【医師監修】生後3ヶ月の便秘! うんちが出なくて受診したほうがいいのはどんなとき?
低月齢の赤ちゃんでうんちが出ず、便秘のような様子が見られたら、少し心配になりますね。大人の便秘対処法をそのまま試すわけにはいかない赤ちゃんの便秘には、どう対応すれば良いのでしょうか? 医療機関を受診したほうが良いかどうかの目安とともに解説します。
便秘とは
「便秘」は、うんちが「長時間出ない」か「出にくい」状態のことです。週に3回より少なかったり、5日以上出ない場合「便秘」となりますが、毎日出ていたとしても、排便時に痛がって泣いたり、肛門が切れて出血するような場合も便秘と考えられます。
赤ちゃんの便秘
より詳しく説明すると、赤ちゃんでは「排便が週2回以下、あるいは硬くて痛みを伴う排便で、かつ下記のうち少なくとも1つがある場合」、「便秘(慢性便秘症)」とみなされます[*1]。
1.1週間に2回以下の排便
2.トイレでの排便を習得した後、少なくとも週に 1 回の便失禁
3.過度の便の貯留の既往
4.痛みを伴う、あるいは硬い便通の既往
5.直腸に大きな便塊の存在
6.トイレが詰まるくらい大きな便の既往
便秘で受診したほうがいいのはどんなとき?
便秘は大人もよくなりますが、赤ちゃんの小さなお腹にうんちが溜まっていくと考えるとちょっと慌ててしまいがち。便秘が心配なとき、受診したほうが良いのはどんな場合でしょうか。
こんな場合は小児科で診てもらおう
下記のような様子が見られたら、小児科を受診しましょう。
・排便が週に3回より少ない
・排便が5日以上ない日が続く
・毎日出ていても、出す時に痛がって泣いたり、肛門が切れて血が出る
・小さいコロコロの便や、軟らかい便が少しずつ、1日に何回も出る
なお、下記のような場合はすぐに受診するようにしてください。
・嘔吐を繰り返す、緑色の嘔吐がみられる
・血便
・お腹が張っている
赤ちゃんの便秘症のケア
ある程度大きくなった子供や大人では、処方された下剤を内服する以外にも、生活習慣を整えたり、できるだけ体を動かしたり、水分補給に努めたりすることで便秘を予防することもできますが、低月齢の赤ちゃんでは難しいですね。
赤ちゃんの便秘症の治療方法はまだあまり確立されていないそうですが、おもに下記のような方法が試されることが多いようです[*2]。その子の状態によって適切な対処法は変わってくるので、主治医に相談したうえで試してみましょう。
1.肛門刺激(綿棒浣腸)
綿棒にワセリンなどを塗り、肛門から1~2cm挿入することで刺激する。肛門を痛めないようにやさしく行う。
2.ヨーグルト
離乳開始後(生後5~6ヶ月以降)の赤ちゃんの場合は、毎日少量のヨーグルトを与えることで便通がよくなる場合がある。
3.糖類下剤
上記の方法を試みても便秘が続く場合には、マルツエキスやラクツロースなどの糖類下剤を試してみる。
4. その他の下剤や浣腸
すべて無効の場合には、医師によりその他の下剤が処方されたり、浣腸を指示されることもある。
必ず医師と相談しながら行う。
まとめ
生後3ヶ月の赤ちゃんの便秘について、そもそもどういった状態が便秘なのかと対処方法を解説しました。排便の回数はもともと個人差が大きいものですが、ここで紹介した程度に回数が少なかったり、排便が辛そうな場合は、たかが便秘と放置するのではなく一度受診して全身の状態を含め診てもらいましょう。
(文:マイナビ子育て編集部)/監修:梁 尚弘先生)
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※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます