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2021年01月28日 14:22 更新

【助産師解説】綿棒浣腸のタイミングと方法、便秘の見極め方と繰り返さない対策

育児の大きな悩みのひとつ、赤ちゃんの便秘対策として綿棒浣腸の方法とタイミングを助産師が解説します。何日うんちが出なければ便秘なのでしょうか?見極め方と繰り返さないための対策についてもお伝えしています。

これって便秘?赤ちゃんの便秘の見極め方

赤ちゃんの便秘には綿棒浣腸が有効
Lazy dummy

どれぐらいうんちが出なければ便秘なのでしょうか? 綿棒浣腸のタイミングを見極めるためにも、まずは具体的な便秘の症状と疑われる兆候について見てきましょう。

便秘ってどんな状態?

便秘は、便が長い時間でない、もしくは出にくいことを指します。

うんちの習慣は個人によって差がありますが、3日も出ていない(週に3回未満)、または5日以上出ないといった状態で便秘であると考えます。そうなるとお腹も張るので、食欲低下(母乳やミルクの飲みが悪い)につながると考えられます。1日1回はお通じがあるかを確認して、丸一日出ていなかったら、綿棒で刺激(綿棒浣腸/こより浣腸)をしてみてください。

便秘が疑われる兆候5つ

便秘が疑われる主な兆候には、以下の5つがあげられます。常に赤ちゃんの状態をチェックし、綿棒浣腸などの便秘対策や、受診の目安の参考としてください。

・1日に1回もうんちが出ておらず、お腹が張っている。
・母乳やミルクの飲みっぷりが悪い。または吐き戻しが多い。(離乳食が進んでいる頃なら)食欲がない。
・おならばかり出てうんちが出ない。
・うんちをするとき苦しそうにいきむ。
・固いうんちが出る。

綿棒浣腸の方法とタイミング

便秘が疑われる様子が見られるときは、まずは家庭でできる対策を試してみましょう。そのひとつとして、綿棒浣腸の方法とタイミングをお伝えします。

綿棒浣腸を行うタイミングは?

綿棒浣腸は、腸の動きが活発になる授乳後30分くらいのタイミングで行うと、より効果的です。一度で出ないときは、朝・昼・晩と毎食後に行ってみてください。いずれも、できるだけ食後30分のタイミングで行いましょう。

綿棒浣腸の方法と手順

それでは、綿棒浣腸の具体的な方法と手順について見ていきましょう。

<用意するもの>

・普通サイズの綿棒
(ベビー用綿棒はNG。細すぎて奥まで入れ過ぎてしまう恐れがあります)
・ベビーオイル、オリーブオイル、ワセリンなどの潤滑油
・ビニール袋や新聞紙(必要によって)

<方法と手順>

綿棒浣腸

1. 赤ちゃんを仰向けに寝かせてオムツをはずします。このとき、汚れる心配があるときはオムツの下にビニール袋や新聞紙を敷きましょう。
2. 綿棒の先端の綿の部分にオイルやワセリンを塗ります。
3. 片手で赤ちゃんの両足を持ち上げ、肛門がよく見えるようにします。
4. 綿棒を肛門に当てて、円を描くように回しながらオイルを塗った部分(綿の部分がしっかり入るくらい)までゆっくり差し込みます。
5. 肛門の内側の壁をこするようにゆっくり時計回りに数回、綿棒を回します。
6. 綿棒を抜き、おむつを付けて、お腹に「“の”の字マッサージ」をして待ちます。

出ないときは、次の食後に再チャレンジしてみましょう。

綿棒浣腸だけじゃない!家庭でできる便秘対策

綿棒浣腸以外にも、家庭でためせる便秘対策があります。特に、便秘を繰り返さないためには、普段からスムーズな排便を促す工夫をすることが大切です。綿棒浣腸とあわせて、予防・緩和をサポートする方法を試みてください。

お腹・肛門のマッサージ

まずは、便秘の予防と解消効果が期待できるマッサージをいくつかご紹介します。

<「の」の字マッサージ>

のの字マッサージ

赤ちゃんの下腹部に手のひらをあてて、「の」の字を描くようにやさしくゆっくりとさすります。「の」の字はちょうど大腸の通り道に沿った形なので、やさしく動かしてあげることで便が出やすくなります。左足の付け根の部分を念入りにマッサージしてあげると、出口に詰まったうんちが出やすくなります。

<ゆらゆらマッサージ>

お腹がガスで張っているときに効果的なマッサージです。
赤ちゃんのお腹を包み込むように両わき腹に手をあてます。5~10回、左右にやさしくゆらしてあげましょう。

<ペダルこぎマッサージ>

腸全体を刺激するマッサージです。
赤ちゃんの両ひざからふくらはぎにかけてを持ち、ペダルをこぐ要領で足を交互に動かします。足を曲げるときは、膝をお腹につけるよう意識してみましょう。決して無理に動かそうとせず、赤ちゃんがいやがらない程度にやさしく行ってください。

こまめな水分補給

便秘を予防・解消するには、定期的な授乳とともに、お昼寝後やお風呂上りなど、のどが渇くタイミングでしっかり水分を与えることも重要です。まずは、月齢に応じた量の母乳やミルクをしっかり与えましょう。

まとめ

赤ちゃんが便秘かどうかは、どのくらい出ていないかとともに、赤ちゃんの機嫌や飲みっぷり、お腹の張り具合などでその可能性を確かめることがポイントです。便秘の疑いがあるときは、綿棒浣腸など家庭でできる対策をまず試してみましょう。。何をためしても解消されないときは、かかりつけの小児科を受診し、便秘の改善とともに今後の予防策についてもアドバイスを受けてください。便秘は、解消することよりも繰り返さないよう対策することがもっとも重要です。普段からスムーズな排便をサポートする生活を心がけましょう。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:佐藤裕子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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