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雑学 生活

ウルトラマンの故郷「M78星雲」ってどこにあるの?「地球がある銀河系から300万光年先という設定。ただし本物も存在」

皆さん、ウルトラマンはご存知ですか?

1960年代にテレビ放送された日本を代表する特撮ヒーローですね。

テーマソングの中で「♪ 光の国から ぼくらのために 来たぞ われらの ウルトラマン」と歌われていましたが、この光の国はいったいどこにあるのでしょうか。

今回は、そんな空想と現実が入り混じったお話です。

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■ ウルトラマンが住む「M78星雲」とは

ウルトラマンの故郷とされているのが「M78星雲」です。設定によると、光の国はこのM78星雲の中にあり、私たちが住んでいる銀河系から300万光年(=光の速さで300万年かかる距離)も離れているそうです。

ただし、これはあくまでも架空のお話。実際には300万光年離れたところに「M78星雲」なんていうものは存在しません。

…なぁんだやっぱり、って思うかもしれませんね。けれども「M78」という名前の星雲は実在します。

■ 実在する「M78」はどこにあるの?

本物のM78は、300万光年よりもはるかに近く、地球から1,600光年の位置にあります。

「散光(さんこう)星雲」の中でも特に「反射星雲」と呼ばれる星雲の1つで、宇宙に漂うガスやちりが近くの恒星の光を反射することで、輝いている雲のように見えることから、そう呼ばれています。あの有名なオリオン座の3つ星のすぐ近くにあり、1780年にフランスの天文学者「ピエール・メシャン」によって発見されました。

8.3等級の明るさしかありませんが、望遠鏡や双眼鏡を使えばぼんやりと雲のようになっている様子を確認することができると思います。

■ M78の”M”ってナニ?

ところで、M78の頭の”M”はいったい何の記号なのでしょうか。

実は、このMとは「メシエ天体」であることを表しています。

メシエとは18世紀に活躍したフランスの天文学者「シャルル・メシエ」のことで、先ほど登場したメシャンの師匠とも言える人物です。

彗星探しに強い興味を持っていた彼が、彗星と間違えやすい厄介な雲のような天体を集めてリストにしたのがメシエ天体の始まりで、このリストのことを「メシエカタログ」と呼んでいます。彼は生涯で13個の彗星を発見したとされていますが、それよりもむしろ邪魔な天体をリストアップしたメシエカタログの方が後世まで残る結果となりました。

このメシエカタログの中には、(彼の死後に追加されたものを入れて)最終的に全部で110個の星雲・星団・銀河などが含まれています。ただし、そのうちのいくつかは間違っているものや現在確認できないものであり、実在するものは107個だとされています。

メシエ天体の中で有名なものとしては、M1の「かに星雲」、M31の「アンドロメダ銀河」、M42の「オリオン大星雲」、M45の「プレアデス星団(すばる)」などがあります。

■ ホントは「M87星雲」になるはずだった!

余談ですが、ウルトラマンの故郷はM78星雲ではなく、本当はM87星雲になるはずでした。それが、脚本を印刷したときに誤ってM78星雲と記述されてしまい、それがそのまま放送された結果、M78星雲として定着したようです。

ちなみに、実際のM78は先ほどもご紹介したとおり、ガスとちりでできた星雲であるため、ウルトラマンが住むには大変そうです。それと比べて、M87は星雲ではなくおとめ座にある巨大な銀河ですから、地球のような惑星もきっとどこかにあり、もっと住みやすかったかもしれません。

その代わり、M87は地球から6,000万光年も離れたところにありますから、僕らのために地球にたどりつくまでが一苦労ですけどね…。

■ まとめ

ウルトラマンの故郷となっている「M78星雲」。300万光年先にあるという設定は架空のものでしたが、1,600光年のところに本物の「M78」という反射星雲がありました。

けれども本当は「M87星雲」がウルトラマンの故郷になるはずでした…。
住みにくそうだけど地球に近いM78と、住みやすそうだけど地球から遠いM87。ウルトラマンにとってはどちらがよかったのでしょうね。

(文/TERA)

●著者プロフィール
小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

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