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2023年03月20日 20:36 更新

紫紺(しこん)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【紫紺(しこん)】とは、紺色がかった濃い紫色のことです。日本の伝統色である【紫紺】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【紫紺】とは?

夕闇の山と月

紫紺とは、紺色がかった濃く暗い紫色です。

色の名前 紫 紺
読み方 しこん shikon
英語 purple‐blue
WEBカラーコード #5d144e
CMYK  C=28/M=33/Y=0/K=0 
RGB R=192/G=175/B=213
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【紫紺】の意味と由来は?

【紫紺】は、文字が示す通り、紺色がかった濃く暗い紫色の色名です。本来はムラサキソウのムラサキソウの根、紫根(しこん)を使って染めたことからこう呼ばれています。紫を染めるには大量の紫根が必要なことから、非常に貴重な色でしたが、明治になって、【紫紺】を鉱物由来の顔料で表現することができるようになりました。これが紫紺末(しこんまつ)という岩絵の具です。

【紫紺】色のものとしてよく知られているのは、選抜高校野球の優勝旗でしょう。「紫紺の優勝旗」と呼ばれています。さらに、【紫紺】は明治大学のスクールカラーにもなっていて、明治大学の応援歌には「紫紺の歌」があります。

古い時代から紫は高貴で尊い色として品格があるとされてきました。紫を表現することが難しくなくなった現在でも、この色が持つ高貴なイメージは受け継がれているんですね。

【紫紺】に合う色は?


  紫 紺  
 しこん 


  灰 汁  
 あ く 

【紫紺】に合う色のひとつに【灰汁色(あくいろ)】があります。【灰汁色】は、灰汁(あく)のような黄色がかった灰色です。灰汁はわらや木を燃やしてできる灰にお湯を入れた、その上澄み液のことで、古くから染料として使われてきました。濃い紫色の【紫紺】との相性がよく、この配色は大人のコーディネートとして現代のファッションに取り入れられています。紫色は派手になりがちですが、シックな灰色と組み合わせることで、落ち着いた色合いになります。

そのほか、渋めの黄緑色の【青朽葉(あおくちば)】や緑味がある黄色の【菜種油色(なたねあぶらいろ)】などとの配色もいいでしょう。

A traditional Japanese color "紫紺 shikon" is...

A traditional Japanese color "紫紺 Shikon-means purple and navy-" is a dark, dark purple color with a hint of navy blue. It is called this because it was originally dyed using the root of the purple plant, "紫根 shikon". In order to dye something dark purple, a large amount of purple plant was needed, so "紫紺 shikon" was a very precious color. However, in the Meiji era (1868-1912), it became possible to express "紫紺 shikon" with a mineral-derived pigment. This is called "紫紺末 shikon-matsu".

The best known example of the "紫紺 shikon" color is the championship flag of the high school baseball tournament in Japan. Every high school baseball player in Japan yearns for the "紫紺 shikon" flag of victory. In addition, "紫紺 shikon" is also the school color of Meiji University, and there is "Shikon song" in the cheering song of Meiji University.

Since ancient times in Japan, purple has been regarded as a noble and precious color with dignity. Even today, when it is no longer so difficult to express purple, the noble image of this color has been inherited.

まとめ

【紫紺】はスポーツの優勝旗や学校の校旗やイメージカラーなどによく使われている色です。天皇即位のときの幡(ばん・はた)に使われたことから、高貴な色で旗に向いていると広まったという説があるようです。凛としたイメージがある【紫紺】は、現在の人々にとっても尊い色と言えそうですね。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

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