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「第三のビール」って、どういうこと?「いわゆるホッピー」

ビールのおいしい季節となった。仕事のあとのキーンと冷えた一杯は格別だが、酒税面で考えるとコストパフォーマンス最悪なのはご存じだろうか。多くのお酒はアルコール度数に応じて税金が課されるが、ビールだけは「麦芽量」によっても税率がかわる。

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そこで各メーカーは苦心して開発したのが、麦芽量が少ない/ゼロの「発泡酒」や「第三のビール」だ。

第三のビールは「発泡酒の蒸留酒割り」なので、原理は「ホッピー」と同じだ。「新ジャンル」とも呼ばれているが、アルコール入りで出荷されるか、自分で焼酎割りにするかの違いだけで、大正時代から存在する由緒正しい飲み物なのだ。

■ビール好きは、高額納税者!

発泡酒や第三のビールを含め、ひとことで「ビール」と呼んでしまいがちだが、酒税法第3条第12号によると、ビールと呼べるものは、

・アルコール20%未満

・麦芽使用率が3分の2(67%)以上

と定められ、1,000リットルに対し22万円の酒税がかかる。お酒は、通常アルコール度数に応じた酒税が課されるが、ビールは麦芽量も条件に含まれるのだ。

中ビンサイズ(500ミリリットル)に課される酒税と、標準的なアルコール度数、アルコール1%あたりの酒税を比較すると、

・ビール … 110円 / 5度 / 22円

・清酒 … 60円 / 15度 / 4円

・ウイスキー … 185円 / 37度 / 5円

と、ビールはケタ違いに高い。なかでもウイスキーは、38度を超えた場合は、1度・1リットルにつき10円ずつ上がる明朗会計だが、ビールはアルコール度数が低くても定額で課税されるのだ。

清酒やウイスキーよりも度数が低いため、同じ量を飲んでもなかなか酔えない。しかも1度当たりの酒税は4~5倍も高いので、ビール好きには納得のいかないシステムだ。

そこで各メーカーは、麦芽量を減らすことが低酒税につながることに着目し、麦芽量を減らした「発泡酒」や、麦芽量ゼロまたは「発泡酒」にスピリッツ(蒸留酒)を混ぜた「第三のビール」を開発した。同じく1,000リットルあたりの酒税をみると、

1.発泡酒(麦芽使用率25~50%未満) … 約17.8万円

2.発泡酒(麦芽使用率25%未満) … 約13.4万円

3.第三のビール … 8万円

と、圧倒的に安い。ビールらしい味わいやコク、のどごしも楽しめるので、普段の家飲みに最適と言えるだろう。

■大正時代に生まれた「新ジャンル」?

歴史的にみると、発泡酒は第三のビールより先輩にあたる。2003年の税制改正で発泡酒の税率がアップしたため、各メーカーは、麦芽量ゼロでさらに低価格の第三のビールを開発した。それが「新ジャンル」と呼ばれる理由だ。

新ジャンルと名付けられたものの、原理はむかし懐かしい「ホッピー」と大差がない。大正時代、高級品だったビールの代用品として親しまれたホッピーは、ビールテイストながら、アルコール度数は0.8%ほどなので清涼飲料水として扱われる。

つまり酒税ゼロだ。これを「焼酎割り」で飲むのが基本で、完成形は「第三のビール」以外のなにものでもない。

構造的には、すでにスピリッツで割られ、おしゃれな缶に収まっているか、別々に買って自分好みの濃さで焼酎割りにするかの違いしかないのだ。

■まとめ

・ビール関連の酒税率は、麦芽の量によって変わる

・アルコール1%あたりの酒税は、清酒やウイスキーの4~5倍も高い

・発泡酒や第三のビールは、麦芽量が少ない(またはゼロ)なので税金が安い

・第三のビールのさきがけは、大正時代から存在する「ホッピー」

ビールが高税率の理由は「麦芽」ではなく、飲む人が多いからだ。第三のビールが誕生した経緯からも明白だ。

割高とわかっていても、暑くなるにつれ冷えたビールが恋しくなる。ビヤホールやビヤガーデンに「納税」しにいくのも一興だろう。

(熊田 由紀/ガリレオワークス)

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