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2023年03月24日 14:32 更新

紅梅色(こうばいいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【紅梅色(こうばいいろ)】とは、紅い梅の色のことを言います。日本の伝統色である【紅梅】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【紅梅色】とは?

紅梅の花

紅梅色とは、紅い梅の花の色のような淡い紅色のことです。

色の名前       紅 梅 色      
読み方 こうばいいろ koubai
英語 cherry rose、 light pink
WEBカラーコード #f19595
CMYK C=0/M=53/Y=29/K=0
RGB R=241/G=149/B=149
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【紅梅色】の意味と由来は?

【紅梅色】は、春先に咲く紅色の梅の花からつけられた色名で、少し紫がかった淡い【紅色】のことを言います。現在では「お花見」というと真っ先に「桜」を思い出しますが、かつて日本では春の花と言えば「梅」でした。香り高く春の訪れを告げる花として愛されてきたのです。

【紅梅色】は、キク科の紅花を用いて染色されたもので、その濃さによって【濃紅梅】【中紅梅】【淡紅梅】とバリエーションがありました。『源氏物語』をはじめとして、古くから多くの詩歌や文学作品にも登場します。また、その美しさから平安貴族の間でとても好まれた色のひとつでもありました。

【紅梅色】に合う色は?


紅 梅 色
 こうばい 


蘇 芳 色
  すおう  

【紅梅色】に合う色のひとつに【蘇芳(すおう)色】があります。【蘇芳色】は、黒味を帯びた赤色のことです。着物の配色を現す襲(かさね)には、まさに「紅梅」という色目があり、これは「表に紅梅、裏に蘇芳」という配色で、赤系統同士での組み合わせになっています。

さらに、【紅梅】を用いた襲はほかにも「表に濃紅、裏に紅梅」の「梅重」、「表に紅梅、裏に紅」の「裏梅」、「表に紅梅、裏に薄紅梅」の「紅梅匂(こうばいのにおい)」、「表に紅梅、裏に濃蘇芳」の「莟紅梅(つぼみこうばい)」などがあり、いかに人々に紅梅色が好まれていたのかが分かります。

ただし、紅梅色を用いた着物は、晩冬から春先が旬とされ、春たけなわとなるころにはもう季節外れとされていたようです。『『枕草子(まくらのそうし)』にも「すさまじきもの(興ざめするもの)」として「三四月の紅梅の衣」という一説があります(この三四月は旧暦なので、現代でいえば4~5月ごろのこと)。平安貴族にとって、季節外れの装いは、格好悪いものだったんですね。

A traditional Japanese color "紅梅 koubai" is...

A traditional Japanese color "紅梅 koubai -means red plum-" is a color name given to the red plum blossoms that bloom in early spring, and refers to the pale red color with a slight purple tinge. Nowadays, cherry blossoms are the first thing that comes to mind when Japanese people think of flower viewing in spring, but in the past, the flower of spring in Japan was the plum blossom, which was loved for its fragrance and its ability to herald the arrival of spring.

"紅梅" color was dyed using safflower of the Asteraceae family, and there were variations depending on the intensity of the dye. It has appeared in many poems and literary works since ancient times, including "The Tale of Genji", a masterpiece of Heian literature. It was also one of the most favored colors among the Heian aristocracy because of its beauty.

まとめ

紅梅は、1月~2月のまだ寒さが残る中で小さな可愛い花をつけます。現代の日本の街中でもときどき見かけることができますので、ぜひ見上げて、春の訪れを感じてみてください。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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