【医師監修】新生児のお腹がパンパンに!主な原因と対処法

【医師監修】新生児のお腹がパンパンに!主な原因と対処法

新生児、生まれたばかりの赤ちゃんのお腹がパンパンに張るのはなぜ? 新生児のお腹が張っている場合に考えられる主な原因と、適切な対応についてまとめました。


新生児のお腹がパンパンに張るときの考えられる原因は?

Lazy dummy

離乳食を始めるなどして便秘になりやすい時期になると、赤ちゃんのお腹が張ることも珍しくなくなりますが、まだ生まれたての新生児期にお腹がパンパンなのを見て、心配になる親御さんもいます。まずは「新生児期にお腹が張る主な原因」について見ていきましょう。

便秘やガスだまりの可能性

その「お腹がパンパン」は、便秘やガスだまりの可能性があります。

新生児というと、下痢と間違うような泥のようなうんちで回数も多く、便秘とは無縁に思えるかもしれませんが、新生児期に便秘になることも珍しいことではないのです。

通常、下痢や便秘などを考える際、排便回数の変化が判断材料になったりしますが、この時期の赤ちゃんは、新生児期~生後1ヶ月~生後2ヶ月……と成長とともに消化器官も発達し、便秘でなくとも便の回数は減っていきます。

赤ちゃんのお腹がパンパンになり、「便秘かな?」と思ったら、以下のような点にも注目してみましょう。

・うんちのときに激しく泣く・不機嫌になる
・ミルクや母乳の飲みがよくない
・ミルクや母乳を吐きやすい


また、便秘になると腸におならが溜まりやすく、いわゆる「ガスだまり」になりやすくなります。
便秘やガスだまりが疑われるときは、一度かかりつけの小児科医に診てもらうことをおすすめします。きちんと診断してもらい、病気の疑いがないことがわかると、とりあえずは安心ですよね。便秘やガスだまりは家での対応である程度は予防・解消ができるので、専門家にアドバイスを受けて繰り返さないよう対策することも大切です。

腸回転異常症などの疾患の可能性

生まれて間もない赤ちゃんでお腹がパンパンに張っているときは、病気の可能性も考えられます。

・腸閉鎖、腸閉塞(腸回転異常症に伴う中腸軸捻転など)

これらの病気は腸の先天的な病気で手術が必要になる外科的な病気です。
お腹の張りに加え、胆汁性嘔吐(吐いたものが黄色い)、血便などが見られたら、急いで小児科を受診する必要があります。

・胃軸捻転症

多く見られるものに、胃軸捻転症(いじくねんてんしょう)があります。
胃軸捻転症とは、胃がねじれてしまうことでお腹の張り(膨満感)や腹痛、嘔吐などの症状が出る疾患です。あまり注目されていない疾患ではありますが、新生児期や乳児早期には珍しくない疾患で、実は新生児のお腹の張りや嘔吐でもっとも多い原因でもあります。

胃軸捻転症が疑われる主な症状には、以下のようなものがあります。

・お腹がパンパンに張っている。
・母乳やミルクを飲みたがらない
・機嫌が悪く一日中泣いている。
・母乳やミルクを吐く。

仰向けに寝ると胃のねじれが増すので、寝かせると機嫌が悪くなったり泣きやまないことが多いです。抱くとねじれが戻って泣きやむため、抱っこしていないと機嫌がよくならないというケースがよく見られるようです。また、胃軸捻転症になるとげっぷとして上から空気を出しにくくなるので、その代わりにおならをよくするようになります。なんとかげっぷを出そうとして、母乳やミルクを吐いてしまうこともあります。

乳児期にみられる胃軸捻転症は慢性型で、成長して歩行を始める頃になると自然に治ることが多く、医師による診断の上、授乳方法や体勢などへの対策を行いつつ経過観察することとなります。

・肛門狭窄症

肛門狭窄症(こうもんきょうさくしょう)でお腹が張る場合もあります。さまざまな原因で肛門が狭くなってしまい、便が細くなったり便意はあるのになかなか出せないという症状が見られます。

肛門狭窄が原因で便秘やお腹の張りが見られている場合は、小児科や小児外科で肛門拡張術(手袋をした指で広げる)をすることがあります。便が出にくい、便秘になることが多いという場合は、一度肛門狭窄の検査も受けてみるといいでしょう。

これらのほか、お腹が張る症状がみられる疾患として、まれではありますがヒルシュスプルング病があります。単なるお腹の張りと放置せず、まずは医師に相談することが大切です。

ガスでお腹がパンパンに張るときの対処法

お腹がパンパンに張るとき、まずはお腹がなぜ張っているかの原因を突き止める必要があるので、便秘やガスだまりによるお腹の張りが疑われるときでも、一度小児科を受診しましょう。
今回は、ガスだまりが原因である場合の家庭でできる対処法をお伝えします。

ガスだまりには「のの字」マッサージ

ガスがたまっていることでお腹が張っている場合は、お腹のマッサージや足の体操が効果的です。まだ腹筋が十分に発達していない赤ちゃんの時期はうまくおならを出せず、ガスがたまりやすくなります。そのため、外からマッサージしたり、下肢を動かして腹圧をかけてあげると、腸が刺激されてガスが出やすくなります。

具体的な方法を見ていきましょう。

<ガスを出しやすくするマッサージ方法>
指先でひらがなの「の」の字を書くように、赤ちゃんのお腹を軽くさすってあげましょう。決して力は入れず、なでるように行ってください。

赤ちゃん全身図

<ガスを出しやすくする足の体操>
寝かせた赤ちゃんの足元側に座り、足首を持ってやさしく膝を曲げ伸ばししてみましょう。力を入れすぎたり、無理に伸ばしたりしないでくださいね。

仰向け赤ちゃん

マッサージや体操は、授乳後を避け、オムツ替えの際やお風呂あがりなど、赤ちゃんの機嫌がいいときに行いましょう。定期的に行うと、便秘やガスだまりの解消や予防が期待できます。

まとめ

新生児期や乳児早期に赤ちゃんのお腹がパンパンに張っているときは、便秘やガスだまり、胃軸捻転などの可能性が考えられます。ただし、まれに緊急の治療や処置が必要となる病気が潜んでいる可能性もあるので、お腹の張りが気になるときは一度小児科を受診しましょう。とくに黄色い嘔吐や血便が見られたら、緊急受診が必要です。
ただガスがたまっているだけという場合でも、状態に合わせた対応策のアドバイスをもらえるので、かかりつけの医師に相談して上手に対処してくださいね。

この記事の監修ドクター
大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウイメンズホスピタル小児科勤務。小児科専門医

(文:マイナビウーマン子育て編集部、イラスト:杉井亜希、監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

畑江芳郎ほか「STEP小児科」(海馬書房)p.296-7

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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