【医師監修】 産後の尿もれは治る? 原因と対処、予防・改善のトレーニング方法

【医師監修】 産後の尿もれは治る? 原因と対処、予防・改善のトレーニング方法

産後、ふとした瞬間に「あっ、出ちゃった!?」という感じで尿漏れすること、ありませんか? 妊娠中の尿漏れは聞いたことあるけど、産後も?と思う人もいるかもしれませんね。デリケートゾーンに関することなので、なかなか人に相談しづらいですが、実は「産後の尿漏れ」を経験する人は少なくありません。原因と対策を知っておきましょう。


産後の尿もれの特徴は?

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意外と多い、といわれる産後の尿漏れ。実際にはどのくらいの人が経験しているのでしょうか。

産後の尿漏れを経験する人は約4割!

冒頭にあるように、「あっ」という感覚を伴って尿漏れが起こるのは、産後8週までのママのうち38%が経験しているといいます。また、その後も23%ほどのママが、赤ちゃんが2歳になるころまで尿漏れを感じています。

なお、初産のママよりも2人目、3人目ママのほうが、尿漏れが起こりやすい傾向にあります[*1]。

産後の尿もれはなぜ起こる?

産後の尿漏れはどうして起こるのでしょうか。ほかの尿漏れと違う、産後ならではの尿漏れの特徴を知っておきましょう。

出産時に骨盤底筋群がゆるむことが原因

産後の尿漏れは、出産をきっかけに骨盤底筋群がゆるむことで起こります。骨盤底筋群は、両足の付け根の間にある細かい筋肉の集合体です。

分娩中に、いきむことによって骨盤底筋群に強く圧力がかかり、筋肉がゆるんで、弱くなってしまいます。すると、通常、排尿していないときはしっかりと閉じているはずの尿道を締めることができないようになり、咳やくしゃみ、体を動かした拍子などで腹圧が上がったときに、その圧力で尿がもれるようになってしまうのです。

ただ、出産時にいきむことのない帝王切開の場合でも、回数を重ねるとともに産後に尿漏れが起こる割合は増えたという研究もあります。こうしたことから、妊娠に伴う妊婦さんの体の変化そのものが産後の尿漏れの原因となっているともいわれます。

骨盤底筋のイメージ
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骨盤底筋のイメージ

いつごろまで続くの?

産後の尿もれの多くは一過性で、産後3~4ヶ月たって骨盤底筋群が回復してくれば自然に治るものです。ただ、この時期を過ぎても尿漏れが続く場合は、その後も数年にわたって症状が続く場合もあると言われています。

産後の尿もれ、応急手当をするには?

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産後の尿漏れは、時間の経過とともに治る場合が多いとはいえ、やはり不快な症状であることには変わりません。快適に過ごすための対策や予防法をご紹介します。

気になる間は専用パッドを当てる

専用の尿漏れ用パッドを当ててみましょう。自然に骨盤底筋群が回復していくのを待つ間、できるだけ快適な状態で過ごすための応急処置としても手軽な方法です。

ドラッグストアなどにも、軽い尿漏れ対策用のパッドは種類も豊富にそろっています。ネットなどから購入できる布ナプキンタイプの尿漏れパッドもあります。紙タイプでも布でも、汚れたらこまめに取り換えることが大切です。

また、骨盤底筋群にできるだけ負担をかけないために、トイレにはこまめに行くことも必要です。

産後の尿もれを予防・改善する方法

尿漏れしてしまったときの応急処置としてはパッドを当てることが有効ですが、根本対策にはなりません。できれば、妊娠中から少しずつトレーニングをして骨盤底筋群を強化しておきましょう。

そして、産後も出産から少し時間が経ったら、同様にトレーニングを行って、骨盤底筋の回復を助けましょう。 トレーニングというとジムに通うような筋トレをイメージするかもしれませんが、骨盤底筋群を強化する方法は、日常生活を送りながらできることです。

妊娠中と産後、骨盤底筋トレーニングを行う

骨盤底筋群のトレーニングは「ケーゲル体操」といわれ、ポピュラーで簡単な方法です。これは妊娠中にも行うことができます。産後に始める場合は、1ヶ月健診で異常がないことを確認してからにしましょう。

