お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

帰国後に「日本が一番」と思う人の心理―「内集団びいき」

海外旅行から帰国した際に誰もが思うのが「やっぱり日本が一番」。これは海外から帰国した人に共通としてあるようです。それでは、海外旅行をしただけで、なぜこのような自国びいきの感情が起きるのか、心理的に分析した結果を以下にご紹介しましょう。

【女子が思う上司にしたくない女子「情報通」「年下に敵意」】

個人と集団との関わり

社会人は、みな集団生活をおくっています。日常生活での集団生活の最小単位が家族であり、それを広げると地域社会となり、さらに町・市・県の単位から国家単位へと大きくなっていきます。私たちが自身のアイデンティティーとして日本という国家を強く意識するのは、オリンピックやワールドカップなどの国家間で競うスポーツ大会などを鑑賞するときです。

そして海外旅行から帰国した際には、普段は気付かなかった日本の現実を外国と比較してあらためてその良さを認識することでしょう。

「内集団びいき」の心理状態

このように、自分の国を他国より上に置く感情を、社会心理学者のターナーは「内集団びいき」として論証しています。例えば、ある目的を共有するグループを人為的に作り出し、そのグループとは対立する目的を持った第2のグループと、あるゲームで競わせる心理学上の実験結果が報告されています。

あくまでも人為的なグループ構成であり、しかも競うのはただのゲームであるにも関わらず、参加者は自分の所属するグループへの帰属意識が異様に高まっていき、ゲームは白熱化を通り越して、相手グループを強く憎悪するようになっていくのです。

グループを統率する際のリスク

この「内集団びいき」が国家間でエスカレートした結果が「戦争」であり、企業間では反社会的手段を講じてでもライバル企業に打ち勝とうとする歪(ゆが)んだ結果として表出することがあるのです。この現象は、企業内のセクション対立として表れることも少なくなく、これが行き過ぎると企業の内部崩壊を招く結果となりかねません。

企業では、部下をグループ分けして互いに競わせる方法を用いることがありますが、グループを統率するリーダーは、この「内集団びいき」の危険性をあらかじめよく理解した上で指導する必要性があるでしょう。

※この記事は2013年12月04日に公開されたものです

SHARE