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2022年09月12日 12:40 更新

紅茶に含まれるカフェイン量は?コーヒーより多い?1日の紅茶の目安量【管理栄養士監修】

ティーバッグなどで手軽に楽しめる紅茶。毎日飲むという人も多いかと思いますが、カフェインの影響も気になりますよね。紅茶のカフェイン量はどのくらいか、1日どのくらいまでなら飲んでもいいのかなどの疑問に管理栄養士がお答えします。妊娠中の女性や赤ちゃんは飲んでもいいのかも併せてお伝えするので、ご家族で参考にしてくださいね。

紅茶にカフェインは含まれる?

紅茶 ポット

紅茶のカフェイン量はどのくらいなのでしょうか。また、紅茶とはどのようなものなのか、その種類による差などについても見ていきましょう。

紅茶はチャの葉を発酵させたもの

紅茶はツバキ科の植物である「チャノキ」(学名:カメリア・シネンシス)の葉を乾燥・発酵させたものです。ダージリン、アッサムなどの種類は茶葉の産地によるものです。烏龍茶や緑茶も同じチャノキの葉で作られますが、製造工程が異なることでそれぞれ違った風味を楽しむことができます。

紅茶のカフェイン含有量

紅茶100ml(浸出液)あたりのカフェイン含有量は30mgとなります [*1] 。これは、茶葉5gを熱湯360mlに1.5分〜4分浸したときの値です。茶葉も1種類ではなく、複数の産地のものを使用して算出されています。実際に飲むときには、茶葉の産地や量、浸出時間によってカフェイン含有量は変化するため、あくまで1つの目安として考えるようにしましょう。

なお、タンニンも100mg含まれます。

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ちなみに、カフェインというとコーヒーのイメージが強いですが、紅茶のカフェイン量はコーヒーと比べると半分くらいです。

カフェインにはどんなリスクがある?

カフェインは摂り過ぎるとからだに良くないイメージがあるかと思いますが、実際にどんなリスクがあるのでしょうか? カフェイン量から考える紅茶の適量も見ていきましょう。

過剰摂取によるリスク

カフェインを過剰に摂取することで、めまいや動悸、興奮や不安、不眠などの症状や、消化器官への刺激による下痢や吐き気などの症状が出ることがあります[*2]。眠気覚ましなどのためにカフェインを摂取することもあるかと思いますが、過剰摂取にはリスクがあることを知っておきましょう。

紅茶は1日どのくらい飲んでもよい?

紅茶 浸出

アメリカの食品医薬品局(FDA)は、健康な成人の場合、1日に摂るカフェインの量が400mg程度であれば問題ないとしています[*2]。

紅茶に含まれるカフェイン量は30mg/100mlなので、カフェイン400mgとは約1.3リットルに該当します。水分補給がすべて紅茶の場合には、カフェインを多く摂ってしまう可能性があるでしょう。もっとも、あくまでも目安の値なので、紅茶を1.3リットル以上飲んだからといって必ず健康障害が現われるというわけではありません。

ただし、紅茶以外のカフェインを含む飲食物の摂取状況も関係してきます。コーヒーや緑茶、エナジードリンク、チョコレートなどのほか、カフェインを配合した鎮痛薬や風邪薬もあります。紅茶以外からもカフェインを摂取する可能性を考え、紅茶を主な水分補給源とするのではなく、1日数杯を息抜きとして楽しむ飲み方がよいでしょう。

紅茶以外にカフェインを含む飲み物

コーヒー

紅茶の他にカフェインを含む飲み物としては、以下のようなものがあります。

<おもな飲料のカフェイン量(100mlあたり※)>[*1,2]
飲料名 カフェイン量
コーヒー 60mg
インスタントコーヒー 80mg
*顆粒2g(スプーン1~2杯)あたり
せん茶 20mg
ほうじ茶 20mg
玉露 160mg
抹茶 48mg
*1.5g(茶さじに軽く1杯)あたり
烏龍茶 20mg
エナジードリンク 32~300mg
(製品により異なる)
※インスタントコーヒー、抹茶は除く