「ケーゲル体操」のやり方[*2]

【1】まず骨盤底筋群の場所を意識します。尿道口、腟口の周りです。次に、「排尿を途中で止める」イメージで、骨盤底筋群のあたりにきゅっと力を入れて筋肉を収縮させます。
【2】収縮させたらそのまま5~10秒間ほどキープします。そのあと力を抜いて5~10秒間リラックスします。

この締めて・緩める動きを10回繰り返すのを1セットとして、1日に3セット以上行います。一度にまとめて3セット行うよりも、朝昼晩など分散させて、気づいたときにやるのが良いでしょう。

慣れないうちは、静止してどこに力を入れるか意識を集中させたほうがやりやすいですが、慣れてきたら、テレビを見ながら、食器を洗いながら、いつでもどこでもできるようになります。

ただ、いつでもどこでも、と思うと忘れてしまうので、朝起きたときに布団の中で、昼食後のリラックスタイムに、寝る前横たわったときに、など自分でルールを決めてもいいですね。

フランス発「ガスケアプローチ」という方法も

もうひとつ、姿勢と呼吸法で骨盤底筋群に働きかける方法として「ガスケアプローチ」があります。これはフランスのガスケ医師が医療とヨガなどの考え方を統合して開発したメソッドで、骨盤底筋群を保護することで尿失禁や子宮脱などの予防を目指す方法です。

いわゆる猫背になると、おなかが圧迫された形になり、内臓が下に押されて骨盤底筋群にも負担がかかります。ガスケアプローチでは、背骨を十分に伸ばして、骨盤と肩の距離を最大限遠ざけ、腹式呼吸を行います。こうすることで腹腔が正常なスペースを確保できるようになり、骨盤底筋群に余計な負荷がかからない状態となります。ふだんからこの姿勢を意識してキープします。

ガスケアプローチは正しい姿勢をとることで、尿漏れを予防できる方法となるわけです。日本ガスケアプローチ協会では、産後の女性向けにもエクササイズの講習会を開いています。詳しいやり方が気になる人は同会HPで確認してみましょう。

一般社団法人日本ガスケアプローチ協会 http://www.gasquet-japon.com/

まとめ

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産後は妊娠・出産による体のダメージにより尿もれが起こりやすいもの。「おばあちゃんではあるまいし、まさか自分が?」と驚くかもしれませんが、珍しいことではありません。多くは時間がたてば解決しますが、できれば妊娠中から骨盤底筋群を鍛えておき、できるだけ尿もれを起こさないような体づくりをしておくことがよさそうです。産後、尿もれが起こってしまった場合もケーゲル体操やガスケアプローチなど、できることからトライしてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修ドクター
窪 麻由美先生
Fika Ladies‘ Clinic フィーカレディースクリニック(東京都中央区日本橋)副院長。順天堂大学医学部附属浦安病院非常勤助教。東京女子医科大学卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、順天堂大学医学部附属静岡病院などを経て、2009年に順天堂大学大学院医学研究科を卒業、博士号を取得。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医、女性のヘルスケアアドバイザー

(文:関川香織/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]女性尿失禁診療ガイドライン>III 尿失禁診療ガイドライン>女性尿失禁診療ガイドライン>2. 腹圧性尿失禁の治療(5) 産褥期の尿失禁
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0015/G0000039/0088
[*2]Kegel exercises: A how-to guide for women - Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/womens-health/in-depth/kegel-exercises/art-20045283
・病気が見える vol.9 婦人科・乳腺外科 腹圧性尿失禁の病態113p
・尿が漏れる・尿失禁がある | 日本泌尿器科学会
https://www.urol.or.jp/public/symptom/04.html
・日本助産学会誌 J. Jpn. Acad. Midwif., Vol. 27, No. 1, 29-39, 2013産後尿失禁の有症率と分娩時要因の関連性の検討 —自然分娩と医療介入のある分娩との比較—
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjam/27/1/27_29/_pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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