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お伊勢参りは今年中に! 「式年遷宮」で盛り上がる伊勢の美味しいトリビア4選

気づけば2013年も残り1カ月と少し。今年、20年に一度の「式年遷宮」を迎えた伊勢神宮は、メディアでも大々的に取り上げられ、かつてない盛り上がりを見せています。10月にはついに参拝者が初の1,000万人を突破。これから年末に向けて、ますます駆け込み参拝する人が増えていきそうです。

「式年遷宮」とは、簡単にいえば「神様の新居への引っ越し」。伊勢神宮は多数の社殿で形成されていますが、式年遷宮では内宮と外宮という2つの正宮の正殿と、14の別宮の全社殿を新たに造り替えて神座を遷す儀式のことをいうそうです。同時に点在する殿舎、装束・神宝、宇治橋などもすべて新しく造り替えられます。第1回の式年遷宮は690年に行われたといいますから、実に1300年以上も続く伝統ある儀式なのです。

この「式年遷宮」と近年のパワースポットブームが相まって、一大ブームとなっている伊勢神宮の参拝ですが、その魅力は霊験あらたかな神社だけではありません。門前町であるおはらい町、おかげ横丁には、美味しそうな伊勢名物がズラリ。

伊勢神宮の参拝が大流行した江戸時代、門前町は大勢の参拝客を迎えるために栄え、たくさんの伊勢名物が生まれたそうです。店先でどれにしようかと目移りしていると、参詣に来たのか食べ歩きに来たのかわからなくなってしまいますが、江戸時代の参拝客も「一生に一度のお伊勢参り」を随分楽しんだようです。参拝からの食べ歩きというコンボも由緒正しいお伊勢さんスタイルのひとつとしておきます。

それでは、伊勢名物トリビアいってみましょう!

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「赤福」で街ができた!

伊勢名物といったら、なんといっても赤福でしょう。やわらかいお餅をさっぱり系のこしあんで包んだ和菓子は、日本を代表する銘菓です。そんな赤福の本社は、2つある正宮のうち内宮の門前町・おはらい町にあります。伊勢に行かれた方はご存じだと思いますが、伊勢神宮を形成する2つの正宮は、バスで15分ほどと案外離れています。

伊勢市駅前にある外宮に比べ、アクセスの悪い内宮は徐々に参拝者の足が遠退き、1970~80年代には年間300万人いた観光客が20万人へと大激減。「赤福」も支店ばかりで売れ、本店は3分の1しか売れない、なんていう寂しい事態に。そこで立ち上がったのが、赤福の先代社長・濱田益嗣さん。街全体の集客アップのため、古民家風の店舗が並ぶ名物街『おかげ横丁』を造る計画を打ち出しました。

事業費として、なんと140億円もの大金を景気良く投入し用地買収と建設に尽力、挙句の果てには、街の景観を損ねるという理由で赤福本社として利用していた自社ビルを壊してしまったというから驚きです。この徹底した執念により、今では観光客も最盛期の300万人に戻っているそうです。

「伊勢うどん」は、ゆで時間がハンパない!

今年9月には『食べるパワースポット「伊勢うどん」全国制覇への道』(石原壮一郎著・扶桑社刊)という本も出版され、いよいよブレイクしそうな伊勢うどん。うどんといえば「腰」といわれる中、腰がなく、やわらかさで勝負してきたこのうどんのゆで時間は、なんと1時間! 名古屋の味噌煮込みうどんだって、こんなにゆでません。

そもそもこの伊勢うどん、押し寄せる参拝客にすぐ提供できるように、細かいゆで時間を気にせずゆで続け、注文に応じて釜揚げできる利便性から生まれたそうです。江戸から片道15日もかかったという長旅で疲れた参拝客に、消化のよいものをお出ししようという真心も込められているのだとか。

やわらかいのにつるりと食感がよく、たまり醤油の甘味がひろがる伊勢うどん。お伊勢参りの際にはぜひ一度ご賞味あれ。

「伊勢海老」のルームメイトは超コワモテ

高級食材として知られる伊勢海老は、昼間は岩礁やサンゴ礁の岩穴などに身を潜め、夜間になると獲物を探します。

そんな伊勢海老の天敵はタコ。タコから逃れるために昼間は岩穴にいるのですが、穴の中ではウツボと共生していることが多いのだとか。そしてウツボの大好物はタコ。そう伊勢海老の天敵です。伊勢海老に誘われて岩穴に近づいたタコは、ウツボにパクリ。敵の敵は味方ということでしょうか…。

「手こね寿司」は働き者のファーストフード

醤油に漬けた鰹(かつお)を酢飯に加え、手で混ぜて調理する「手こね寿司」。この手で混ぜて調理することから手こね寿司の名がありますが、これは鰹漁師が漁の合間に食べたものだそうです。そもそもは大漁を祝うハレの食事に端を発したようです。鰹の群れを探し追い、群れを見つけると一本釣りで短時間に大量に釣りまくる漁師さん。その激務の真っただ中にかきこむ、船上のファーストフードとして定着したのでしょう。ちなみに、いまは陸地でゆっくり味わいながら食べられますのでご安心を!

「一生に一度はお伊勢参り」といわれる伊勢神宮。そこには美味しい名物が目白押しです。せっかく20年に一度の「式年遷宮」ですから、これを機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

(皐月半生/サイドランチ)

※この記事は2013年11月22日に公開されたものです

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