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キットなしでも家庭でアツアツのポップコーンが作れるのか?

映画館の定番お菓子・ポップコーン。ひと昔前は家庭で作れるキットが販売されていたものの、あまり見かけなくなったのは残念だ。

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キットなしでも家庭でアツアツのポップコーンが作れるのか? スイートコーンを温めればできるのかと思っていたが、はじけるどころか焦げてしまう。100気圧に耐える頑丈な圧力釜を作れば、おいしいポップコーンに欠かせない水蒸気爆発が起こせるが、フタにかかる圧力と減圧時の水蒸気で、命がけのお菓子作りになりそうだ。

■ポップコーンは火山と同じ?

製品名として知られるポップコーンは、実はとうもろこしの品種の名前で、そのままお菓子の名前に転用された。とうもろこしの代表的な品種とおもな用途を挙げると、

・スイート種(甘味種) … 食用

・デント種(馬歯(ばし)種) … コーンスターチ、家畜用飼料

・フリント種(硬粒(こうりゅう)種) … 工業用原料、家畜用飼料

・ワキシー種(もち種) … デンプン、バイオエタノール

・ソフト種(軟粒(なんりゅう)種) … 加工用

・ポップ種(爆裂(ばくれつ)種) … お菓子

で、爆裂などと刺激的な名が付けられたのは、ポップ種を加熱するとはじける性質からだ。

ポップコーンはなぜはじけるのか? 卵も急速にゆでると殻が割れてしまうように、熱によって膨張するのは想像できるが、ポップコーンの内部では、さらに激しい水蒸気爆発が起きているのだ。

水蒸気爆発は火山活動で知られ、水が急激に気化して爆発的に体積が増える現象だ。やかんでお湯をわかしただけでも多量の湯気が出るように、1気圧・100℃の状態で水の体積はおよそ1,700倍も増える。これを利用したのが蒸気機関車で、爆発的に体積が増える水蒸気から巨大な力を得ているのだ。

すごいぞポップコーン!成層圏まで吹き飛ばしてくれっ!

なぜ爆裂種でしか作れないのか?これは硬いデンプンが多いのが理由だ。とうもろこしは概して固い外側と柔らかい内側の二層構造になっている。これはサラダに登場するスイートコーンも同じだが、固い層が薄いため生でもおいしく食べられる。

対してポップコーンは外側の固い部分が厚いため、内側が加熱されても膨らむことができない。加熱し続けるとやがて限界を超え、外側を吹き飛ばすようにはじけるのだ。

■圧力鍋で100気圧!

爆裂種さえ手に入ればフライパンで加熱するだけでOKだが、スイートコーンと異なり入手するだけでひと苦労だ。そこで、どうしてもスイートコーンで作りたい!という人向けに、圧力を使った方法を紹介しよう。固い外側の代わりに高圧をかけ、水蒸気爆発が起きるまで封じ込める作戦だ。

まず用意するのは穀物膨張機と呼ばれる高温・高圧の調理器だ。ポン菓子やドン菓子の名で知られるお菓子を作る機械と言えば分かりやすいだろう。高圧をかけながら加熱し、その後一気に圧力を下げると、米や小麦が「あられ」のように膨らんだお菓子に早変わりする。

穀物によって異なるものの、かける圧力は0.7~1.3MPa(メガ・パスカル)が一般的で、換算すると6.9~12.8気圧と非常に高圧だ。なかでもポップコーンは10MPa(=約98.7気圧)ほど必要なので、なるべく丈夫な機械を用意しよう。

容器内をおよそ100気圧にしてとうもろこしを加熱し、一気に減圧する。ポン/ドンの名が付けられたのも、減圧時に爆発的に排出される空気の音が由来だ。

穀物膨張機は30万~50万円ぐらいが相場なので、ときどき使うには高価過ぎる。圧力釜が流用できないか調べたところ、家庭用は0.2MPa(=約2気圧)程度が一般的なので、圧力が低すぎてポップコーンは作れない。

もし100気圧に耐えられる「自作・ポン菓子圧力鍋」を作るなら、直径30cmのフタには70トン近くの力が加わるので、大砲並みの頑丈さが求められる。さらに減圧時は高温の湯気が一気に噴き出すので、ヤケド注意はおろか、轟(ごう)音でご近所迷惑はなはだしい。

ここまで頑張ればスイートコーンでポップコーンは作れる。ただしお金も労力もかかり過ぎて、究極のスイーツ確定だ。

■まとめ

古典的なお菓子が、意外と奥深いのに感心した。

どうしても自宅でポップコーンを作りたいなら、ベランダ菜園で爆裂種を育てるのが一番の近道のようだ。

(関口 寿/ガリレオワークス)

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