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おでんの季節到来! 煮込み料理の定番「大根」をおいしく仕上げる方法とは?

サーモスは、同社のロングセラー真空保温調理器「シャトルシェフ」を使い、おでんなどの冬の煮込み料理の定番食材・大根に関する「保温調理」特性について実験した。実験期間は2012年11月~2013年1月。

同実験は、調理科学の専門家である佐藤秀美先生と同社の共同研究の第3弾として実施したもの。大根の煮込み料理における「味のしみ込み」や「軟らかさ」に対する保温調理鍋の優位性を検討することを目的に実験している。

Q.大根調理に関する悩みはありますか?

まず、20~60代の520名の主婦を対象に「大根調理に対する悩み」を聞いたところ、「下ゆでが面倒(26.3%)」、「なかなか中まで味がしみない(23.5%)」、「芯が残る(7.9%)」などが多く上げられ、煮込んだときの手間と面倒くささや、煮込み時間の足りなさからくる悩みが多いことが分かった。

大根の煮汁と中心温度の変化を調べたところ、煮汁が沸騰(100℃)した時点での大根温度は46.8℃。煮汁が沸騰して大根の表面温度が100℃になっても中心温度はあまり上がらず、中心温度が100℃に達したのは煮汁が沸騰してから20分経過後だった。

そこで、厚切りの大根を、「弱火でグツグツ煮て、味をしみ込ませる」という一般的な調理法(普通鍋1)、「冷める過程で、味がしみ込む」&「煮て、すぐ食べる」を意識した調理法(普通鍋2)、「高い温度で放置することによって、味をよくしみ込ませる」を意識した保温調理法(保温調理鍋)という3つの工程で加熱処理し、温度、塩分濃度、硬さを比較。

その結果、大根の中心温度が100℃になった時間は、「普通鍋1」が43分、「普通鍋2」が13分、「保温調理鍋」が13分で、「普通鍋1」は大根を100℃で煮ている時間が、ほかの調理方法よりも長いことが分かった。

また、「普通鍋1」の大根中心温度は消化後に低下し始め、1時間32分には80℃を下回ったが、「保温調理鍋」は2時間15分まで80℃以上をキープしたという。

次に、大根の中心部の塩分濃度を測定したところ、「消化後放置」(普通鍋2)と「消火後保温」(保温調理鍋)の方が、「加熱中」(普通鍋1)よりも塩分濃度が高いことが判明。消化後の「普通鍋1」の塩分濃度が高まることや「保温調理鍋」の塩分濃度が高いことから、火を止めた後に味が急激にしみ込み、加熱終了後は、煮汁を高温に保つ(保温する)方が中までしみ込みやすいことが分かった。

最後に、大根の硬さを測定したところ、煮汁温度の高い「普通鍋1」と「保温調理鍋」の大根が軟らかく仕上がっていることが判明。「普通鍋1」と「保温調理鍋」を比較すると、「保温調理鍋」の方が最大値を示した後の波形の高低差が大きく、軟らかさの中に大根特有の食感が残る仕上がりになっていることが分かった。

まとめ

この結果から、「保温調理鍋」は「味のしみこみ」、「軟らかさ」の点で、ほかの調理法に比べ優位性があることが判明。大根を煮込む場合は、中途半端に煮こんでそのまま鍋を火から下ろすよりも、保温したほうが味がよく染み込むことが分かった。

また、中心部まで可食状態にしてから消化し保温すれば、長時間保温しても大根特有の食感が失われず適度な軟らかさに仕上がるとのこと。

※この記事は2013年11月12日に公開されたものです

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