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2024年05月31日 17:42 更新

秋海棠(シュウカイドウ)の花言葉は?日本文化に定着した花。名前の由来も解説!

野山に自生し、薄いピンク色の花を垂れ下がるように咲かせる秋海棠(シュウカイドウ)。美しい中に少し寂しげな雰囲気があり、趣を感じられます。ここでは、秋海棠の概要や特徴、花言葉、名前の由来などを詳しく解説します。

秋海棠の花言葉

茎の先に垂れ下がるように咲く様子が可愛らしい秋海棠。

そんな秋海棠の花言葉は、「恋の悩み」「片想い」「自然を愛す」「未熟」です。

「恋の悩み」とは、下向きに花をつける様子が頬を赤らめてうつむいているように見えることに由来しています。

「片思い」とは、秋海棠の葉の形が左右非対称のハート形をしていることから、片方が大きく相手を思っていることを連想したのだとか。

「自然を愛す」とは、野山に自然と自生して、訪れる人たちに愛される様子からつけられたようです。

「未熟」に関して、由来となる説は見つかりませんでした。うつむいて咲く花の様子が、まだ少し自信がなさそうで未熟な様子に見えたのかもしれません。

秋海棠の色別、種類別の花言葉

秋海棠は変異が起きにくく種類は多くないのですが、小柄で白い花を咲かせる「白花シュウカイドウ」や、葉の裏が濃い紅色になる「裏紅シュウカイドウ」などの仲間がいます。
種類別での花言葉はつけられていません。

秋海棠の花言葉に怖いものはある?

秋海棠の花言葉には怖いものはつけられていないようです。

秋海棠の特徴

中国が原産の植物ですが、日本でも自生し毎年花を咲かせる多年草です。湿り気のある半日陰を好みます。
大きな葉は左右で大きさの違うハート型。その脇(葉腋(ようえき))から紅く細長い茎を伸ばしてその先に小さな花を咲かせます。
秋海棠は、雄花と雌花が同じ株に別々に咲く「雌雄同株」です。ピンク色の花びらの中央に黄色く集まる雄しべが目立っているのが雄花、茎の先端に垂れ下がり下方に向いて開いているのが雌花です。
雄花の4枚あるように見える花弁は、左右の小さい2枚のみ花弁で、上下の大きな2枚は萼なのだそうです。一方、雌花の花弁は1枚のみで三角形の子房を持っています。
花が咲いた後は、地上部を枯らし地下に養分を蓄えて球根を大きく成長させます。これによって土の中で冬を越すことが出来ます。
また秋になると、葉の脇にムカゴ(わき芽が養分を貯え肥大化した部分)ができ、それが周りに自然に落ちます。春になるとそこから芽が出てきて、増えていくことができるのです。

秋海棠も分類されているシュウカイドウ属の植物は総称として「ベゴニア」と言われますが、秋海棠は古くから定着しているためベゴニアとは呼ばれません。

秋海棠の基礎知識

・分類…シュウカイドウ(ベゴニア)科シュウカイドウ(ベゴニア)属
・原産地…中国
・別名…瓔珞草(ヨウラクソウ)、断腸花(ダンチョウカ)、相思草
・開花期…8月~10月

秋海棠の名前の由来

「秋海棠」は、バラ科の花海棠(ハナカイドウ)によく似た花を秋に咲かせることから呼ばれるようになりました。

別名である「瓔珞草」は、垂れ下がって咲く花姿が仏像の首飾り(=瓔珞)に似ていることに由来しています。

また「断腸花」は、秋海棠は恋人と引き裂かれた女性の涙から咲いた花だという中国の逸話によります。

もう1つ中国の言い伝えが由来となった名前があります。
秋海棠の葉の裏側を見ると、葉脈が赤く走っていてとても特徴的です。その様子が血液の流れと重なって見えたのか、これを相思血というのだそうです。
昔、ある人が深い恋に悩んで血を階下に噴いたのが秋海棠となった、という話です。
この話から「相思草」と呼ばれるようになったとのことです。

秋海棠の誕生花

誕生花とは、生年月日にちなんだ花のこと。ギリシア・ローマの神話に由来するとされています。
秋海棠が誕生花となる生年月日は以下のとおりです。

8月29日、9月10日

秋海棠は秋の季語

中国原産の植物でありながら、どことなく和の雰囲気が感じられることから古くから日本人に親しまれている秋海棠。
「秋海棠」は秋の季語として、松尾芭蕉の俳句にも登場しています。

秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり
→秋海棠の花がスイカの実のような紅い色で咲いているなぁ。

秋海棠のピンク色とスイカの赤。どちらかの色味が今とは少し違ったのでしょうか。歴史に名を遺す俳人の感性の違いでしょうか。
どちらにせよ、秋海棠もスイカもこの句が詠まれた頃にはまだ日本で一般化していないものだったようです。この2つを取り上げて歌を詠んだこと自体が目新しかったのでしょう。

海棠と楊貴妃

花言葉や名前の由来に少し寂しいエピソードが多い秋海棠ですが、似ていると言われる「海棠」は中国で高貴な花を指す代名詞ともなっています。

中国では、絶世の美女・楊貴妃にちなみ「睡花」「眠りの花」と呼ばれることもあります。唐の時代の皇帝が、ほろ酔いのぼんやりと寝起きのような顔で現れた楊貴妃を見て「海棠の眠り、いまだ足らざるのみ」と海棠に例えたという話によります。楊貴妃自身も、海棠を好んでいたようです。

このようなことから、中国では古くから絵画の題材などとして親しまれていたとのことです。「秋海棠」と「海棠」、雰囲気の違う2つの花ですがどちらも長く愛されていたことがわかりますね。

まとめ

初秋の野山を彩る秋海棠。ひたむきでいて少し憂いを感じる美しい花姿にぴったりな花言葉でしたね。日本の気候で育ちやすく、環境があえばお庭でも育てられる植物です。和のアクセントをお庭に加えてみてはいかがでしょうか。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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