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2022年03月16日 07:21 更新

【タイプ別伝え方】部下が相談してくるタイミングが遅いとき 『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』vol.7

日々忙しく子育てをしながら、職場では部下とのコミュニケーションに悩んでいるパパ&ママへ。12万人のデータを集めて性格タイプを分析し、テレビでも話題になった稲場真由美さんの著書『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より、性格タイプ診断とタイプ別の伝え方の例を連載でお届けします。

相談してくるタイミングが遅い

部下に任せていたプロジェクトが、納期ギリギリになって間に合わないことが発覚した。部下を呼んで経緯を聞くと、数カ月前から雲行きが怪しかったという。
それなら、相談するタイミングはあったはずだし、事態が悪化する前に相談してほしかった。

このケースにはまりやすいタイプ

上司…すべてのタイプ
部下…●ロジカル ●ピース・プランニング

自分で解決する方法を考えてしまう計画重視タイプ

計画重視タイプは何か困ったことが起きたときに、一人でぐるぐると考えてしまう傾向があります。上司に相談する前に、一度自分で解決できないか考えようとするのです。
例えば、初めての仕事で上司からの指示がアバウトだったとします。パズルでいえばピースが足りない状態です。しかし、計画重視タイプは上司からピースを全部もらったはずだと思い込み、「自分のやり方が悪いのではないか、どうしよう......」とピースが足りない状態で考え込んでしまうのです。
その結果、自分が困っていることを言い出せず、納期ギリギリになって「実は......」と言い出す場合があります。
ちなみにビジョンの場合は、仕事に取りかかるのは遅いですが、タイムリミットが近づくと集中力が高まって、一気に進めて帳尻を合わせてきます。夏休みの宿題を8月末にまとめてするタイプです。そばで見ていると「間に合うの?」と心配になるのですが、本人の中ではギリギリでセーフになるラインがわかっています。
ただ、短期集中で進めているため、わからないことが出てくるタイミングもギリギリです。締め切り前日や当日の朝になって「ここって、どうするんでしたっけ?」と聞いてきて、びっくりすることもあるでしょう。
ピースの場合は、「上司は忙しいのでは......」「今、声をかけると迷惑かも」と遠慮して質問をすることができず、問題を解決できないまま動き出せずにいることがあります。躊躇している様子であれば、「一緒にやろうか」と声をかけて促すことが大事です。

納期までの間に途中段階をチェック

ビジョンは自分が困ったら相談してくるのですが、計画重視タイプは抱え込んでしまいがちなので、納期までの間に中間報告日を作って、進捗を確認することが大事です。
急に「あの案件は大丈夫?」「今できているところまで見せて」というと慌ててしまうので、前もって報告や確認の日を設定しておくのがポイントです。
「一週間後に、一旦できたところまで確認させて」と言っておけば、そこまでに体裁を整えて提出しようとしてくれます。
その段階で予定どおりの仕事ができていなければ、原因の究明をしましょう。
「今の時点で困っていることはない?」「進行で遅れそうなところは?」とクローズドクエスチョンをすれば、計画重視タイプの部下は相談しやすくなります。
管理職はタイプにかかわらず、忙しさのあまり指示が大雑把になる傾向が強いので、部下の非を指摘する前に、自分の指示が足りていたかどうかも考えてみましょう。

言い換え

before
「なんでもっと早く相談しないんだ」

after
「一旦一週間後に確認させて」

「進捗は大丈夫?今の時点で困っていることはない?」

書籍『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』について

たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方
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「頼まないと何もやってくれない」、「指示どおりに動いてくれない」、「メンタルが弱くてすぐ落ち込む」などなど、職場で部下の言動に悩まされていませんか?

実は人はタイプによってうれしいほめ言葉も、動きやすい指示も異なります。
「センスがあるね! 」と言って喜ぶ人もいれば、「ありがとう」が一番の原動力になる人も。細かい指示で動きやすい人もいれば、ざっくり伝えたほうが動きやすい人もいます。
自分自身がもらってうれしい言葉で相手をほめ、自分にとって動きやすい指示の出し方をしていたら、相手にとって真逆の意味になったり、逆に動きづらくなっているかも。

この本では12万人のデータからつくられた「性格統計学」に基づき、人の性格を4タイプに分類。自分と部下のタイプを診断したうえで、よくある場面ごとに「伝わらない理由」と「相手に合った伝え方」が紹介されています。
自分と部下の性格タイプを知れば、職場のコミュニケーションギャップの理由も見えてくるでしょう。ただ「伝え方」を変えるだけで、部下が自分から動いてくれるヒントが詰まった1冊です。

はじめに
Chapter1 「伝え方」を変えるだけで部下が動く
Chapter2 仕事・指示を理解してくれないときの伝え方
Chapter3 自分から動いてくれないときの伝え方
Chapter4 モチベーションが下がっているときの伝え方
Chapter5 悪い癖を直してほしいときの伝え方
Chapter6 相互理解で「心理的安全性」をつくる
おわりに

稲場真由美さんのプロフィール

富山県生まれ。株式会社ジェイ・バン代表取締役。
自身が人間関係の悩みに直面したことから、新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、のべ12万人から生のデータを集め「性格統計学」として体系化。以来、このメソッドを「一人でも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いで、セミナーや研修、コンサルティングを通して普及活動を行う。
2018年には「性格統計学」にもとづくアプリ「伝え方ラボ」を開発。その後、さまざまな企業で導入され、職場の人間関係の改善や営業活動にも活用されている。2020年には、Web3時間で履歴書に書ける資格が取れる「伝え方コミュニケーション検定講座」のパッケージ化に成功。現在では認定コンサルタントや認定講師の育成も行う。時代のニーズに対応しながら、企業や自治体、学校まで、全国すべての人のコミュニケーション改善に貢献する活動を続けている。

(稲場真由美・著『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

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