子の端は今もギザギザに作られていますが、これも切れやすくしています。

しかし、これらは時折うまく切れなかったり、老眼で切れ目がわからない場合もあります。マジックカットは、当時の専務が新幹線でおつまみのパックがどうしても切れなかったことから、「指先でどこからでも切れる袋をつくりたい」と開発がスタートしました。

なぜマジックカットで切れるのか~豆知識

マジックカットは小さな穴を無数に開けているだけです。これは、物理学の応力集中を突き詰め、さらに輸送中に切れてしまわないような工夫を重ねた結果生まれた技術です。

ノッチやギザギザによる切れ目も、引き裂きの誘導による現象が起こっています。これは、いったん切れるとそこから切れ目が成長していく、という現象です。この現象を応力集中で解析すると、理論上は無限個の切り欠きがあれば良いということになります。

しかしそれでは現実的でないため、無数の小さな穴にたどり着きました。

マジックカットは今では調味料の小袋からお菓子、詰め替えシャンプーなどにまで使われている技術です。今回ご紹介した雑学は、これからマジックカットに出会ったときに役立つ事実でもあるでしょう。まだまだ開発の進んでいる「袋をどこからでも開けられる技術」から目が離せませんね。

※この記事は2014年12月24日に公開されたものです

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