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2020年の東京五輪で変わる風景「選手村は中央区晴海9丁目辺り」

2020年に夏季オリンピック、パラリンピックが東京で開催されることになりました。7年後に向けて、これから急ピッチで施設整備が行われます。東京の景色はどのように変化するのでしょうか。東京都の「立候補シート」を基に調べてみました。

【56年ぶりの東京五輪開催「歓迎」86.7%  「招致活動を評価している」78.5%】

新設施設は22会場!

東京のアピールポイントの一つは、ほとんど全ての競技を東京で行えるコンパクトさでした。といっても、この過密都市の東京に土地が余っているわけではありません。これから新設する施設のために使えるのは、ほぼ埋め立て地です。

「立候補シート 第2巻」では「総数37を予定する競技会場のうち、22会場(59%)が2020年東京大会のために建設予定であり、そのうち11会場が恒久施設の予定である」としています。

●恒久施設が予定される11会場

2020年の東京オリンピック後も残る「恒久施設」11会場は以下のものです。

1.新国立競技場 2019年竣工予定
2.武蔵の森総合スポーツ施設 2016年竣工予定
3.オリンピックアクアティクスセンター
4.有明アリーナ
5.夢の島ユース・プラザ・アリーナA
6.夢の島ユース・プラザ・アリーナB
7.夢の島公園
8.海の森水上競技場
9.若洲オリンピックマリーナ
10.葛西スラロームコース
11.大井ホッケー競技場

ちなみに、1「新国立競技場」と2「武蔵の森総合スポーツ施設」は東京オリンピック開催とは関係なく整備が進められていました。

●仮設予定の11会場

建設されますが、2020年の東京オリンピックが終了したら撤去される予定の11会場は以下のものです。

12.ウォーターポロアリーナ
13.お台場海浜公園
14.有明ベロドローム
15.皇居外苑
16.武蔵野の森公園
17.海の森マウンテンバイクコース
18.有明BMXコ-ス
19.海の森クロスカントリーコース
20.有明体操競技場
21.陸上自衛隊朝霞訓練場
22.潮風公園

以上が建設予定の22会場です。残りの15会場は、既存のものに改修工事を施して使用されます。また改修工事の際に、その建物の寿命を延ばすための補強工事も行われる予定です。

湾岸地区は整備計画がめじろ押し!

さて、会場を建設するための土地はいずれも「100%取得済み」です。東京のどこにそんな土地が余ってるの? と思われるかもしれません。そのほとんどが湾岸地区で、現在は利用されていない、あるいは行政利用されている土地を転用するのです。

湾岸に造成される施設の主なものを見てみましょう。

●選手村
現在、晴海ふ頭公園や晴海運動場のある晴海地区に選手村が建設される予定です。住所でいうと、中央区晴海9丁目辺りですね。

●海の森クロスカントリーコース
選手村から南に下り、第二航路海底トンネルをくぐって到着する、現在は東京都環境局中防合同庁舎がある埋め立て地に建設されます。馬術の競技場になります。

●海の森マウンテンバイクコース
上記のさらに南にある、埋め立て地に建設されます。この埋め立て地は東が「東京ゲートブリッジ」で新木場方面と結ばれています。ここは自転車競技で使用されます。

●海の森 水上競技場
上記二つの埋め立て地の間に、溝のような海のスペースがあります。このちょうどいいスペースに造られます。ボート、カヌー競技がここで行われます。

●オリンピックアクアティクスセンター
●ウォーターポロアリーナ
辰巳JCTの北側の、現在「辰巳の森海浜公園」がある所に建設されます。「オリンピックアクアティクスセンター」では水泳、飛び込み、シンクロナイズド・スイミングが行われます。また「ウォーターポロアリーナ」では、水球が行われます。

●夢の島ユース・プラザ・アリーナA
●夢の島ユース・プラザ・アリーナB
新木場駅の北東側に競技場が造られます。「ユース・プラザ・アリーナA」ではバドミントン、「ユース・プラザ・アリーナB」ではバスケットボールが行われます。

●夢の島公園
同じく新木場の北側にはアーチェリーの競技場が建設されます。

現在は公園などになっている、行政が所有している土地をうまく使って競技場を建設する計画です。2020年に向かって湾岸地区の景色は大きく変化しそうですね。

ちなみに、湾岸にある「東京ビッグサイト」はメディアセンターとして報道関係の基地になります。もし日程がかぶったら、残念ながら2020年はコミケは開催できないのではないでしょうか。

改装計画もぎっしり!

既存の施設も前述のとおり改装、補強工事が行われる予定です。
目玉は何といっても「国立競技場」の建て替えです!

●新国立競技場が誕生!
国立競技場は、近未来的なデザインの新国立競技場に生まれ変わります。現在の約1.5倍の8万人を収容、屋根は開閉式で、観客席は一部可動式になります。ここでは、開会式、閉会式、サッカー、ラグビー、陸上競技で使用されます。

柔道で使用される日本武道館でも、改装工事が施されます。

人の移動をスムーズに! 道路などの整備は!?

世界からたくさんの人がやって来ますから、交通のインフラはとても重要です。「立候補シート」によると以下のような施策が実行される予定です。

●交通渋滞を緩和するための三環状道路等(高速道路)の整備
整備率:2011年度では約5割 → 2020年度では約9割の予定

●改修工事が予定される道路
国道14号線:都市内で拡幅(1.9km/6車線)
国道357号:都市内で立体化(2.3km/8車線)
環状第5の1号線:都市内で拡幅(2.3km/4車線)
環状第6号線:都市内で拡幅(11.0km/4車線)

●改修工事が予定されている地下鉄
都営地下鉄・大江戸線・勝どき駅:駅の拡張(2面2線)

他にも以下のようなものが「立候補シート」に記載されています。

●都市環境の改善を目指した街路樹の重点的な整備、公園や河川との緑のネットワーク化
都内街路樹:2012年度では約70万本 → 2016年度では100万本の予定

●ユニバーサルデザインの導入を展開
都営ノンステップバスの導入:2012年度に1,452台
都営地下鉄にエレーベーター等の設置:2012年度に100%

「選手の87%が選手村から20分以内に競技場へアクセス」というのがスローガンになっています。自動車だと混みそうですので、地下鉄を乗り継いだ方が速いかもしれませんね(笑)。

●リニアは間に合うの!?
JR東海が2014年の着工を目指している「リニア中央新幹線」を東京オリンピックまでに開業できないか? といった話がありますが、少なくとも開催と運営に関してはリニアは必要ありません。なにせ「東京でコンパクトに行うオリンピック」ですので。

しかし、世界中から日本を訪問する観光客の足として、またそれ自体が観光の目玉になることは確かですね。間に合えば面白そうですが、残念なことに2027年の開業(東京-名古屋間)が濃厚なようです。

いかがだったでしょうか。

「この機にカジノもつくるのでは!?」なんて乱暴な議論もあるようですが、さすがにそんなむちゃなことは何も決まっていません。オリンピックのために「空いていそうな土地を全部使う!」といった状態で、カジノ用の土地を空けるのは難しいようです(笑)。

(高橋モータース@dcp)

※この記事は2013年10月29日に公開されたものです

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