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2022年03月01日 08:01 更新

子育てしながら働く女性を取り巻く環境は10年で驚くほど変わった!ママたちの「ロールモデル不在問題」#岩橋ひかりのキャリアの引き算

ワーママの頭の中は、育児や家事や仕事……すべてが同時のマルチタスク。日々そんな状態で、みなさん疲れてしまっていませんか? キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんが、忙しいワーママたちに「引き算」の考え方や岩橋さんが実践している方法をお伝えしていく連載です。

今回のテーマは、「ロールモデルが見当たらない問題」!

職場や身近なところに、自分の目標になるようなロールモデルがいると、「あの人みたいになりたい!」と意識して、自身の成長がより促されます。

しかしワーママ界隈では長年、この「ロールモデル不在問題」が叫ばれています。

ロールモデルが見当たらないといっても状況は様々。
職場にワーキングマザーの先輩や同僚がいても、実家や夫の手厚いサポートを受けられるあの人と、ワンオペが基本の自分とでは環境が違いすぎて参考にならなかったり。
ベビーシッターや家事のアウトソースをフル活用しているあの先輩みたいに、仕事だけに全力投球するタイプには憧れないし、そこまで仕事に振り切る覚悟は持てなかったり。
また、男性ばかりの職場で、そもそも職場に女性が少ない環境だったり、女性の先輩がいても独身の方や、既婚でお子さんがいない方ばかりで、身近に子育てをしながら働いている女性が見当たらなかったり。

出産を経ても働き続ける女性が増えているとはいえ、ロールモデルになる人を見つけられず不安を感じていらっしゃる方はまだまだ多いように感じています。

ロールモデルが見当たらない理由

ロールモデル不在問題がずっと解消されない理由の1つは、遡ること1986年の男女雇用機会均等法の施行などの法改正を起点にして、働く女性を取り巻く環境は今もどんどん変化しているから。

特に、ワーママを取り巻く環境は、この10年で大きく変化。2010年の育児介護休業法の改正で、3歳までの短時間勤務制度が義務化され、それ以降、出産を経ても働き続ける女性が増えるようになりました。私は2010年に出産し、ワーママ界隈の変化を当事者として体感してきましたが、この10年での変わりようは驚くほどです。

今となってはワーママはわりとスタンダードな存在ですが、実は歴史はそんなに長くはありません。先輩女性の方々が、働く道を切り拓き、出産しても働き続ける道を切り拓き、女性であっても様々の選択肢の中から働き方、生き方を広く選択できるようなりました。それはまるで世代間の連携プレイのようでもあり、長期的に見れば良い方向に、女性も自由に生きていける方向に進んでいます。

しかし、どの時代も、今の私たちがそうであるように、自分が置かれている環境に不満や不満、憤りを抱えながら、女性たちは道なき道を進んできました。
また、どの時代も、一世代上の先輩たちを見て、「ああはなりたくない!」と心の中でネガティブな思いを抱え、ロールモデル不在を嘆きながら、次の流れを切り拓いてきたともいえます。

実際私も20代の頃、プライベートを犠牲にしながら仕事に邁進する30代の先輩を見て、「自分は仕事も続けたいけど、結婚も出産もあきらめたくない」、と思っていました。
また、私のようなワーママ歴10年選手のアラフォー世代が、仕事と子育ての両立に躍起になりつつ、仕事も子育ても中途半端に感じられるような姿を見て、ああはなりたくないと感じていたアラサー世代もきっと多いのでしょう。

ロールモデル不在なのは、働く女性を取り巻く環境の変化が激しいことが理由でもあり、だからこそ確実に女性の働き方・生き方の選択肢が広がっているともいえるのです。

ロールモデル不在を嘆いても仕方がない!

ただ言えるのは、どんな時代であっても、ライフイベント前後の20代~30代は常に不安がつきものだということ。この先、どれだけ時代が進化したとしても、結婚や出産により、環境が激変することに一切の不安を感じない人が増えるとは考えにくいですよね。

ロールモデルがいないと嘆いても、また、恵まれているあの人と自分は違うと勝手に劣等感を抱いても、残念ながら何も解決しません。
夫が協力してくれない、実家のサポートを受けられない、会社の理解がない、お給料が少ない、貯金がないなど、ないものにフォーカスすると、永遠に不十分。
すべてが完璧に揃うのを待っていたら、子育て期間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。
そもそも、在宅勤務が一気に普及したオンライン時代のワーママは、誰もが初めての経験ですし、ロールモデルを探し続けても残念ながらどこにもいません。

大切なのは、自分にとっての幸せを見極め、自分ができることに注力すること。
憧れる対象を探し続けることに時間を費やせるほど、ワーママ生活は暇ではありません。様々な働き方、生き方の選択肢がある今だからこそ、自分が大切にしたいことを大事にして、自分にとっての幸せを追求していくことが何よりも必要です。
それは決して簡単なことではないかもしれません。

でも、今、現役ワーママ世代の私たちが試行錯誤することにより、次の子どもたち世代の未来が良くなっているとしたら、その過程も楽しく思えませんか?
子育てはもちろん大切ですが、私たち自身が自分の人生に集中することも次の時代を作る大切な活動でもあります。

ロールモデル不在を嘆く前に、自分にできることに集中、次の世代に良いバトンをつなげていきましょう!

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