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2022年03月14日 07:21 更新

【タイプ別伝え方】部下が自分の意見を言わないとき、どうする?『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』vol.5

日々忙しく子育てをしながら、職場では部下とのコミュニケーションに悩んでいるパパ&ママへ。12万人のデータを集めて性格タイプを分析し、テレビでも話題になった稲場真由美さんの著書『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より、性格タイプ診断とタイプ別の伝え方の例を連載でお届けします。

自分の意見を言わない

いつも会議で発言しない部下がいる。部長もいる会議だから仕方ないかと思いつつも、意見がないのは良くない。ただ、後で本人に「さっきの会議だけど、あの件はどう思った?」と話を向けると「部長はああ言っていましたけど、こうしたほうがよくないですか?」と言ってくることがある。意見があるなら、そのときに言ってくれればいいのに。

このケースにはまりやすいタイプ

上司…すべてのタイプ
部下…すべてのタイプ

失敗できない風潮とタイプ別の理由

タイプ以前に最近の風潮として、若い世代は多くの人の前で自分の意見を主張しない傾向があります。波風を立てたくない、目立って叩かれたくない、間違ったことを言って恥をかきたくないという意識が、昔よりも強くなっているのです。
これは、失敗を許さない世の中の影響を受けているからです。その結果、面談でも個別に行う1on1が増えています。
とはいえそれにも限度があって、会議の場で意見があるのに「言わない」「言えない」というのは放っておけません。現場や若手の意見は会社にとっても貴重ですから、どんどん言ってほしいところです。
またこの場合、タイプ別に意見が言えない理由もあります。
まずロジカルは急に指名されて意見を求められると、即座には答えられない傾向があります。しっかり考えて発言したいと思っているからです。
ビジョンは比較的、その場で自分の意見や感想を言うことは可能です。特にアイデアがあるときは、上層部に直接聞いてもらえるチャンスと思い、「あの、ちょっと僕のアイデア聞いてもらっていいですか?」と言う積極性も持ち合わせていたりします。しかし、興味がなかったり、上層部の話し合いで自分の意見が通らないと思うと一気に消極的になります。
ピースの場合は、相手やその場の雰囲気に合わせて、求められている答えを言おうとする傾向があります。大勢の前で注目を集めることも苦手なので、控えめな意見にとどめることもしばしばです。
全体的にどのタイプも、成功体験があるかないかで発言に差が出てきます。

タイプ別に意見をしやすい環境をつくる

まずは今の若い世代は会議で意見を言うことが苦手だと認識したうえで、タイプ別に意見が言いやすい環境をつくってあげることが大切です。
ロジカルの場合は、事前に意見を求められることがわかっていたり、質問前に数分でも考える時間があれば、意見を整理して発言することができます。
ビジョンの場合は、会議を「上層部の話し合い」と思わせず、自分事として捉えてもらうことが大事です。アドリブでも答えられるので、「間違っていても構わないから、君の意見を聞きたい」とその場で指名して答えさせてもいいでしょう。
ピースの場合は、小グループでの会議や個別でのヒアリングが有効です。

言い換え

before
「自分の意見を積極的に発言して」

after
ロジカル「考えをまとめる時間を取るから、後で聞かせて」

ビジョン「間違っていてもいいから聞かせて」

ピース「みんなで意見を出し合って、一緒に作り上げていこう」

書籍『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』について

たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方
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「頼まないと何もやってくれない」、「指示どおりに動いてくれない」、「メンタルが弱くてすぐ落ち込む」などなど、職場で部下の言動に悩まされていませんか?

実は人はタイプによってうれしいほめ言葉も、動きやすい指示も異なります。
「センスがあるね! 」と言って喜ぶ人もいれば、「ありがとう」が一番の原動力になる人も。細かい指示で動きやすい人もいれば、ざっくり伝えたほうが動きやすい人もいます。
自分自身がもらってうれしい言葉で相手をほめ、自分にとって動きやすい指示の出し方をしていたら、相手にとって真逆の意味になったり、逆に動きづらくなっているかも。

この本では12万人のデータからつくられた「性格統計学」に基づき、人の性格を4タイプに分類。自分と部下のタイプを診断したうえで、よくある場面ごとに「伝わらない理由」と「相手に合った伝え方」が紹介されています。
自分と部下の性格タイプを知れば、職場のコミュニケーションギャップの理由も見えてくるでしょう。ただ「伝え方」を変えるだけで、部下が自分から動いてくれるヒントが詰まった1冊です。

はじめに
Chapter1 「伝え方」を変えるだけで部下が動く
Chapter2 仕事・指示を理解してくれないときの伝え方
Chapter3 自分から動いてくれないときの伝え方
Chapter4 モチベーションが下がっているときの伝え方
Chapter5 悪い癖を直してほしいときの伝え方
Chapter6 相互理解で「心理的安全性」をつくる
おわりに

稲場真由美さんのプロフィール

富山県生まれ。株式会社ジェイ・バン代表取締役。
自身が人間関係の悩みに直面したことから、新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、のべ12万人から生のデータを集め「性格統計学」として体系化。以来、このメソッドを「一人でも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いで、セミナーや研修、コンサルティングを通して普及活動を行う。
2018年には「性格統計学」にもとづくアプリ「伝え方ラボ」を開発。その後、さまざまな企業で導入され、職場の人間関係の改善や営業活動にも活用されている。2020年には、Web3時間で履歴書に書ける資格が取れる「伝え方コミュニケーション検定講座」のパッケージ化に成功。現在では認定コンサルタントや認定講師の育成も行う。時代のニーズに対応しながら、企業や自治体、学校まで、全国すべての人のコミュニケーション改善に貢献する活動を続けている。

(稲場真由美・著『たった一言で部下が自分から動くすごい伝え方』(WAVE出版)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

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