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「従順」の意味とは? 使い方や対義語、英語表現も解説

kirara

「従順」という言葉の意味を、きちんと把握できていますか? 場合によってはネガティブな意味で伝わってしまう可能性があるため、使い方には注意が必要です。この記事では、「従順」の意味や使い方に加え、対義語、英語表現を紹介。また、従順な人の特徴も解説します。

「従順な性格」など、「従順」という言葉を見聞きする機会は多いでしょう。

しかし、意味を把握しきれておらず、なんとなく使っている人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、「従順」の意味や使い方、英語表現などを解説します。また、意味の理解を深めるために、「従順」と「柔順」の違い、従順な人の特徴も紹介します。

「従順」の意味と使い方

まずは、「従順」の意味と使い方を確認しましょう。

従順とは「人に逆らわずおとなしい」という意味

「従順」という言葉を辞書で調べると、以下のように記載されています。

じゅう‐じゅん【従順】

[名・形動]性質・態度などがすなおで、人に逆らわないこと。おとなしくて人の言うことをよく聞くこと。また、そのさま。「権力には従順である」「従順な部下」

(『デジタル大辞泉』小学館)

つまり従順とは、人からお願いされたり頼られたりした時に断らず、望む通りにしようとする様子を表します。

「従順」の使い方(例文つき)

「従順」には「素直」というポジティブな意味合いもありますが、「不本意なことでも断れずに受け入れてしまう」というネガティブなニュアンスで使われる場合もあります。

例文

・「彼は従順な性格で、言われた仕事をきちんとこなすので上司から信頼されている」

・「彼女は従順な性格で、周りの意見をよく聞き動くことができる」

・「あなたの従順なところは良いと思うけど、もう少し自己主張する必要もあると思う」

・「あの人は従順だけど、あまり自分の意見を言わないので本音が分からない」

「従順」の対義語

「従順」の対義語には、以下のようなものがあります。

「頑固」

がん‐こ〔グワン‐〕【頑固】
[名・形動]
1 かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと。また、そのさま。「―な職人」「―おやじ」
2 取りついて容易に離れようとしないこと。また、そのさま。「―な汚れ」「―な水虫」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「頑固」は、「自分の態度や考えにこだわり、変えようとしないこと」を意味します。

「頑固な職人」「頑固になる」といったように、他人の意見をあまり受け入れない性格や様子を表す時に使われることがあります。

「強情」

ごう‐じょう〔ガウジヤウ〕【強情/剛情】

[名・形動]意地を張って、なかなか自分の考えを変えないこと。また、そのさま。「―を張る」「―な性格」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「強情」は、「自分の考えを変えない」という意味で、先ほど紹介した「頑固」と似たニュアンスを持っています。

「強情を張る」「強情な性格」など、自分の意思を曲げず意地を張る様子や性格を表す時に使えます。

「頑強(がんきょう)」

がん‐きょう〔グワンキヤウ〕【頑強】
[形動][文][ナリ]
1 自分の態度や考えをかたくなに守って、外からの力に容易に屈しないさま。「―に自説を曲げない」
2 がっしりとして丈夫なさま。「―一点張りの肉体を笠に着て」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「従順」の対義語としては、1の「外圧に負けず自分の考えをかたくなに守ろうとする」の意味が当てはまります。

「頑強に反対する」といったように、他の人に言われても自分の意思を曲げない様子を表す時に使えます。

「従順」と「柔順」の違い

「従順」と同じ読み方をする「柔順」という言葉があります。

「柔順」を辞書で調べると、辞書によって紹介されている意味が若干異なります。

じゅう‐じゅん【柔順】

[名・形動]性質・態度などがすなおでおとなしいこと。また、そのさま。温順。

(『デジタル大辞泉』小学館)

 

じゅう‐じゅん ジウ‥【柔順】

〘名〙 (形動) 性格、態度がおとなしくてすなおなこと。ものやわらかで逆らわないこと。また、そのさま。従順。

(『精選版 日本国語大辞典』小学館)

「素直でおとなしい」という意味は、上記2つの辞書で共通して紹介されています。一方、「逆らわない」という意味は、片方の辞書でしか紹介されていません。

つまり「柔順」とは、主に「素直でおだやか」という意味合いが強い言葉だと考えられます。「従順」より「従う」というニュアンスが弱いといえるでしょう。

「従順」を英語で表すと「obedience」

「従順」を英語で表す時には、「obedience」が使えます。辞書には以下のように記載されています。

obedience

服従、従順、忠順

(出典:『Weblio英和辞典・和英辞典』)

「obedience」には、「従順」の他にも「服従」「忠実」といった意味合いがあり、日本語よりも「従う」というニュアンスが強いといえます。

従順な人の特徴5つ

最後に、従順な人の特徴を紹介します。

(1)自分の意見を言わない

従順な人は、他の人の意見や考えに従う傾向があります。

会議などでは最初から「上司の意向に従おう」などと考えている場合があり、自分の意見を言わないことも少なくないようです。

相手から意見を求められた時は、「私も同じ考えです」という返答をしがちな人もいるでしょう。

(2)自分とは異なる意見も受け入れられる

従順な人は素直な傾向があり、自分とは異なる意見でも受け入れる器があるといえます。

自分の考えに固執しにくいので、対立する意見であっても「確かにこういう考え方もあるな」というように、良い部分を見つけられるのでしょう。

こうしてさまざまな意見を取り入れることができるので、周囲からは「柔軟性がある」と思われているかもしれません。

(3)周りの雰囲気に合わせる

従順な人は、自分の意思と関係なく、周囲に合わせて行動することがあります。

例えば、「飲み会の後はすぐ帰りたいけど、周りがみんな二次会に行こうとしているので自分も行く」など、周りの雰囲気に合わせて意に反する行動をしてしまう場合も。

「和を乱したくないし、周りの意向に従っておいた方が良いかな……」という気持ちがあるのでしょう。

(4)人当たりが良い

従順な人は、他の人の意見を尊重して相手を立てることがよくあるようです。また、素直でおとなしい傾向があり、人と衝突することはあまりないでしょう。

そのため、周囲からは「人当たりが良い」と思われている場合も。

周りに対していつも穏やかな印象を与えるので、困った時に助けを求められることもあるかもしれません。

(5)本当の気持ちが分かりづらい

従順な人は他の人の意見を優先し、自分の意見や考えをあまり表に出さないことも多いようです。

そのため、周りの人から「本心が見えない」と思われる可能性があります。あるいは、「無理して合わせてくれているのではないか」と心配されることも。

もしかしたら、従順な人に対して「本音で話してほしい」「もっと自分の気持ちを伝えてほしい」と思っている人もいるかもしれません。

「従順」の意味を理解して使いこなそう

「従順」には、「素直でおとなしく、逆らわない」という意味があります。

「素直」という意味が含まれるのでポジティブなイメージもありますが、場合によっては「自分の考えを持っていない」というネガティブなニュアンスで伝わることも。

そのため、意味を理解するのはもちろん、場面や文脈によっては「従順」ではなく「素直」「穏やか」と言い換えるなど、使い方を工夫しましょう。

(kirara)

※画像はイメージです

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