教育 教育
2023年03月06日 15:19 更新

緑青(ろくしょう)とは?~日本の伝統色 Japanese Traditional Colors~

【緑青(ろくしょう)】とは、明るく鈍い青緑色の色名です。日本の伝統色である【緑青】にどのような由来があって、どのように愛されてきたのか、子どもにそのまま教えてあげられるよう、やさしい言葉で解説します。海外の方に英語で説明できるよう、英語での解説も紹介しています。

【緑青】とは?

お寺の古い釣鐘

緑青とは、孔雀石(くじゃくいし)から作られる顔料で、明るく鈍い青緑色を指します。

色の名前       緑  青      
読み方 ろくしょう Rokushou
英語 patina, verdigris
WEBカラーコード #c0afd5
CMYK C=62/M=23/Y=55/K=0
RGB R=108/G=160/B=129
※色は環境等により見え方が異なります。各種カラーコードは絶対のものではなく、あくまで参考値です。

【緑青】の意味と由来は?

【緑青】は、炭酸銅と水酸化銅からなる古くからある緑色を指します。緑色の顔料としてはかなり古く、中国から伝わったのは、飛鳥時代と言われています。絵画の世界では、草木を描く緑色として多く使われていました。

【緑青】の顔料は、孔雀石(くじゃくいし・マラカイト)という鉱物を粉状に砕いたもので、「岩緑青(いわろくしょう)」や「松葉緑青(わかばろくしょう)」と呼ばれています。岩緑青は、粒子の細かさによって緑色の濃度が変化。最も粒子が粗く濃度が高いものを「石緑(せきりょく)」、粒子が細かく薄い色のものを「白緑(びゃくりょく)」と呼びます。

【緑青】は古くから建築物や彫刻の彩色にも用いられてきました。赤系統の【丹色(にいろ)】と並んで、日本を代表する色のひとつです。また、銅に付く緑色の錆も緑青の一種で、孔雀石とは同じ成分です。身近なところだと10円玉が古くなると付く錆の色です。

現在では、人工的に銅や青銅を酸化させて、その表面に付着する錆から緑青の顔料を作ることもあるようです。金属の表面に緑青が付着することで被膜ができ、内部の腐食を防ぐ効果があることから、銅像やブロンズ像などにも多く使われています。

【緑青】に合う色は?


緑 青
 ろくしょう 


深 紫
 こむらさき 

【緑青】に合う色のひとつに【深紫(こむらさき)】があります。深紫は黒みがかった深い紫色です。紫草の根を何度も染めることでこの色はできます。色相環で正反対の色ですが、草木を現す【緑青】との相性はよく、落ち着いた大人の色合いと言えます。

着物の色の組み合わせを現す「襲(かさね)」でも、緑色と紫色の配色は多く用いられていて、とくに春や夏の着物に採用されています。爽やかさも感じられる、美しい配色です。

A traditional Japanese color "緑青 Rokushou" is...

A traditional Japanese color "緑青 Ryokusyo" is an ancient green color composed of copper carbonate and copper hydroxide. It is one of the oldest green pigments and is said to have been introduced from China in the Asuka period(550-710 CE). In the world of painting, it was often used as a green color to depict plants and trees.

The pigment "緑青 Ryokusyo" is made by grinding the mineral "malachite" into a powder. The density of the green color varies depending on the fineness of the particles. The coarsest and most dense particles are called "石緑 Seki-ryoku", while the finer and lighter particles are called "白緑 Biyaku-ryoku".

"緑青 Ryokusyo" color has been used since ancient times to color buildings and sculptures. It is one of the representative colors of Japan, along with the red color "丹 Ni". The green rust on copper is also a type of greenish blue, and is the same component as peacock stone. This is the color of rust that forms on 10-yen coins when they become old.

Nowadays, copper and bronze are sometimes artificially oxidized to produce greenish blue pigment from the rust that adheres to their surfaces. The greenish-blue pigment adheres to the surface of the metal to form a film that prevents internal corrosion, and is therefore often used in copper and bronze statues.

まとめ

【緑青】は、銅像やブロンズ像の色としてよく知られている色です。鎌倉の大仏さまや、海外ではニューヨークの「自由の女神」像の色と言えば、イメージがしやすいかもしれませんね。

これらの造形物が長い間、厳しい環境下でも腐食することなく美しい姿を保っているのは、表面に付着した緑青が被膜を作って守ってくれているからです。銅像を観る機会があったら、表面の緑青にも注目してみましょう。

(マイナビ子育て編集部)

参考文献
・『色名がわかる辞典』(講談社)
・『366日 日本の美しい色』(三才ブックス)
・『くらしを彩る 日本の伝統色事典』(マイナビ)

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-