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日本産業の原点、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録の見通し

日本初のフランス積のレンガ造りとトラス構造の繰糸場

群馬県富岡市の「富岡製糸場」が、世界遺産に登録の見通しとなった。これで日本の世界遺産は18件目、産業遺産としては石見銀山遺跡とその文化的景観に次いで2例目となる。

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●日本初の官営製糸場

富岡製糸場は日本で最初の官営の製糸場として明治5年に設立。明治政府の殖産興業計画の一環として、生糸の生産が盛んであった同地区に主要設備がおかれた。最盛期の昭和49年には年間370トンの生糸が生産されていたが昭和62年に操業終了、平成18年には国の重要文化財に指定されている。

世界遺産の構成資産は「富岡製糸場」(富岡市)、「田島弥平旧宅」(伊勢崎市)、「高山社跡」(藤岡市)、荒船風穴(下仁田町)の4つ。

主要施設である富岡製糸場の設計者はエドモンド・オーギュスト・バスティアン。敷地面積約5.5ヘクタールで、木の枠組みにレンガを積み上げるという日本と西洋の建築技術を融合させた造りとなっている。繰糸場や、東・西繭倉庫、外国人宿舎、女工館、検査人館、ブリュナ館などの主要建物がほぼ創業当初の状態で良好に保存されている。

田島弥平旧宅は、母屋は2階建て、間口は約25m、奥行きは約9mの古民家。田島弥平とは、「養蚕新論」、「続養蚕新論」を刊行した島村の養蚕業者。その育成法は明治初期には高く評価されていたとのこと。

高山社跡は養蚕施設。高山家住宅、長屋門、桑の地下貯蔵庫跡などから構成される。また、荒船風穴は石積みの風穴の上に、土蔵のような建物を建てた蚕種の貯蔵施設だ。

同施設の世界遺産登録への歩みは、2007年1月に日本の世界遺産暫定リストに記載、2012年にUNESCOの世界遺産センターに正式推薦。2013年世界遺産センターに受理され、2014年4月26日未明に登録勧告された。

今年6月の世界遺産委員会で正式に登録される見通しとなっている。

※この記事は2014年04月26日に公開されたものです

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