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コンプレックスは本当にバネになるの?―「なる。自己評価が完璧な人は珍しい」

どんなに美人で仕事が出来る人でも、話をしてみると、意外なコンプレックスを抱えていることがあります。「人に比べて、自分はここが劣っている」と感じることは、人間ならば当たり前のことなのかもしれません。実はそのコンプレックスには、強いパワーが眠っていることをご存知ですか?コンプレックスがバネになる理由を紹介します。

【コンプレックスは強みに! 身長が「高くて」「低くて」ラッキーなこと】

アルフレッド・アドラーのコンプレックス

1870年にオーストリアにて生まれたアルフレッド・アドラーは、後に精神科医となりました。生まれつき体が弱く、様々な疾患を抱えていました。これにより、自分自身に劣等感を感じやすく、それが彼の心理学に大きな影響を与えたと言われています。

アドラーは当初、自身の体験から「身体器官の脆弱(ぜいじゃく)性」がコンプレックスの元となる、という説を打ち出していました。しかしその後、身体器官の問題だけでなく、様々な要素がコンプレックスの元となると、主張を変えています。

この様々な要素とは「容姿の良しあし」や「能力の低さ」「異性関係がうまく結べるかどうか」「学歴の高低差」「収入格差」などが挙げられ、自己評価に関する様々な事柄がコンプレックスの元と言われています。

補償とは

自己評価が完璧な人は珍しいです。ということは、コンプレックスを抱く人間は、決して少なくないということです。アドラーは、コンプレックスから、それを克服しようとする心理が生まれると言っています。

アドラー自身も、身体器官の脆弱(ぜいじゃく)性を努力でカバーし、精神科医として成功しています。アドラーは、「自分が苦手である分野を、努力や気力でカバーしようとする」心理メカニズムを「補償」と名づけました。

体が弱いことがコンプレックスだった子供が、毎日の筋トレを頑張って、スポーツ選手として活躍するようになるのは、まさにこれ。コンプレックスから生まれたバネなのです。

また、補償には「苦手な分野とは全く異なる分野で努力し、才能を開花しようとする」ケースも存在します。体が弱いことがコンプレックスの子供が、「芸術で認められよう」と努力をし、自分の価値観を高めようとする行為です。

これらは、コンプレックスが生み出す「虚無感」や「屈辱感」を克服するために、自然と起きる心理的反応であるとされています。

過剰補償とは

コンプレックスを抱いたときに、多くの人は、自然と「補償」を行います。これによって、コンプレックスの影響は、生活に影響のないレベルまで抑えられるのが通常です。しかし、ときには、補償が過剰状態になってしまうことがあります。

過剰補償とは、自分のコンプレックスを克服するだけでなく、人から認められたい!という欲求を強く持ってしまうことを言います。支配欲や独占欲に取りつかれ、攻撃的な性格になってしまうのです。

積極的にバネにしよう!

過剰補償はやり過ぎですが、コンプレックスと、補償について知ることで、より強力なバネを手に入れることが出来るのではないでしょうか。アドラーの言葉によれば「劣等感は人間が成長していく上で不可欠なもの」なのです。

自分を卑下する必要はありません。自分を前に進めるための、エネルギーなのです。

劣等感を克服しようと頑張るのも大切ですが、それと同じくらい、自分を認めて大切にすることも重要です。劣等感と上手く付き合っていく方法を、自分なりに考えてみませんか?

※この記事は2013年12月03日に公開されたものです

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