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2023年03月10日 21:59 更新

萌黄色(もえぎいろ)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

萌黄色(もえぎいろ)とは、芽吹いたばかりの葉の色を思わせるあざやかな黄緑色のこと。日本の伝統色である【萌黄色】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【萌黄色】とは?

茶の若葉

萌黄色とは、春に芽吹いた葉の色のようなあざやかな黄緑色のことです。

色の名前      萌 黄 色     
読み方 もえぎいろ Moegi-iro
英語 light green,spring green
WEBカラーコード #afd147
CMYK C=38/M=0/Y=84/K=0
RGB R=175/G=209/B=71
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【萌黄色】の意味と由来は?

【萌黄色】は、あざやかでくっきりと色みが強い黄緑色のこと。植物が芽ぶくことを「萌え出る」と言いことからわかるように、【萌黄色】の名前の由来は、芽吹いたばかりの葉の色から来ています。まだ緑色はそれほど濃くありませんが、水分をたっぷりと含んだみずみずしさ、柔らかさが感じられる色でもありますね。

【萌黄色】という言葉が生まれたのは平安時代のことです。【萌黄色】は、植物がぐんぐんと伸びていくような生命の躍動感が感じられることから、鎌倉時代に生まれた『平家物語』では、若武者のよろいの色として使われています。子どもの成長を願う色として、現在でも七五三の祝着や五月人形にも使われることも多いですよ。

【萌黄色】の仲間に、【萌木色】【萌葱色】があります。やや青みがかかった色が【萌木色】、ねぎのような濃い緑を【萌葱色】と、同じ緑系統ですが、色みはかなりちがいます。すべて同じ「もえぎ」という読み方でも、漢字や意味・色が違うというのは、日本らしいですね。

【萌黄色】に合う色は?


萌黄色
 もえぎいろ 


桃 色
 もも いろ 

【萌黄色】に合う色のひとつに、【桃色】があります。【桃色】は、桃の花びらを思わせる明るく淡い赤い色のこと。

平安時代、貴族の間では、着物の色の組み合わせによって季節を表現する文化がありました。たとえば、【桃色】と似た色の【薄紅色】と【萌黄色】を組み合わせた配色を、春の色を表す「桃」という言葉で表現していたのです。春の訪れをイメージさせる柔らかな配色の中には、躍動感や生命力も感じられますね。

【萌黄色】はそのほかにも【白色】と合わせて春を表現したり、【黄色】や【蘇芳色】と合わせて秋を表現することにも用いられました。多くの組み合わせに使われる【萌黄色】は、それだけ多くの人々に好まれる色だったのでしょうね。

A traditional Japanese color "萌黄 Moegi" is...

A traditional Japanese color "萌黄 Moe-gi" is a bright and clear yellow-green color. The name "萌黄 Moe-gi" comes from the color of young leaves that have just budded. The green color is not so dark yet, but it is a color that gives a feeling of freshness and softness with plenty of moisture.

The term "萌黄 Moe-gi" was coined in the Heian period (794-1185). In "The Tale of the Heike," which was written in the Kamakura period (1185-1333), it was sometimes used as the color of a young warrior's armor. It is also often used for Shichi-Go-San (an annual Japanese festival to celebrate the growth of children) costumes and dolls for the Boys' Festival as a color to wish for the growth of children.

There are two other colors related to "萌黄 Moe-gi": "萌木 Moe-gi" and "萌葱 Moe-gi". The slightly bluish color is called "萌木 Moe-gi" and the dark green like a leek is called "萌葱 Moe-gi". They are all in the same green family, but the color tones are quite different. Although they all have the same reading of "moegi," the kanji, meanings, and colors are different, which is very Japanese.

まとめ

日本で古くから愛されてきた【萌黄色】。春になり、草木が一斉に芽吹くころになったら、子どもたちと一緒に野山へ【萌黄色】を探しに出かけてみませんか?

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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