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25ドルスマホは買いか?「ハードウェア・スペックは、日本には厳しいかも」

25ドルのスマートフォンが発表された。円高が続く日本円でも3,000円でお釣りがくる驚異的な安さに期待を寄せるひとも多いだろう。

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いま日本に上陸したら「買い」か? もともと新興国向けの製品なので、目の肥えた日本人には物足りない感が強い。搭載されるFirefox OSもまだ成熟期とは呼べないので、しばらくはチャレンジ精神旺盛なひと向けになりそうだ。

新しいものは意外と苦手?

およそ2,500円と驚異的な低価格スマホを打ち出したのは、アメリカにあるMozilla(モジラ)社だ。

Mozillaはweb閲覧に欠かせないブラウザやメールソフトを開発している会社で、FirefoxやThunderbirdと言えば分かりやすいだろう。その技術を駆使しパソコンやスマホに欠かせないOS(オペレーティング・システム)を独自開発した。

日本のスマホは、iOSとAndroidの2種類だけでおよそ97%程度を占める。その他のOSも存在するが、第3のOSと呼ぶほどには根付いていない。そこでMozillaのFirefox OSは25ドルという格安スマホを通じて、普及を図ろうとしているのだ。

Firefox OSは日本で普及するか? 将来的には計り知れないが、現時点ではかなり苦戦するだろう。これはOSではなく、日本人の好みの問題だ。

端的な例はiOS対Androidだ。iOSはアップル社が開発し、アップル社のハードウェアに搭載されるので安心感が高い。対してAndroidは、OSとハードのメーカーが異なるので、両者の力量が問われる。その結果、およその日本と世界のシェア率は、

・iOS … 35% / 18%

・Android … 63% / 78%

と、かなり様子が違う。良い製品が選ばれるのはもちろんのことだが、日本では知名度や責任の所在も重要視されるので、新規参入/フリーのソフトウェアは受け入れられにくい。Firefox OSは現在Ver.1.3で、既存OSと比べればできたてホヤホヤ状態だ。

当然アプリも充実していないから、「今まで通り」使いたいひとにとっては、時期尚早(しょうそう)と言えよう。

この点はメーカーも理解しているようで、日本法人であるMojilla Japanでは「タブレット貢献プログラム」をおこない、Firefox OSのモニター/テストをしてくれるひとにはタブレット端末を提供していた。

大げさに言えば「求む、共同開発者」だ。

3/10に確認したところ、すでに締め切られていたが、今回限りとは言い切れない。新しいOSに興味を持ち、バグつぶしやバージョンアップに加わりたいひとにとっては、かっこうのチャンスになるだろう。

スペックの差は歴然

ハードウェア・スペックはどうか? ガラケー(ガラパゴス・携帯)と呼ばれるほど独自の進化を遂げた日本市場では、過剰なまでのハイ・スペックが好まれるので、少々厳しいだろう。

2014年3月時点での、日本の売れ筋スマートフォンと、Firefox OSスマホを比較すると、

・CPU … 2.2GHz・4コア / 1.2 GHz・2コア

・ディスプレイ解像度 … 19201080 / 320480

・RAM(メモリー) … 2GB / 512MB

・ROM(ストレージ) … 32GB / 4GB

・バッテリー容量 … 3,000mAh / 1,300mAh

と、残念ながら、埋め合わせようがないほどの差がある。初めてスマホを手にするならまだしも、乗り換えユーザーが物足りないと感じるのは確実だ。もとより新興国向け製品だけに、日本では苦戦を強いられるだろう。

まとめ

・25ドルスマホは、新興国向け製品

・ハードウェア・スペックは、日本には厳しいかも

・OSも歴史が浅い

・一緒に開発したいひとには、チャンスあり

繰り返すが、OSやハードウェアの問題ではなく、現在の日本人の嗜好(しこう)にマッチしていない。結果として「今が買い」とは言えないだけだ。

新しいOSだけに、なにが起きても不思議ではない。それもひとつの楽しみと思えるひとには、魅力的な製品と呼べるだろう。

(関口 寿/ガリレオワークス)

※この記事は2014年03月15日に公開されたものです

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