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2022年03月10日 07:21 更新

【性格タイプ別の伝え方】部下に丁寧に指示しているのに伝わらないときは?『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』vol.3

日々忙しく子育てをしながら、職場では部下とのコミュニケーションに悩んでいるパパ&ママへ。12万人のデータを集めて性格タイプを分析し、テレビでも話題になった稲場真由美さんの著書『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より、性格タイプ診断とタイプ別の伝え方の例を連載でお届けします。

丁寧に指示を出したのに理解してくれない

初めてお願いする仕事だったので、手順や必要な書類などを丁寧に教えた。ところが、部下は「はい」と返事はするものの、なんとなく身が入っていない様子。特に確認や質問もされず、やる気がないのか、それとも説明がわかりづらいのか、反応が薄いから不安になる。

このケースにはまりやすいタイプ

上司…●ロジカル ●ピース・プランニング
部下…●ビジョン ●ピース・フレキシブル

細かい指示がかえってわかりにくいこともある

仕事の手順や使うべき資料などを事前に細かく教えようとするのが、ロジカルまたはピース・プランニングの上司の特徴です。この2つのタイプは計画を立て、シミュレーションしてから動き出すタイプで、最初に材料を全部揃えて、手順を決めてからスタートします。そのため、自分自身が時間や手間の無駄を嫌うので、部下が最短のルートで仕事ができるよう、最も効率的な方法を伝えようとします。
これに対し、ビジョンやピース・フレキシブルには細かい説明は不要です。特にビジョンは出来上がりの予想図を見るとインスピレーションが働き、「これをこうすると、こうなって、うまくできそう!」と直感します。たとえるなら、与えられた数個のピースを使って頭の中でパズルを組み合わせ、大まかな全体像を作っていくイメージです。
主要なピースが揃っていれば形になるか、ならないかはおおよそ見当がつきます。「これは形になりそうだ」と判断すれば、とりあえずゴールに向かって一歩を踏み出します。一歩二歩と進んでみて手応えがあればOK。ダメそうなら、その時点で軌道修正します。そうやってインスピレーションを確信に変えていく作業を繰り返しながら、少しずつ足りないピースを揃えて細部を埋めていくというのがビジョンのやり方です。
感覚的に動いて危なっかしく感じるかもしれませんが、ビジョンはそれなりの勝算があり、自分なりに考えながら進めていきたいと思っています。
また、部下がピース・フレキシブルの場合は、まず理由や経緯を聞いてより納得して進めたいと思っています。ただ、自分から質問するのも「忙しい中時間を取らせるのは申し訳ない」と思ってしまい、もやもやして動けないこともあります。

ビジョンには「わからなければ聞いて」、ピースには「一緒にやろうか」

ビジョンの部下に仕事をお願いするときは、1から5まで手順を教えるのではなく、1と2(スタート)と5(ゴール)だけを教えてください。そして、「やり方がわからなかったら聞いてね」と言っておきます。すると、ビジョンは自分でやり方を工夫して5にたどり着こうとします。プロセスは本人に任せて、結果だけを見てあげればいいのです。
ピース・フレキシブルの部下には、まず理由や経緯を説明してください。そのうえで、「最初だけ一緒にやろうか」と聞いてあげると安心します。最初の部分だけやり方を教えてあげれば、自分で進めつつ、迷ったときは質問してくるでしょう。

言い換え

before
「これはこうして、あれはああして」

after
ビジョン「これを作ってほしい。ポイントはこの2点。わからなければ聞いて」

ピース・フレキシブル「こういう理由でこの仕事が必要なんだ。最初だけ一緒にやってみようか」

書籍『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』について

たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方
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「頼まないと何もやってくれない」、「指示どおりに動いてくれない」、「メンタルが弱くてすぐ落ち込む」などなど、職場で部下の言動に悩まされていませんか?

実は人はタイプによってうれしいほめ言葉も、動きやすい指示も異なります。
「センスがあるね! 」と言って喜ぶ人もいれば、「ありがとう」が一番の原動力になる人も。細かい指示で動きやすい人もいれば、ざっくり伝えたほうが動きやすい人もいます。
自分自身がもらってうれしい言葉で相手をほめ、自分にとって動きやすい指示の出し方をしていたら、相手にとって真逆の意味になったり、逆に動きづらくなっているかも。

この本では12万人のデータからつくられた「性格統計学」に基づき、人の性格を4タイプに分類。自分と部下のタイプを診断したうえで、よくある場面ごとに「伝わらない理由」と「相手に合った伝え方」が紹介されています。
自分と部下の性格タイプを知れば、職場のコミュニケーションギャップの理由も見えてくるでしょう。ただ「伝え方」を変えるだけで、部下が自分から動いてくれるヒントが詰まった1冊です。

はじめに
Chapter1 「伝え方」を変えるだけで部下が動く
Chapter2 仕事・指示を理解してくれないときの伝え方
Chapter3 自分から動いてくれないときの伝え方
Chapter4 モチベーションが下がっているときの伝え方
Chapter5 悪い癖を直してほしいときの伝え方
Chapter6 相互理解で「心理的安全性」をつくる
おわりに

稲場真由美さんのプロフィール

富山県生まれ。株式会社ジェイ・バン代表取締役。
自身が人間関係の悩みに直面したことから、新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、のべ12万人から生のデータを集め「性格統計学」として体系化。以来、このメソッドを「一人でも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いで、セミナーや研修、コンサルティングを通して普及活動を行う。
2018年には「性格統計学」にもとづくアプリ「伝え方ラボ」を開発。その後、さまざまな企業で導入され、職場の人間関係の改善や営業活動にも活用されている。2020年には、Web3時間で履歴書に書ける資格が取れる「伝え方コミュニケーション検定講座」のパッケージ化に成功。現在では認定コンサルタントや認定講師の育成も行う。時代のニーズに対応しながら、企業や自治体、学校まで、全国すべての人のコミュニケーション改善に貢献する活動を続けている。

(稲場真由美・著『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

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