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2022年11月29日 12:55 更新

ベラドンナの花言葉|魔女の花の異名を持つベラドンナ、名前の由来や特徴を解説

魔女やギリシャ神話が関係しているベラドンナは、あまり馴染みの無い花ですが、知れば知るほど面白い植物です。ここでは、ベラドンナの概要や特徴、花言葉、名前の由 来などを詳しく説明します。

ベラドンナの花言葉

ベラドンナ

ベラドンナの花言葉は「汝を呪う」「男への死の贈り物」「人を騙す者の魅力」「沈黙」です。

怖い印象の花言葉が多いので、下記の「花言葉に怖いものはある?」で詳しく説明します。

ベラドンナの花言葉に怖いものはある?

ベラドンナ

ベラドンナにつけられた「汝を呪う」「男への死の贈り物」という花言葉は、人を殺すための毒や、空を飛ぶ薬を作るために魔女がベラドンナを栽培していたことが由来となっています。

「人を騙す者の魅力」は、その昔イタリアの女性が、ベラドンナの実を化粧に用いて男を魅了したという話が関係しています。ベラドンナの葉や茎から出た汁を点眼して瞳孔を大きく見せていたことからこのような花言葉がつけられました。今はカラーコンタクトなどで瞳を大きく見せますが、昔は植物から出た汁を散瞳剤として使っていたんですね。

「沈黙」に関してははっきりとした花言葉の由来はありませんでしたが、言葉を失うほどの恐ろしい花ということを「沈黙」という言葉で表しているのかもしれません。

ベラドンナの特徴

ベラドンナの実

ベラドンナは薄紫色の花色をしており、鐘のような形の花を咲かせます。葉の大きさは20㎝ほどでヨーロッパでは古くから薬としてベラドンナの葉が使われてきました。

ベラドンナの花が咲き終わると1㎝ほどの実をつけます。はじめは緑色の実をしていますが熟すと真っ黒になります。この実は甘いといわれていますが、毒があるため食べてはいけません。海外ではブルーベリーと間違えて食べた人が死に至ってしまったという事例もあるそうです。

ベラドンナの基礎知識

・分類…ナス科オオカミナスビ属
・原産地…ヨーロッパ、アジア
・別名…オオカミナスビ、セイヨウハシリドコロ、魔女の花、悪魔の草
・開花期…5月~7月
・出回り期…不明

ベラドンナの名前の由来

ベラドンナ

ベラドンナの学名は「Atropa belladonna」といいます。イタリア語で「bella(ベラ)」(美しい)、「donna(ドンナ)」(婦人)という意味です。「Atropa」はギリシャ語で「引き返せない」という意味であり、ギリシャ神話に登場する「運命の三女神」モイラ三姉妹の長女であるアトロポスの名前からきているといわれています。

アトロポスは不可避の者といわれ、死の瞬間にその糸を断ち切るという役割でした。花言葉の由来となった、ベラドンナの実を使って瞳孔を大きく見せていた、という話が名前の由来にもなっています。

名前のとおり「美しい女性」を意味するベラドンナですが、草全体に毒をもっているため、「魔女の花」と呼ばれています。

ベラドンナの誕生花

誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシャ・ローマの神話に由来するとされていま す。ベラドンナが誕生花となる生年月日は以下のとおりです。

12月3日

ベラドンナの毒

ベラドンナの葉

ベラドンナは全体に毒がありますが、その中でも根と根茎は猛毒です。
葉には油が浮いていて、触れると皮膚がかぶれてしまいます。また、ベラドンナの成分を過剰摂取すると、吐き気やめまいなどの中毒症状を引き起こし、幻覚が見えたりすることもあるそうです。

ベラドンナの薬効

ベラドンナ

ベラドンナの根には毒が多く含まれていますが、根のエキスを分離精製した「ベラドンナコン(ベラドンナ根)」は鎮痛剤や散瞳薬として使用されます。
根や葉は鎮痛、鎮痙、止汗、散瞳、神経痛、催眠薬、百日咳、胃・十二指腸潰瘍、胃腸の痙攣性疼痛などの治療に有効的とされていて医療用にも幅広く使われています。

また、ベラドンナコンにはアトロピンという成分が含まれています。このアトロピンは神経伝達物質「アセチルコリン」を抑制する役割があります。

さらにアトロピンには副交感神経遮断作用も。気管支の弛緩や分泌抑制があることがわかり、地下鉄サリン事件でも解毒剤として使用されました。

魔女の花

魔女の釜

昔のローマでは植物を扱う人は魔女と認識され、魔女狩りと称し死刑されていました。当時の信仰から外れた人たちを排除する目的で魔女狩りが行われていたのですが、魔女を仕立て上げるのに使われていた花がベラドンナだといわれています。

たてつく人や気に入らない人にベラドンナを与え、幻覚や錯乱状態にして魔女に仕立てたそうです。

ベラドンナに似ている花

ベラドンナ

・アメリカイヌホオズキ
アメリカイヌホオズキには「あなたを呪う」「嘘つき」などという花言葉がつけられています。名前に入っている「イヌ」は「いらない」「役に立たない」といった意味だそうです。

・ニーレンベルギア
和名は「アマモドキ」です。白色や青色などの種類があります。花の形がカップのように見えることからカップフラワーとも呼ばれるそうです。

・ニコチアナ
・ハナタバコやフラワリングタバコと呼ばれ、白色や赤色の花を咲かせます。白いニコチアナはジャスミンのような香りがすることからジャスミンタバコという別名もあります。

まとめ

ベラドンナには怖い花言葉が多いことや、毒があることからプレゼントや花束などにはあまり適していません。間違えて実を食してしまったり、触って肌がかぶれてしまうのを避けるためにも、観賞用として育てることも控えたほうがいいですね。

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