コーヒー:コーヒー粉末10gを熱湯150mlで浸出
せん茶:茶葉10gを90℃のお湯430mlで1分浸出
ほうじ茶:茶葉15gを90℃のお湯650mlで0.5分浸出
玉露:茶葉10gを60℃のお湯60mlで2.5分浸出
烏龍茶:茶葉15gを90℃のお湯650mlで0.5分浸出

※各飲料の浸出方法を詳しく見る

茶葉やコーヒー豆からできているものはいずれもカフェインを含みます。ただし、カフェインの量は茶葉や豆の種類、お湯の温度や浸す時間などの条件によって異なります。濃いめに淹れた場合はこの数字より多くなると考えられるので、覚えておきましょう。

なお、エナジードリンク類は特にカフェインが多く含まれる傾向があるので、過剰摂取にはより注意が必要です。

その他の飲み物のカフェインについて詳しくはこちら!

妊婦や子どもは紅茶を飲んでもよい?

妊婦 飲み物 カフェイン

妊娠中は食べるものに注意が必要ですが、カフェインの摂取についても、妊娠していないときより摂取する量に気を付けた方がよいでしょう。妊婦さんがカフェインをたくさん摂った場合のリスクと1日の目安量をお伝えします。

妊娠中のカフェインのリスク

世界保健機関(WHO)は、1日300mg以上の高カフェイン摂取をした妊婦では、出生時の低体重や流産、死産のリスクが高まる可能性があるとしています[*2]。

このようなリスクを知ると、カフェインを摂取するのが怖くなってしまうかもしれませんが、これは300mg/日以上摂取すると必ず低体重や流産が起こるというわけではなく、300mg/日以上を毎日摂ったときにリスクが上がるということです。したがって過剰に心配せず、もし、たくさん飲んだ場合は次から控えるようにするといいでしょう。

なお、授乳中も同様です。カフェインが母乳中に移行することから、妊娠中と同じようにカフェインの摂り過ぎに注意しましょう。

妊婦中も紅茶は適度に飲んでOK!

妊婦さんでも紅茶を適度に飲むことは問題ありません。1日に数杯ほどがよいでしょう。

カフェイン300mgは紅茶1リットルほどに相当しますが、紅茶の淹れ方によってカフェインの量は変化するので、1リットルの紅茶を毎日水の代わりに飲むようなことは避けましょう。

また、カフェインレスの紅茶を活用するのもおすすめです。カフェインレスとはカフェインを90%以上除去した状態のことをいいます[*3]。紅茶の風味はそのままにカフェイン量が低減されているため、普段から紅茶をよく飲む場合には、カフェインレスのもので楽しんではいかがでしょうか。ただし、まったくカフェインを含まないわけではないため、カフェインレスであっても飲み過ぎには注意してくださいね。

妊娠中の飲み物についてはこちらもチェック!

子どもが紅茶を飲むのは?

子どもの場合はどう考えたらよいのでしょうか? 欧州食品安全機関(EFSA)では1日に体重1kgあたり3mg、カナダでは2.5mgを推奨摂取量としています[*2]。これは、たとえば体重20kgのお子さんの場合、1日あたり50~60mgのカフェイン量、紅茶なら170~200mlです。

子どもは大人よりも量を控えるようにし、毎日たくさん飲むことは避けた方が安心でしょう。飲み過ぎてしまったと感じたときは、大人と同様に次からはカフェインの少ないものや、含まないものを飲むようにするといいでしょう。

赤ちゃんの場合

赤ちゃんの水分補給は母乳やミルクが基本です。紅茶は比較的カフェインを多く含むため、カフェインの感受性が高い赤ちゃんに飲ませるのは控えた方が良いでしょう。「飲んでしまった!」という場合に、実際に問題になることはほとんどありませんが、毎日飲むことは避けましょう。

まとめ

紅茶はそれなりにカフェインを含む飲料です。風味を好んで常飲する人もいるかもしれませんが、他の飲み物や食べ物でカフェインを摂取する場合を考慮すると、水と同じ感覚でたくさん飲むことは避けるべきと言えそうです。適度に楽しみましょう。

(文:奥野由 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、管理栄養士の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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